「補償対象の拡大が不可欠」ジャワ発電所問題で見解

「補償対象の拡大が不可欠」ジャワ発電所問題で見解
 毎日新聞によると、インドネシアで計画が進展難となっている中部ジャワ石炭火力発電所建設問題で、同国の政府傘下の独立調査機関「国家人権委員会」のディアント・バクリアディ副委員長は、解決には政府と事業会社は周辺住民の経済状況が改善する確実なしくみを提示するとともに、漁獲量が激減すると思われる地元猟師約1万人など、影響を受けるすべての住民に対する補償対象の拡大が不可欠-との認識を示した。
 同発電所は日本が官民一体で推進、インドネシア政府が国家的プロジェクトと位置付けている案件だが、周辺住民の反対で土地収用が難航、計画の大幅遅れが指摘されている。

いつ姿消す1日280㌧のごみの不法投棄 首都で浚渫事業

いつ姿消す1日280㌧のごみの不法投棄 首都で浚渫事業
 11月ごろの雨季入りを控え、ジャカルタ特別州でいま急ピッチで洪水対策が進められているが、一方で流域住民が川へ不法投棄するごみが大量で、一向に目立った改善の兆しが見えていない。世銀の融資1億3900万㌦と中央・州の予算5100万㌦を投じ、州は現在、州内の13の河川(全長125.6㌔㍍)で、川底に堆積したごみや土砂を掘削するなどの浚渫(しゅんせつ)事業を実施している。
 しかし、流域住民が川に不法投棄するごみの量が半端ではない。同州のアホック副知事が「洪水を引き起こす川の氾濫の原因はごみだ」と強調するように、川に不法投棄されるごみの総量は毎日、実に280㌧に上るとの指摘もあるほど。州清掃局によると、ジャカルタで1日に排出されるごみは7500㌧。うち6000㌧は西ジャワ州ブカシ市にあるバンタルグバンごみ処理場に運び込まれる。放置されるのは残りの500㌧で、うち280㌧が川に投棄されるという。ちなみに、このうち生活ごみが52.97%と過半を占め、オフィス27.35%、工場8.97%などとなっている。
 ジャカルタ特別州で現在進められている河川の浚渫事業は2年間で完了する予定だ。これにより、洪水は30%軽減できるとしているが、川への不法投棄が放置されたままでは、川の堆積ごみがいつになったら消えるのか、目立った改善はとてもおぼつかないようだ。

ユドヨノ政権に6割が不満 経済分野でとくに低評価

ユドヨノ政権に6割が不満 経済分野でとくに低評価
 インドネシアの政治追跡機関が9月に全国2010人を対象に実施した調査によると、国民の6割が第2期ユドヨノ政権(2009年~)に不満を抱き、とくに経済分野での評価が低いことが分かった。ユドヨノ政権の支持率は4割。
 調査では「教育」「保健」「治安」「法律」「経済」の5分野に分け、政権の取り組みに満足しているかを聞いた。その結果、「満足」との回答が最も低かったのが経済の21%。失業率の高止まりやインフラ整備の遅れに加え、年央の食糧価格の高騰に対する対応が不十分だったことが響いたとみられる。保健、治安の取り組みに対する満足度はいずれも40%だった。最も高い評価を得たのが教育の53%で、唯一5割を超えた。

マレーシアがマラッカ海峡大橋の計画推進をイに提議

マレーシアがマラッカ海峡大橋の計画推進をイに提議
 計画協議が中断していたインドネシアとマレーシアを結ぶ巨大な橋の建設について、マレーシア側が協議の再開に意欲を示している。ただ、インドネシアはまず脆弱な国内のインフラ整備を優先したいと消極的だ。インドネシア公共事業省幹部によると、9月にタイで開かれた第10回インドネシア・マレーシア・タイ成長三角地帯(IMT-GT)知事フォーラムでマレーシア側が議題に挙げた。構想では、マレーシア・マラッカ州のトゥルック・ゴンとインドネシア・リアウ州ルパト島を結ぶ48.7㌔が橋の部分になり、スマトラ島ドゥマイまで全長120㌔の高速道で二国間を結ぶ。完成すれば、現時点では世界10位以内の長さの橋になる。
 この壮大な橋建設に積極的なのは、スマトラ島を経済圏に組み込みたいマラッカ州政府。観光地のマラッカは、インドネシア人観光客を呼び込みたいほか、複数のマレーシア企業がスマトラ島でパーム農園を保有、マレーシアに輸出して折り、橋ができれば運送時間が短縮しコスト削減が見込めるからだ。対照的にインドネシア側は、国内インフラ整備を優先させたいとこの架橋計画には消極的だ。いまのままマレーシアとスマトラ島が陸路でつながれば、資本がマレーシアに流れるとの観測や、島嶼(しょ)間で国内経済がまだうまく統合できていない現状で、橋を造るとマレーシアに資源を取られてしまう-といった警戒感もある。このためインドネシア側は、当面はジャワ島とスマトラ島を結ぶスンダ大橋など国内のインフラ整備を優先する考えだ。

