大統領周辺に贈収賄疑惑 汚職撲滅委が側近らを捜索
地元紙によると、インドネシアの汚職撲滅委員会(KPK)は、石油ガス事業監督機関SKKミガスの事業に絡む贈収賄事件で、ユドヨノ大統領の周辺の捜査に乗り出している。すでに側近のジェロ・ワチック・エネルギー鉱物資源相や党幹部らが聴取を受け、大統領の次男、エディ・バスコロ氏も受注業者との関係に嫌疑が持たれている。2014年4月の総選挙を控え、相次ぐ汚職発覚で支持率を半減させた民主党にとって、さらなるダメージになることは避けられない情勢だ。
ジェロ氏は2004年の第1期ユドヨノ政権から入閣し、大統領を支えてきた側近。収賄の疑いが持たれている直属の部下、ワルヨノ・カルノ事務次官の執務室から20万㌦の現金が見つかっており、この金の性質や使途などについて捜査が進められているという。ハンバラン競技場汚職事件では、アンディ・マラランゲン前青年スポーツ担当国務相や部下の事務次官が逮捕されており、ジェロ氏は現役閣僚で2人目の汚職容疑者となる可能性がある。
インドネシアで人材現地化へ新卒学生の採用活動が活性化
インドネシアで人材現地化へ新卒学生の採用活動が活性化
安定的な経済成長を続けてきたインドネシアで、新卒学生の採用活動に力を入れる企業が増えてきた。日本においては当たり前の新卒の採用活動だが、これまで各社が同時期に新卒の採用を実施することなどなかったインドネシアの人材市場においては、実は極めて新しい動きなのだ。
NNA.ASIAによると、数多くの海外ブランド品の販売権を持つ小売大手のMAPは新卒の採用を重視する企業の一つだ。新卒向けの採用活動は毎年8月~翌年1月に実施。主にインターンとして受け入れ、試用期間を終えた学生を採用している。新卒の採用人数は毎年増えており、今では年間100人以上となった。トヨタ自動車の製造子会社トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(TMMIN)も、新卒の採用に力を入れている。自動車市場の拡大に伴う生産能力の引き上げに備え、ここ2年間は例年より多くの新卒を採用している。
採用活動で重視しているのは、トップクラスの大学やポリテクニック(職業訓練学校)との提携だ。インターンの受け入れ、卒業シーズンの後にある就職フェアへの参加を通じて、会社の魅力を学生にアピールしている。
インドネシアで新卒の採用活動に力を入れる企業が増えているのは、目先ここ急激に最低賃金が大幅に引き上げられたことで、労働コストの抑制を狙う意味もある。だが中長期的にみれば、将来の会社を担う人材が大幅に不足することが予想されるとの危機感からだ。また、経験はなくても、中途採用のように他社の色に染まっていないため、自社の企業文化・理念を教え込むことが容易という判断もある。
日系企業にとっても、中長期的な事業拡大には経営陣を含む人材の現地化が欠かせない。大学の進学率がまだ20%台と低いインドネシアだけに、今後一段とホワイトカラーの需給が引き締まる労働市場で、新卒の採用を増やす企業が今後も拡大しそうだ。
ジャカルタ特別州が物資調達業務職員1500人を削減へ
ジャカルタ特別州が物資調達業務職員1500人を削減へ
ジャカルタ特別州のアホック副知事は12月4日、州職員の業務が非効率なことから、現在7万人を超える職員を削減する意向を示し、その第一弾として物資調達業務をオンラインシステムに一本化、同部局をなくし、1500人を削減する方針を明らかにした。 職員の解雇後は欠員を募集せず、定数を減らす考え。
同州は現在、首長の業務評価を進めており、アホック副知事は郡長の8~9割は好評価を得たが、住民に賄賂を要求する人物も1割程度いるようだ。区長についてはまだ調査中-とした。また、公務員全体の評価について業務遂行力が高い公務員は全体の2割程度。6割は日々の仕事をこなすのみで、残りの2割は働きもしていない-と厳しい評価を下し、公務員の意識改革を求めている。
スラバヤ市のブンクル公園 アジア都市景観部門賞受賞
スラバヤ市のブンクル公園 アジア都市景観部門賞受賞
アジアの優れた建造物や街並みを表彰するアジア都市景観賞の部門賞に、東ジャワ州スラバヤ市のブンクル公園が選ばれ、11月26日に日本の福岡市で授賞式が行われた。同式にはスラバヤ工科大卒の建築家で、同公園の整備に携わったスラバヤ市の現市長、トリ・リスマハリニ(リスマ)氏が出席した。南国の気候の下での快適な環境づくりと現代的なデザインが評価されたという。同市では今後、50㌶に花を植えた公園や果物が採れる公園なども計画している。スラバヤのほかに、日本と中国からそれぞれ3件、韓国、ベトナムからそれぞれ2件選出された。じゃかるた新聞が報じた。
ブンクル公園は2007年、スラバヤ市ラヤ・ダルモ通りに完成。子供の遊具やマラソンコース、スケートボード場、競技用自転車場、イベント用ステージを設置。Wi-fiを完備し、子供から幅広い人たちに利用されている。
アジア都市景観賞は2010年に国連ハビタット福岡本部、アジアハビタット協会、福岡アジア研究所、アジア景観デザイン学会が設立。他都市の規範となる都市や地域を表彰し、文化的、歴史的意義のある建造物や街並みを保存することを目標としている。
一般医薬品の販売540億円に拡大 都市部で伸び率2倍に
一般医薬品の販売540億円に拡大 都市部で伸び率2倍に
