関空の5月国際線旅客数 前年の20倍の123万人余 19年の57%水準

関西国際空港を運営する関西エアポートが6月23日発表した5月の国際線旅客数は、前年同月比20倍の123万3,632人だった。新型コロナウイルス禍前の2019年5月の57%の水準まで回復した。このうち外国人は24倍の98万9,324人、日本人は11倍の23万5,030人だった。コロナ禍前のそれぞれ7割、4割の水準。

ソニーG 熊本県合志市に画像センサー新工場, 年内に用地取得完了

ソニーグループの半導体事業会社、ソニーセミコンダクタソリューションズは6月23日、オンライン会見で清水照士社長が、熊本県合志市に新工場を建設する方針を表明した。現在新工場の用地取得を進めており年内にも手続きが完了する見通し。画像センサー工場を想定しているという。

大阪メトロ 万博向け新型車両の出発式 6/25から営業運行

大阪メトロは6月24日、中央線森ノ宮駅駅(所在地:大阪市中央区)で、2025年大阪・関西万博に向けて導入する新型車両400系の出発式および試乗会を開いた。25日から営業運行する。新型車両は宇宙船を意識させるデザインで、車体前面を鉄道車両では珍しい八角形とし、前照灯を四隅に配置している。同日はおよそ30人が一足早く乗り心地を確かめていた。
中央線は万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)まで延伸する予定で、開幕までに23編成を導入して来場者の輸送を担う。夢洲駅(仮称)が完成する2024年度には大阪港ー夢洲間で、添乗員を乗せた「レベル2.5」相当の自動運転の実証実験を実施する予定。

物流の24年問題「”送料無料”表示をやめて」業界が強く要望

消費者庁は6月23日、「物流の2024年問題」に対応する政策パッケージに盛り込まれた”送料無料”表示の見直しに関し、実態把握のための意見交換会を開いた。第1回として現場当事者の全日本トラック協会から馬渡雅敏副会長が出席し、「”送料無料”の表示はやめていただきたい。送料は運送の対価としていただいているもので、決して無料ではない。消費者に誤った認識を与えるもとになってている」と指摘。「送料無料と表示されていることで、業界の地位が著しく低下し、(就労先として敬遠され)人手不足にもつながっている」などと、見直しの必要性を強調した。

パナソニック 国内向けエアコン生産拠点を滋賀・草津に集約

パナソニックは日本国内向けの省エネ性能が高いエアコンの生産拠点を、2023年度から2024年にかけて滋賀県草津工場に集約する方針を明らかにした。現在、当該機種は中国広東省の広州工場と滋賀県の草津工場で生産しているが、広州工場生産分を移管する。日本国内での上位機種へのニーズの高まりや、地政学的なリスクを考慮した。
今回の措置で商品の保管コストの削減や納品までの時間をおよそ4分の1に短縮できると見込んでいる。生産集約化により、草津工場では雇用を2割増やすとともに、生産ラインの自動化も進める方針。

紀伊國屋書店など3社が新会社設立へ 仕入れ・流通を共同で

紀伊國屋書店、蔦屋書店などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ、日本出版販売の3社は6月23日、仕入れや流通を共同で行う新会社の設立に向けて協議を進めることで合意したと発表した。3社が持つ販売データを共有化し、AI(人工知能)を使った需要の予測に基づく発注システムを共同運営することで本の返品率を減らし、流通の効率化を進める方針。顧客向けアプリの開発など書店横断型の新たなサービスも検討する。新会社は今年秋の設立を目指す。

凸版印刷など3社 包装材料のマテリアルリサイクルで実証開始

凸版印刷(本社:東京都文京区)、三菱ケミカルグループ(本社:東京都千代田区)、共栄社化学(本社:大阪市中央区)の3社は6月22日、包装材料の製造工場から排出される廃プラスチックを水平リサイクルすることを目的とする、マテリアルリサイクル生産プロセスを共同開発する契約を3月15日に締結。6月より、生産実証プロセスの原理検証機の導入を含む、マテリアルリサイクルの生産プロセスの実証試験を開始する。
今回開発する技術は、プラスチック複合素材の包装材料を剥離・脱墨・分離し、素材別の樹脂として取り出すことが可能だ。取り出された各々の樹脂は品質劣化が少なく、洗剤やシャンプーなどのトイレタリー製品や食品の包装材に使用するフィルムの原料としての利用を検討している。3社は2027年度の社会実装を目指す。

シスメックス 微量の血液から脳内Aβの蓄積状態を測定する検査試薬

シスメックス(本社:神戸市)は6月22日、微量の血液からアルツハイマー病の原因となる脳内アミロイドベータ(Aβ)を測定する検査試薬を、6月から日本で発売すると発表した。この試薬は血液中のAβペプチドの比率を測定することで、アルツハイマー病の特徴の一つである脳内Aβの蓄積状態の把握を補助するもの。
日本における認知症患者数は、2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人に相当する、675万〜730万人に達すると推計され、大きな社会課題となっている。

サイバーダイン PMDAにHAL小型モデルを製造販売承認申請

ロボットスーツ「HAL(ハル)(R)」を製造販売するサイバーダイン(本社:茨城県つくば市)は6月21日、既存の医療品、HAL下肢タイプを使えない小柄な患者向けに開発した小型モデルについて、PMDA(医薬品医療機器総合機構)に製造販売承認申請を提出したと発表した。小型モデルは対象とする体重が15〜50kg、身長が100〜150cm。適用疾患は既存モデルですでに承認を受けている脊髄性筋萎縮症といった神経筋難病(8疾患)と脊髄疾患(2疾患)。今回の小型モデルは欧州、米国、アジアなどの諸外国でも医療機器申請を順次進めていく。

大王製紙 東北大・東大などとCNF半導体材料開発を開始

大王製紙(本社:東京都千代田区)は6月21日、セルロースナノファイバー(以下、CNF)の新たな用途開発として東北大学、東京大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)と共同で、半導体材料開発を開始すると発表した。この開発テーマは、このほど国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の「先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」に採択され、今年度より4社で共同研究を行う計画。
植物由来のCNFが半導体特性を示すことはすでに東北大学の研究で見出されており、東北大(橋田特任教授グループ)、東大(磯貝特別教授グループ)、産総研(セルロース材料グループ、化合物半導体デバイスグループ)の4グループと共同で研究開発を進めていく。