岸田首相 処理水放出で専門家同士の協議呼び掛け 科学的根拠で

岸田首相は8月29日、東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出に反発を強める中国に対し、専門家同士の科学的根拠に基づいた説明と協議に応じるよう重ねて呼び掛けた。これにより中国政府に対し、日本産水産物の輸入全面停止の即時撤廃を粘り強く求める考えだ。
中国の輸入停止措置を巡っては、高市経済安全保障相が同日、過去にオーストラリアが中国を世界貿易機関(WTO)に提訴したことを挙げ、「何らかの形での対抗措置も検討しておく段階に入っている」と言及している。

鴻海精密工業創業者の郭台銘氏が台湾総統選への出馬を表明

鴻海精密工業創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏は8月28日、2024年1月に行われる台湾総統選に無所属で出馬することを表明した。台北市内で記者会見し、民主進歩党(民進党)を政権から下ろさなければならない」と強調した。郭氏は、民進党について「台湾を戦争の危機へと導いている」と述べ、批判した。今後、無所属での立候補に必要な約29万人の有権者の署名集めに入る。

1〜6月出生数3.6%減の37万人にとどまり2000年以降で最少

厚生労働省が8月29日発表した人口動態統計によると、2023年1〜6月の出生数は前年同期比3.6%減の37万1,052人(外国人を含む速報値)にとどまった。2年連続の40万人割れで、2000年以降で最少を更新した。最近の婚姻数が過去最低水準にあることを考え合わせると、とても反転は見込みにくく、2023年の出生数は前年比でさらに落ち込むことは避けられない見通しとなってきた。
1〜6月の死亡数は2.6%増えて79万7,716人で、出生数から死亡数を差し引いた自然増減はマイナス42万6,664人だった。この結果、総人口の減少もさらに加速しそうな情勢となっている。

7月 求人倍率1.29倍に低下 完全失業率は2.7%, 就業者数0.3%伸び

厚生労働省が8月29日発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍と前月から0.01ポイント低下した。求職者が増える一方、求人数は横ばいで3カ月連続で前月を下回った。
一方、総務省が同日発表した7月の完全失業率は2.7%だった。前月から0.2ポイント上昇した。失業率の上昇は4カ月ぶり。完全失業者数は183万人と前年同月比で4.0%増えた。就業者数は6,772万人で前年同月に比べ0.3%伸び、12カ月連続の増加となった。

大阪・天神橋筋商店街で「やっとさー」阿波踊りイベント

大阪市北区の大阪天満宮と天神橋筋商店街で8月27日、徳島・阿波踊りのイベントが開かれ、多くの人で賑わった。このイベントは商店街を活性化させるとともに、大阪でも阿波踊りを普及させようと10年前から開かれている。ただここ数年は新型コロナウイルス禍で中止や規模の縮小を余儀なくされていた。今年は4年ぶりに制約のない通常の規模で開催された。
イベントはまず大阪天満宮の境内で、踊り手およそ60人がしなやかな「女踊り」と豪快な「男踊り」を奉納。その後、日本一長いとされる天神橋筋商店街を、「連」と呼ばれる踊り手グループ9組、総勢300人が「やっとさー」などの掛け声とともに、軽やかに踊りながら練り歩いた。

松野官房長官 原発処理水放出巡る中国の「嫌がらせ」を憂慮

松野博一官房長官は8月28日、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を巡って、日本国内で中国からの様々な嫌がらせ電話が相次いでいることについて、「極めて遺憾で、憂慮している」と語った。また、これに関連して、中国国内では日本人学校への投石などが起きているという。
松野氏は中国側に「在留日本人の安全確保に万全を期すこと、処理水について正確な情報を発信することを強く求める」と述べ、中国国民への冷静な行動の呼び掛けも要求した。

外務省 中国渡航邦人に注意呼び掛け 原発処理水放出への反発で

外務省は8月27日、東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出を受けて、反発する中国で抗議や嫌がらせの動きが相次いでいることから、中国への渡航や滞在を予定する邦人に注意を呼び掛けた。
この要点は①外出する際は不用意に日本語を大きな声で話さない②日本大使館や総領事館、日本人学校を訪問時には周囲に細心の注意を払う③抗議活動に遭遇しても近づかず、スマートフォンでの撮影もしないーなど慎重な行動を求めている。

京大 iPS細胞活用し難病の筋ジストロフィー治療に新技術

京都大学iPS細胞研究所の堀田秋津准教授らの研究グループは、難病の筋ジストロフィーの患者からiPS才能をつくり、遺伝子を操作できる新しい技術を使って、病気の原因となる異常を取り除いて正常な細胞をつくることに成功したと発表した。
遺伝子変異の場所が異なる3人の筋ジストロフィー患者からiPS細胞をつくり、ゲノム編集と呼ばれる遺伝子操作の中でも、国内で開発された新しい手法を使って、3人のそれぞれ病気の原因となる異常な細胞を取り除くことに成功したという。このiPS細胞を筋肉の細胞に変化させて調べたところ、機能が正常になったことを確認できた。研究グループは今後、新しい治療法の開発につなげたいとしている。

東北夏祭り 来場客は6県で661.5万人 コロナ禍前の7割水準

ねぶた(青森)、竿灯(秋田)、七夕(宮城)など東北6県の主要な夏祭りの主催団体のまとめによると、来場客数は計661万5,000人と、コロナ禍前の2019年実績に届かず7割水準にとどまった。ただ、個人消費の盛り上がりや、インバウンド(訪日外国人)の復調を追い風に、経済波及効果はほぼ同水準まで回復した。
今夏は新型コロナウイルス禍の人数制限が撤廃され、東北でも各地で主要な夏祭りが4年ぶりに通常開催され、いずれも活況を呈した。

阿波おどり「20万円桟敷席」は”建築基準法違反”状態だった

徳島市などによると、今月開催された同市の阿波おどりで、今年初めて設置された1人20万円のプレミアム桟敷席が建築基準法に違反下状態で客を入れていたことが分かった。階段の幅などが基準を満たさず、市の「検査済証」の交付を受けていなかった。阿波おどり実行委員会の事務局は「違法状態との認識がなかった」と釈明している。