インドネシアの13年ネット利用者は13%増の7119万人

インドネシアの13年ネット利用者は13%増の7119万人
 インドネシアのインターネット・プロバイダー協会(APJII)によると、2013年の利用者数は前年比13%増の7119万人だった。ジャカルタポストが報じた。同国では交流サイトのソーシャルメディア関連のアプリケーションや動画サービスの需要が高く、スマートフォンが人気を集めている。13年はネット利用者のうち、約5割が携帯電話からの接続だった。
 ただ、2億4700万人の人口を擁する同国だけに総人口に比したネットの利用率はまだ低い。ちなみに、シンガポールが75.5%、マレーシアが60.7%だから、こうした東南アジア諸国連合(ASEAN)内のIT先進国にはまだ大きく水を開けられている。国連のミレニアム開発目標で、インドネシア政府が合意した2015年の同国のネット利用者の目標は1億3900万人となっている。

調査捕鯨船「日新丸」がクジラ肉でハラール認証取得

調査捕鯨船「日新丸」がクジラ肉でハラール認証取得
 日本の調査捕鯨船「日新丸」(8145㌧)が、船内で行うクジラ肉の加工処理について、イスラム教の戒律に沿った食べ物であることを証明する「ハラール認証」を取得した。読売新聞が報じた。調査捕鯨は、国の補助金と前年度に捕獲されたクジラの販売利益で運営されており、マレーシア、インドネシアなど訪日観光客が急増しているイスラム教徒を含め、国内消費のすそ野を広げる狙いがあるという。
 ハラール認証取得には、「豚肉やアルコールを含まない」など細かい規定を満たす必要があり、時間がかかるとされている。日新丸を所有する共同船舶(東京都)によると、同船が広島県尾道市に係留中の昨年11月13日、認証機関が船内で加工処理の過程を確認。手の消毒で使っていたアルコールがイスラム法上認められないと指摘を受け、次亜塩素酸ナトリウムに変更し、同24日に認証されたとしている。

豪州がインドネシアの洪水対策に4億㌦支援を表明

豪州がインドネシアの洪水対策に4億㌦支援を表明
 豪州政府は1月21日、豪雨により甚大な被害に見舞われたインドネシアの洪水管理に4億6700万㌦の支援をすると発表した。ジャカルタをはじめインドネシア国内各地域で発生した洪水対策として、水道設備の管理・改善や開発事業に充てられる予定。豪州国際開発庁を通じて実施される。

洪水対策で違法建築400軒を撤去へ 西ジャワ州ボゴール県

洪水対策で違法建築400軒を撤去へ 西ジャワ州ボゴール県
 西ジャワ州ボゴール県は今年、避暑地として知られるプンチャックで、森林の保水機能が下がり、洪水の原因とされている違法に建てられた宿泊施設など400軒を撤去する計画だ。昨年1年間で撤去された231軒を大幅に上回る目標で、関連経費を今年度予算に盛り込んだ。
 プンチャックは、首都に注ぐチリウン川の源流部にあたる。風光明媚な景観は都市部住民に人気が高く、建設禁止区域でありながらも、宿や別荘などの建設が進み、水源の破壊が指摘されてきた。予算の成立を待ち、2月にも作業を開始する。同県によると、建物を取り壊し撤去した跡地には植樹するなどして、保水機能を回復させ、市民の憩いの場所になるよう緑地化する予定。

ジャカルタへの流量40%削減へ2つのダム建設で合意

ジャカルタへの流量40%削減へ2つのダム建設で合意
 ジャカルタ特別州のジョコウィ知事は1月20日、西ジャワ州のアフマッド・ヘルヤワン知事や公共事業省高官らと会合を開き、首都の洪水対策の一環として、チリウン川流域2カ所にダムを建設することで合意した。ダムの建設地は西ジャワ州ボゴール県のチアウィとスカマヒ。中央政府が資金面で援助する。これらのダム建設により、ボゴールからの流量を調節し、ジャカルタへの流量を40%減らせると期待されている。
 現在は設計段階で、2015年から工事を開始する予定。チリウン川からチサダネ川への放水路を建設する計画もあり、チサダネ川が流れるバンテン州タンゲラン県の許可を待っているという。

インドネシア人メイド虐待の中国人女性を出国直前逮捕

インドネシア人メイド虐待の中国人女性を出国直前逮捕
 香港の各メディアによると、20歳代のインドネシア人メイドに虐待を繰り返し、重傷を負わせたとされる中国人女性、スルナムド・ロウ容疑者(44)が1月20日、香港国際空港で出国直前、香港警察に逮捕された。香港では住み込みの外国人メイドを雇うことが一般的だが、今回の一件は虐待の悪質性から大きな社会問題となっていた。
 インドネシア移住労働者連盟・香港支部によると、顔や手足を負傷するなどの虐待を受けたメイドの女性は23歳で、2013年5月からロウ容疑者の自宅で働いていた。現在、インドネシアに逃れて入院中。今回の虐待事件が明るみに出たのを機に、19日には主催者発表で約5000人がデモ行進した。

