日本 パキスタンのインフラ修復支援に5.62億円資金協力

日本政府は、パキスタンの、アフガニスタンとの国境区域に位置するハイバル・パフトゥンハー州のインフラ整備に5億6,200万円を無償資金協力する。同州への新規編入地域では、テロ掃討作戦が展開されたこともあり、インフラが破壊されたままの状態となっている。そのため、引き続きインフラ整備の取り組みが必要とされている。
そこで、国連開発計画(UNDP)を通じて、同地域のコミュニティインフラの修復、そして女性および若年層への職業訓練を通じた生計向上の支援などに充てられる。

プラごみ条約制定へ 世界160カ国・地域が初会合

プラスチックごみ問題に特化した初の国際ルール制定に向け、国際交渉が本格化する。国連の環境計画(UNEP)の政府間交渉委員会の初会合が11月28日、ウルグアイ・プンタデルエステで開幕した。2024年までの条約案の取りまとめを目指して議論が進められる。
初会合は会場とオンラインのハイブリッド方式で、約160カ国・地域が参加。交渉委員会では世界6地域ごとに意見を集約する予定。UNEPの意思決定機関「国連環境総会」では今年3月、プラごみ汚染根絶に向けて条約を制定することを決めている。条約はプラごみの海洋流出防止にとどまらず、設計から廃棄までプラ製品の「ライフサイクル全体」を対象にした包括的な対策を盛り込むことを想定している。

日本 ブータンの保健医療サービス強化に5.35億円供与

日本政府は、ブータンの東部山岳地域のにおける保健医療サービス強化のため、総額5億3,500万円を限度額とする無償資金を供与する。
同地域では、包括的なケアを提供できる医療機関が少ないうえ、地域に点在する小さな病院も含めて一部医療機材が老朽化しており、地域全体として十分な医療サービス体制が確保されておらず、喫緊の課題となっている。

途上国「損失と損害」で23年めどに基金創設 COP27

エジプト・シャルムエルシェイクで開かれていた第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)は11月18日までの会期を延長し、19日も合意文書の採択に向けた交渉が続けられた。最大の争点は、気象変動を受けた途上国の「ロス&ダメージ(損失と損害)」。
議長国エジプトは19日、この問題に対応するための基金を2023年をめどに創設すると提案した。基金創設を求める途上国側と、経済的負担が大きくなる先進国側との間で協議が続き、最終的に先進国側が歩み寄る形で決着した。ただ、この基金の具体的内容は2023年開かれるCOP28決めることになった。

APEC首脳宣言 決裂避け対ロシア非難はG20踏襲

タイの首都バンコクで11月19日閉幕した21カ国・地域でつくるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、争点とみられたロシアのウクライナ侵攻に対する見解で、直前に開かれたG20首脳会議と同様、両論併記を踏襲することで宣言を採択、決裂を免れた。
同会議はウクライナ侵攻をめぐってロシアを厳しく非難するとともに、エネルギーや食料価格が高騰していることにも触れ、「世界経済の脆弱性を悪化させている」などとしたが、糾弾論調に集約化せず、決裂を回避した。

日本 インドネシアに1,300億円の円借款 インフラ整備

日本政府は11月14日、インドネシアで行われた首脳会談で、岸田文雄首相がジョコ・ウィドド大統領に対し高速鉄道、港湾アクセス有料道路のインフラ整備に合わせて供与限度額1,300億3,800万円の円借款供与の事前通報を行った。これを踏まえ今後、両国政府の間で、この借款に関する交換公文が締結される予定。
対象案件は①ジャカルタ都市高速鉄道計画(フェーズ2)(第二期)に供与限度額879億1,800万円②パティんバン港アクセス有料道路建設計画に同421億2,000万円。

日中首脳会談「安定的関係」構築めざす 核使用に反対

岸田文雄首相は11月17日、タイ・バンコクで中国の習近平国家主席とおよそ45分会談した。両国間には尖閣諸島がある東シナ海での中国の軍事行動や弾道ミサイルの発射、台湾海峡など海洋と領土の問題がある。だが、両首脳は「両国関係の重要性は変わっておらず、今後も変わらない」(習氏)、新しい時代に合致した「建設的かつ安定的な関係の構築を、双方の努力で加速することが重要」(岸田氏)とし、「安定的な関係」の構築を目指すことで一致した。ウクライナ情勢に関しては核使用反対の認識を共有した。
これを受け、外務・防衛当局の高官による「日中安保対話」の開催や、緊急時に防衛当局間をつなぐ「ホットライン」の早期開設を申し合わせたほか、閣僚級のハイレベル経済対話の早期再開を確認した。

G20首脳会議閉幕 核使用認めず 首脳宣言は合意優先

インドネシア・バリ島で11月15、16日の2日間にわたり開催されていたG20首脳会議は11月16日、首脳宣言を採択して閉幕した。今回の首脳宣言は議長国インドネシアのジョコ大統領が主導し、ウクライナ侵攻を非難、「核使用を認めない」などとしたが、調整がつかず宣言を出せない事態を回避するため、ウクライナ侵攻をめぐり激しく対立した欧米とロシアなどそれぞれの主張を盛り込み、合意を優先させた。その結果、各国の対立や世界の分断は今後も続く続くことになった。