KDDI, やさしい手など 人手不足解消へ対話AI搭載型ロボで介護実証

KDDI(本社:東京都千代田区)、シャープ(本社:大阪府堺市)、日本総合研究所(本社:東京都品川区)、やさしい手(本社:東京都目黒区)の4社は11月13日、シャープのコミュニケーションロボット「RoBoHoN(ロボホン)」に対話AIシステム「MICSUS(ミクサス)」(Multimodal Intaractive Care Support System)を搭載した対話AI搭載型ロボットを活用した介護サービスの実証を実施すると発表した。実施期間は11月17日から12月18日まで。
この実証では自宅や、やさしい手が運営するサービス付き高齢者向け住宅で暮らす高齢者の居室に、このロボットを設置。ケアマネジャーの業務である高齢者の健康情報確認のほか、雑談を通じた日常の関心情報の収集が可能。4社はこの実証を通じてロボットによるケアマネジャーなどの業務負荷軽減や高齢者とその家族とのコミュニケーションの活性化への効果を検証し、介護人材不足の解決に貢献する。
「介護の2025年問題」と指摘される2025年度には約32万人、2040年度には約69万人の介護人材が不足すると見込まれている。

9月の実質賃金2.4%減 18カ月連続マイナス 物価高に追い付かず

厚生労働省が11月7日発表した9月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、1人あたりの賃金は物価を考慮した実質で前年同月比2.4%減少した。マイナスは18カ月連続。マイナス幅は前月の2.8%からやや縮小したが、いぜんとして物価高の勢いに賃金上昇が追い付かない状況が続いている。

22年の有給取得率62.1% 初の6割超え 義務化が追い風

厚生労働省がまとめた2023年の就労条件総合調査によると、2022年の労働者の年次有給休暇の取得率は62.1%となり、初めて6割を超えた。2019年の52.4%10ポイント近く上昇した。同年、労働基準法が改正され、年5日の有休取得が義務化されたことが追い風になった。有休取得率は2000年〜2010年代にはほぼ40%台で推移していた。ただ、これでも政府が目標としている「2025年までに70%以上」の取得にはまだ隔たりがある。
調査は労働者30人以上の企業6,421社を対象に実施し、有効回答率は58.7%。1人あたりの有給休暇の持ち分は平均17.6日で、実際の取得日数は10.9日だった。

東急セキュリティ 足立区と「高齢者見守りサービス助成事業」協定

東急セキュリティ(本社:東京都世田谷区)は11月1日、同日付で足立区と「高齢者見守りサービス助成事業に関する協定」を締結し、地域の高齢者見守りの取り組みに協力すると発表した。
同社は2008年から東急線沿線地域を中心に高齢者向けの見守りサービスを提供してきており、2022年より都市再生機構(UR)の連携事業者として首都圏域におけるUR賃貸住宅の居住者向けにもサービスを提供している。
今回同社がUR賃貸住宅で提供している高齢者見守りサービスについて、足立区と連携してこれまでの助成事業が担ってきた事務手続きの一部を東急セキュリティが代わりに行うことで、助成対象者の負担を軽減させこの事業の推進に貢献する。

松屋フーズ ベトナム国立外国語大とインターンシップ協定締結

松屋フーズホールディングス(本社:東京都武蔵野市)は10月27日、ベトナムの国立ダナン外国語大学とインターンシップ協定の締結・調印式を25日、同大学で執り行ったと発表した。日本国内の幅広い産業の労働力不足に対応するだけでなく、ベトナムの学生の日本企業への就業機会の拡大等、産学連携による日本・ベトナム双方にメリットのある仕組みの構築を志向している。同社も将来計画しているベトナム進出時における幹部候補生育成としても活用する予定。
今回の協定では同大学の単位取得プログラムとして、同社の日本国内の運営管理施設において、同大学の学生が接客サービス等のプログラムを提供する。このプログラムは単なる日本語能力の修得だけでなく、日本企業におけるビジネスマナーや日本文化の理解向上を図り、日本企業へ就業するために必要な要件を学ぶ機会とする。対象者はN3レベルの日本語能力を習得している方とし、2024年3月から第1期生の受け入れを開始する。