13年の人権侵害7000件 目立つ少数派差別 国家人権委

13年の人権侵害7000件 目立つ少数派差別 国家人権委
 インドネシアで2013年1年間に国家人権委員会に対し、約7000件の人権侵害に関する届け出があったことが1月20日、分かった。性同一性障害者や同性愛者などLGBT(性的少数者)、宗教少数派への差別が目立ったという。国家人権委員会は大統領選挙と総選挙がある14年、人権侵害がさらに増える可能性があると指摘。同委員会は英字紙ジャカルタポストに対し、少数派の問題で政府が毅然と保護する姿勢を示すよう訴えた。イスラム政党が選挙を控え、大きな集票力を持つとみられるイスラム強硬派団体との結び付きを強めているとの見方がある。実際に開発統一党(PPP)の党首が13年、イスラム擁護戦線(FPI)の総会に訪れるなど蜜月を印象付けた。

洪水が政争の具に「15カ月で被害をなくせるわけはない」

洪水が政争の具に「15カ月で被害をなくせるわけはない」
 4月の総選挙と7月の大統領選挙を控え、ジャカルタ首都圏の増大する洪水被害を巡り、政党間の批判、非難がヒートアップしており、ジャカルタではいま被害に苦しむ市民をよそに洪水が”政争の具”になりつつある。
 地元メディアによると、国民信託党(PAN)のアミン・ライス最高顧問は1月19日、ジャカルタ洪水被害の拡大について「ジョコウィ知事は市民に謝罪すべきだ」と責任を追及、ジョコウィ氏の洪水対策は十分ではないと指摘した。PANは党首のハッタ氏が経済調整相として政権内にいるため、アミン氏が人気の高いジョコウィ氏と、所属の闘争民主党(PDIP)の支持率を、少しでも落としたい思惑があるのだ。ジョコウィ氏への牽制はPANだけではない。15日には民主党の議員が「選挙公約の洪水克服が守られていない」、ゴルカル党の州議会議員も「知事がしっかり働いていれば、こんなに被害は広がっていない」などと批判している。
 こうした批判や非難に対し、ジョコウィ氏側は「知事就任から15カ月で被害をなくせるわけはない」と反論。PDIPの副幹事長はチリウン川やプルイット、リアリオ貯水池の改修などの実績を強調するとともに、洪水は周辺自治体や中央政府とも協力が必要で、州政府単独での取り組みは困難と強調した。ジョコウィ氏も16日、河川管理の責任者は中央政府にあると指摘し、協力体制の重要性を説いている。

豪雨被害食い止めへジャカルタ州が人工降雨対策を導入

豪雨被害食い止めへジャカルタ州が人工降雨対策を導入
 ジャカルタ特別州のジョコウィ知事はこのほど、国家災害対策庁(BNPB)、科学技術応用評価庁(BPPT)、空軍と協力し、人工的な雨で降雨場所や時期をずらす人工降雨対策を導入すると明らかにした。これは拡大する豪雨被害を食い止めるため、ジャカルタ首都圏への降雨量減少を狙いとする豪雨対策の一環。雲の下に雨粒の核になる食塩を撒き、人工降雨をジャワ海に降らせようというもの。じゃかるた新聞が報じた。
 BNPBは1月19日までに輸送機3機を投入し、2万1240㌧の食塩を投下。さらに空軍に増援を要請しているが、他の被災地救援を優先したため飛行機不足になっている。BPPTの人工降雨に関する専門家は「人工降雨は洪水対策に有効。2013年には月間降雨量を30%削減することができた」とし、「飛行機確保が喫緊の課題」と危機感を露わにした。BNPBは雨期のピーク(1~3月)に実施する人工降雨対策に14年予算から200億ルピアを振り向ける。ジャカルタ特別州も、13年10月に180億ルピアを充てる予算案を州議会に提出したが、承認されておらず、対策遅れの一因になっているとの指摘もある。

首都圏の洪水による損害額は1週間で数千億ルピアに

首都圏の洪水による損害額は1週間で数千億ルピアに
 インドネシア経営者協会(アピンド)のソフヤン・ワナンディ会長は、この1週間にわたる洪水に伴う首都圏の実業界の損害額は、数千億ルピアに上るとの見通しを明らかにした。主な要因は物流コストの上昇や、商店への来店客の落ち込みによる機会損失だ。日刊紙コンパスが報じた。
 ジャカルタ商工会議所のサルマン・シマヨラン副会頭によると、冠水で道路が不通になり、北ジャカルタのマンガドゥアやクラバガディン、中央ジャカルタのタナアバン、東ジャカルタのジャティヌガラなど、一部地域のショッピングモールや商店街への来客が減少している。
 マンガドゥアにはWTC(世界貿易センター)やマンガドゥア・スクエア、ハルコ・マンガドゥアなど6つのモールがあり、約2万店が1日250万ルピアの売り上げ減になったと想定し、1日だけで500億ルピア(約4億3000万円)の機会損失になると試算している。また、クラバガディンでは一部のモールが営業できなくなり、銀行の支店移管なども出ており、1日で400億ルピア(約3億5000万円)の損失が出ていると予測している。