インドネシアは18.2%で4位 採用したい外国人留学生

インドネシアは18.2%で4位 採用したい外国人留学生
 株式会社ディスコ(東京都文京区)が8月29日~9月10日、全国の8478社(593社回答)を対象にインターネットで実施した、外国人社員(日本に留学している外国人留学生または海外に在住する外国人)の採用に関する調査によると、外国人留学生を採用する企業は増加傾向にあり、外国人留学生を含む1社当たりの採用規模は平均で2.76人であることが分かった。  
  採用したい外国人留学生の出身国(地域)は中国の40.9%を筆頭にベトナム、タイいずれも24.2%、インドネシア18.2%、台湾17.4%、韓国15.9%と上位6位までを経済成長著しいアジア圏が占めた。
 外国人留学生社員による社内への「好影響は?」の設問に対し、「日本人社員への刺激、社内活性化」が71.1%で最も多かった。一方、「問題点は?」に対し、「文化、価値観、考え方の違いによるトラブル」が59.1%で最も多く、次いで「言葉のカベによる意思疎通面でのトラブル」が50.5%だった。
 なお、2013年度(2013年4月~2014年3月入社)に外国人留学生を「採用した」企業は予定を含め全体の35.2%、2014年度(2014年4月~2015年3月入社)の見込みについては、「採用する」企業が48.4%で半数近くに達することが分かった。

地理空間情報局が1万3466島に名付け 国連に認定申請へ

地理空間情報局が1万3466島に名付け 国連に認定申請へ
 地元紙によると、インドネシア地理空間情報局は10月18日、国内の島1万3466の全島に名称を付けたと発表した。25万分の1の公式地図も完成し、インドネシアの領土、領海などに関する資料も、今後はこの改訂版を基に作成。国境に接する小島92島を含む全島の認定を国連に申請する。
 国営アンタラ通信によると、これまで名前が付いていない島も多くあったが、政府は今回、全島の名称を確定した。各島の海岸線の全長は9万9093㌔。島数はこれまで1万7508としてきたが、23.1%減少した勘定になる。ちなみに、島数の世界1位のインドネシアに次ぐ、2位はフィリピンの7109。日本の島数は6852(海岸線が100㍍以上の島)。 

用地収用難による遅延でジャワ発電所の総事業費が大幅増に

用地収用難による遅延でジャワ発電所の総事業費が大幅増に
 建設予定の中部ジャワ石炭火力発電所の事業会社に出資する地元石炭大手アダロ・エナジーのボイ・トヒル社長が地元メディアに語ったところによると、用地収用難による計画遅延に伴い、追加費用は10億㌦(約980億円)に上る見通しだ。これは当初の総事業費の25%にあたる。建設費や物資の運搬、請負契約を結んだ企業への支払いに充てられるという。
 インドネシアで日本が官民一体で推進する中部ジャワ州バタン県に建設する発電所(総出力200万㌔㍗)プロジェクトの当初の総事業費は40億㌦(約3900億円)で、日本のJパワー(電源開発)と伊藤忠商事が出資している。当初は2012年に着工する予定だったが、環境団体などの働きかけで、環境破壊などを懸念する地主や住民の反対で用地収用交渉が暗礁に乗り上げ難航。現在も交渉が続いており、ユドヨノ大統領は今月(10月)、用地確保が前提条件である事業資金の調達期限の再延長を認める大統領令に署名し、来年10月まで期限が延長された。これにより、16年の予定だった発電所の稼働開始は早くても18年まで遅れる見通しだ。

首都圏の工業団地需要は10年以降で最低水準 米C&W

首都圏の工業団地需要は10年以降で最低水準 米C&W
 米系不動産クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)は10月16日、インドネシア首都圏の今年の販売面積が220㌶に止まるとの予測を発表した。近年、首都圏の土地需要の伸びを支えていた自動車産業の需要が一服したため、2010年以降で最低の水準となる見込みだ。
 C&Wによると、2011~12年の需要急増を受けて土地造成が進められたため、今年の新規供給は前年の214㌶の2倍近い400㌶に達すると指摘。これに対し、需要が伸びないため、今年末時点の価格は前年比13.5%高の1平方㍍当たり190万ルピア(約1万6500円)となり、上昇率は前年の53.3%から大幅に鈍化する見通し。
 来年の需要はほぼ今年並みの200㌶程度と予想。西ジャワ州ブカシ、カラワン、プルワカルタの工業団地の引き合いが強い状況は続くと予測している。こうした地合いを受けて、新規供給は100㌶程度に止まる見通しだ。第3四半期の平均価格は前年同期比13.6%高の1平方㍍当たり185万ルピアで、前期から7.9%上昇した。

渋滞悪化で建設に”待った”増加するジャカルタのモール

渋滞悪化で建設に”待った”増加するジャカルタのモール
 交通渋滞の悪化が深刻化しつつあるジャカルタで、これまで増加の一途をたどってきたショッピングモールの新規建設に”待った”の動きが出ている。これは、ジャカルタ特別州のジョコウィ知事が、さらに渋滞悪化を招く要因となるモールの増加に待ったをかけているもの。同知事は9月時点で、14のモールの建設許可申請を受けているが、許可出さない-との意向を明らかにしている。
 同知事によると、東京23区の1.2倍ほどの740平方㌔㍍の面積に173カ所のモールがあり、ジャカルタはいま世界でも有数の「モール過密都市」状態にあるという。アホック副知事も、モール周辺は渋滞の原因になることが多いとして、モールの新規建設を許可する前に公共輸送機関の整備を進める必要があるとの見解を示している。

インドネシアが中国抜き世界一 サイバー攻撃発信元

インドネシアが中国抜き世界一 サイバー攻撃発信元
 ネット配信インフラの米アカマイは10月16日、「インターネットの現状」と題した報告書で、今年第2四半期に確認されたサイバー攻撃の発信元のIPアドレスは、国別でインドネシアが38%で1位だったと発表した。第1四半期で1位だった中国を抜いたのだ。中国を抜いて世界一と聞けば嬉しいが、これはとても嬉しがってはいられない、ショッキングなニュース。