ブイキューブなど 兵庫県養父市で11/7より遠隔診療の実証開始

ブイキューブ(本社:東京都港区)は10月24日、PHCホールディングス傘下のウィーメックス(本社:東京都渋谷区)とともに、兵庫県養父市の公民館「あけのべ憩いの家」に、リアルタイム遠隔医療システム「Doctor-Cart」が搭載された「TELECUBE」を設置し、11月7日よりオンライン診療の実証事業を開始すると発表した。
この実証事業は2023年5月18日、厚生労働省民政局による通知「へき地等において特例的に医師が常駐しないオンライン診療のための診療所の開設について」を受け、へき地における持続可能な地域医療の提供を目指すことを目的とした取り組み。
同実証事業を行うことにより、地域住民の医療アクセス向上に加えて、地域医療が住みたい場所で健康的に暮らせるための疾病の重症化予防や、医師の移動負担の軽減や診療の効率化など、患者・医師双方のニーズに適した地域医療への貢献を目指す。

働く高齢者 国負担で送迎 24年度から地方の就労支援 厚労省

厚生労働省は移動手段の少ない地方に居住する高齢者の就労を支援するため、国が費用を負担する形で職場への新たな送迎制度を設ける。全国シルバー人材センター事業協会に委託する。2024年度からモデル事業として開始。まず数十カ所で実施し、将来全国展開できるようにする予定。
近年、高齢ドライバーの交通事故が多発したことも加わって免許返納した人が大幅に増加。半面、これを理由に他に移動手段を持たない高齢者は、就業を諦めるケースが増えている。これをサポートし、希望者が通勤しやすい環境を整える。

技能実習に代わる新制度案を提示 政府有識者会議 転職要件緩和

外国人労働者のあり方を議論する政府の有識者会議は10月18日、技能実習に代わる新制度のたたき案を示した。
この要点は①1つの企業で1年を超えて働き、基礎的な技能と日本語能力試験「N5」に合格すれば別の会社に転職できる。ただ、農業から建設業といった業務分野を変える転職はできない②最初の在留期間は3年間とする③より高度な技能試験に合格し、日本語能力が下から2番目の「N4」相当になれば、同じ業務で「特定技能1号」の資格に移れる。これに伴い、さらに最長5年間働き続けられる④試験に不合格でも、最長1年在留できる救済措置を設ける⑤特定技能2号の試験に合格すれば在留資格の更新回数の制限はなくなり、長期就労が可能になる⑥外国人労働者が来日前に借金を背負わないように、受入企業が来日前の手数料を負担する仕組みの導入を検討する⑦人材受け入れを担う監理団体の要件を厳格化し、受入企業と役員の兼務を制限するーなど。
今秋の最終報告書を踏まえ、2024年1月の通常国会に提出する予定。

斉藤国交相 人手不足のバス運転手「特定技能」に追加検討

斉藤鉄夫国土交通相は10月10日、外国人労働者の在留資格「特定技能」の対象にバス運転手を追加するため、関係省庁と調整を進めていることを明らかにした。斉藤氏は運転手不足に伴い、バスの減便や路線廃止などが相次いで要ることに触れ、「地域住民や観光客の移動手段の確保の面から、国交省としても危機感を持って受け止めている」と語った。
関係者によると、政府は2023年度中にトラック、タクシー、バスの運転手など自動車運送業を、特定技能の対象に追加することを目指している。

サイバーダイン 新たに脊髄2疾患が「HAL」の保険対象に

装着型ロボット開発を手掛けるサイバーダイン(本社:茨城県つくば市)は10月5日、主力製品のHAL医療用下肢タイプ(以下、医療用HAL)について、2023年10月1日付で厚生労働省より新たに脊髄2疾患が保険対象になったと発表した。今回対象となったのは、HTLV-1関連脊髄症(HAM)と遺伝性痙性(けいせい)対麻痺の2疾患。これにより医療機関は医療用HALを導入しやすくなる。