市場調査会社ニールセンによると、インドネシアの全国の都市部における2012年9月~13年8月の1年間の一般医薬品(OTC)の総販売額は前年同期比1割増の6兆3000億ルピア(約543億円)と、過去5年で最大の伸びとなった。健康意識の高まりとともに、ビタミン剤の販売増が顕著で伸びを牽引している。OTC市場の成長率は前年同期から2倍に伸びた。NNA.ASIAが報じた。
調査は首都圏をはじめとする全国の都市部の5600世帯(高所得層26%、中間層43%、低所得層31%)を対象に実施。OTCの支出額、購入頻度、場所などを聞いた。
全体に占める割合は薬局などの近代流通が22%、雑貨店(ワルン)などの伝統流通が78%。成長率は近代流通が18%、伝統流通が8%だった。品目別の成長率はビタミン剤が38%で最も高く、鎮痛剤・風邪薬19%、せき止め薬9%、制酸薬(胃腸薬)6%と続いた。
OTCの支出額は低所得層が前年同期比43%増、中間層が3割増、高所得層5%増。総販売額増への貢献度が最も高い中間層の支出額に占める品目別の割合はビタミン剤が56%で最高。せき止め薬が22%、鎮痛・風邪薬が21%で続いた。ビタミン剤の普及率は34%に達しており、高所得層が46%、中間層が36%、低所得層が22%だった。中間層ではビタミン剤の購入頻度は年間3.6回と前年同期から0.7ポイント上昇したほか、支出額が39%増の4万9800ルピアになった。
鳥インフルに感染女性と接触した17人は予備検査で陰性
鳥インフルに感染女性と接触した17人は予備検査で陰性
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、香港の保健当局は12月4日、「H7N9型」鳥インフルエンザの初めてのヒトへの感染が確認されたインドネシア人女性(36)と接触のあった17人について、予備検査の結果は陰性だったと発表した。ただ当局の高官によると、予防措置としてこの女性を家政婦として雇っている家庭の10人を含む17人は隔離され、抗インフルエンザ薬の投与を受けている。
名前が公表されていないこの家政婦は重体で、いぜん入院中だ。中国広東省深セン市の保健省のコー・ウィンマン長官は同日、議会議員に対して現時点でH7N9型ウィルスがヒトからヒトへ感染したことを示す証拠はなく、集団感染リスクは低い」と述べた。世界保健機関(WHO)によると、今回の女性の感染により、中国、香港、台湾の当局が4月以降報告したヒト感染が確認されたのは合計141人(うち45人死亡)となる。
日本企業約200社か参加 国際総合機械見本市が開幕
日本企業約200社か参加 国際総合機械見本市が開幕
国際総合機械見本市「第24回マニュファクチャリング・インドネシア(MI)2013」が12月4日、中央ジャカルタ・クマヨランのジャカルタ国際展示場(JIエキスポ)で開幕した。世界42カ国・地域から2109社が出展。7日までの4日間で3万5000人の来場者が見込まれている。日本企業は約200社がブースを構え、日本貿易振興機構(ジェトロ)が設置したジャパン・パビリオンでは昨年比4社増の24社が出展している。
首都の14年予算案は渋滞対策など39%増の69.5兆ルピア
首都の14年予算案は渋滞対策など39%増の69.5兆ルピア
ジョコウィ知事初の予算編成となるジャカルタ特別州の2014年予算案が12月4日、州議会に提出された。これによると歳出総額は13年予算に比べ38,7%増の69.5兆ルピア(約6100億円)。渋滞緩和や洪水減災など同知事の目玉政策関連が全体の28%を占めた。
渋滞緩和策として都市高速鉄道(MRT)建設に向けた土地収用に5210億ルピア、トランスジャカルタやバスの購入に計4兆6100億ルピアを計上。洪水の減災策には土地収用に1兆6600億ルピア、防潮堤の整備に1792億ルピア、河川の浚渫に1403億ルピアを計上している。州政府は69.5兆ルピアの歳出に対し、62.21兆ルピアの歳入を見込み、不足分は前年の未執行分などを充てる。
ジルバブ着用は内規ができてからに 国家警察副長官
ジルバブ着用は内規ができてからに 国家警察副長官
国家警察副長官は12月2日、女性警察官のジルバブ(イスラム女性のスカーフ)着用について、明文化された内規ができるまで着用を見合わせるよう指示したことを明らかにした。ジルバブは制服規定になく、従来は着用は禁じられていると見なされていた。だが、イスラム団体のジルバブ禁止はイスラム女性の権利侵害発言を受けて、国家警察長官が11月19日、「着用の判断は個人に委ねる」と発言。これを解禁宣言と受け止め、数日後から色とりどりのジルバブを着けて勤務する女性警察官が登場。地元メディアもこれを好感し、大々的に報道していた。
ところが、同副長官は2日、「赤や白などのジルバブが散見され、全く美しいと思わない」と様々なカラージルバブを問題視。統一感のある制服の一部とすべきとして、11月28日付で内規がまとまるまで、ジルバブ着用は凍結するとの通達も出しているという。
インドネシア人女性が香港で初の鳥インフルに感染
インドネシア人女性が香港で初の鳥インフルに感染
香港政府は12月2日、香港で初の鳥インフルエンザ(H7N9型)のヒトへの感染を確認したと発表した。感染者は香港で家政婦として働くインドネシア人女性(36)。11月半ばに広東省深センで買った生きた鶏を調理して食べたという。この女性は重体で入院した。香港政府は感染源を確定していないが、深センにある3カ所の指定養鶏場所からの輸入停止を決めた。