16カ国の自由化率合意が焦点 京都でRCEP第8回会合

16カ国の自由化率合意が焦点 京都でRCEP第8回会合

日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)など計16カ国が貿易自由化などを目指す東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の第8回交渉会合が6月8日、京都市で始まった。2013年5月の交渉開始以来、日本での会合開催は初めて。
目標とする自由化の水準など交渉の大枠で合意するかが焦点だが、各国の開きは大きい。交渉が進展しなければ、目標とする15年末までの合意はさらに遠のく。自由化率を8~9割の比較的高いレベルに持ち込みたい日本や豪州などなどに対し、インドや中国などは半分程度にとどめる主張をしているためとみられる。
今回は13日まで事務レベルの交渉を行い、最終的に目指す自由化率や、関税引き下げを段階的に行うか即時撤廃するかといった手法などについて各国が意見を出し合い、調整を進める。ただ、焦点の自由化率で合意に持ち込めるかは不透明だ。

中国2023年から人口減?労働力3年連続縮小

中国2023年から人口減?労働力3年連続縮小

世界最大の13億を超える中国の人口が2023年ごろ、減少に転じるとの見方が広がり始めた。英誌エコノミストの調査機関やスイス・ジュネーブ大の専門家も23年ごろがピークと分析する。中国の人口問題の著名専門家、易富賢氏は独自の分析で、中国の人口減少開始は23年と予測。ピーク時の人口は13億9200万人と推計している。
中国政府の年次報告によると、10代半ばから59歳までの労働人口はすでに3年連続で、数百万人規模で縮小している。中央政府による、30年以上続く「一人っ子政策」によるものだ。これを受け、中国では人口減や少子高齢化は国力の衰退につながるとの懸念が高まり、同政策の全廃も議論されている。ロイター通信は2月、中国の経済成長が3年連続で8%を割ったのは、労働人口の減少と関係がある-との見方を報じている。
事態を深刻視する中国指導部は2014年、夫婦のどちらかが一人っ子なら、第2子が持てるよう規制を緩和。しかし、専門家は経済成長に伴う育児コスト上昇などのため、第2子を認めても出生率は容易に上がらないとみている。
このため、出生率低下は即、社会の高齢化につながる。易氏は「中国は人類史上、例がない規模で急速に高齢化する」とみている。ところが、そんなごく近い将来の「政府も社会も、そのときの備えができていない」と警鐘を鳴らしている。

南沙にビル、港 中国7つの岩礁で埋め立て加速

南沙にビル、港 中国7つの岩礁で埋め立て加速

マニラ時事によると、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で、中国が少なくとも7つの岩礁や暗唱で埋め立てを急速に進め、うち5つはすでに埋め立てから施設の建設段階に移っていることが6月9日、分かった。時事通信がフィリピン国軍関係者から独自に入手した写真で明らかになった。写真は国軍が5月上旬に上空から撮影したもので、7礁のうち5礁で「人工島」が形成されたことが確認できる。
ジョンソン南礁では、6階建て以上のビルや、灯台とみられる大型の塔ほぼ完成。同様のビルや塔はクアテロン礁やガベン礁でも確認できる。ケナン礁ではビルのほか、大型船が入港できる埠頭の整備が進んでいる。ファイアリクロス礁では、長さ約3㌔の滑走路の建設が進み、かなりの部分が舗装されているほか、港も造成されている。

スマトラ島シナブン山で噴火 住民2700人が避難

スマトラ島シナブン山で噴火 住民2700人が避難

インドネシア災害対策局によると、約2週間前から火山活動が活発化していたインドネシア・スマトラ島のシナブン山が6月7日噴火し、火口の南側と南東側の住民ら約2700人が避難した。
なお、マレーシアのボルネオ島で5日に起きた地震でキナバル山を登山中に行方不明になた日本人のオザキ・マサヒロさん(29)とみられる男性の遺体が見つかり、死亡が確認された。CNNやテレビ朝日などが報じた。

資産2億円以上の中国富裕層 14年は初の100万人超え

資産2億円以上の中国富裕層 14年は初の100万人超え

中国の準大手銀行、招商銀行と米コンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーの調査によると、中国の2014年の1000万元(約2億円)以上の投資資産を持つ富裕層は、前回調査(12年)と比べ46%増の104万人となった。中国の経済成長が鈍化しているのとは対照的に、急激な伸びをみせた。
増加に寄与したのは株式相場の上昇だ。15年初時点の保有資産別にみると、株式が全体の26%を占める。13年初と比べ4㌽増えた。一方、不動産は同国内の不動産市況の減速を背景に、投資用不動産は10%と同5㌽減少した。日経産業新聞が報じた。

犠牲者432人の遺族不在で追悼式 長江の客船転覆事故

犠牲者432人の遺族不在で追悼式 長江の客船転覆事故

中国湖北省荊州市監利県の長江(揚子江)で乗客・乗員456人を乗せた客船「東方之星」が転覆した事故から6月8日で1週間。中国当局は7日、事故の現場で追悼式を行った。だが、この追悼式に混乱を恐れたためか、遺族は招かずに挙行された。こうした異常なやり方に反発した一部の遺族は不満を爆発させていた。
同日午前9時(日本時間10時)、捜索船など十数隻が一斉に汽笛を鳴らす中、軍兵士ら計約1000人が約3分間黙とうを捧げたが、参加を望んでいた遺族らの姿はなかった。捜査当局は7日までに432人の死亡を確認。生存者は14人にとどまり、いぜん10人が行方不明。

和歌山県・太地町で捕獲のイルカは半数が海外に

和歌山県・太地町で捕獲のイルカは半数が海外に

和歌山県太地町の追い込み漁で捕獲された、生きたイルカの約半数が、中国をトップに韓国、ロシアなど海外へ輸出されていることが6月6日、各種統計で分かった。世界動物園水族館協会(スイス)は、日本の水族館による太地町のイルカ入手を問題視し、日本動物園水族館協会の会員資格停止したが、実際には世界各地の水族館に需要のあることが明らかになった。
中国への輸出は最近5年間で200頭以上、世界協会のホームページによると、水族館数が増えている中国では香港の2施設が団体加盟しているが、日本のような団体加盟はない。追い込み漁のイルカ入手を巡る、世界協会による規制の限界を浮き彫りにした。京都新聞が報じた。

13人死亡 6人消息不明 マレーシア・キナバル山地震

13人死亡 6人消息不明 マレーシア・キナバル山地震

クンダサン=共同によると、マレーシア東部ボルネオ島のキナバル山(4095㍍)で6月5日起きた地震で、山中で新たに11人の遺体が見つかった。身元や国籍は不明。この結果、死者は13人となり、6人が消息不明となっている。不明者などの中に日本人1人が含まれている可能性があるとみて、安否確認を急いでいる。地元当局者が6日明らかにした。
キナバル山があるキナバル公園の当局者にによると、日本人は登山者名簿に29歳の男性と記入し、名前欄に「OKAZI(オカジ)」と書き込んでいた。地震発生当時、山頂付近には約190人がいたが、死亡・不明者以外の173人は麓の村・クンダサンに下山。うち26人は落石などで負傷しており、重傷者や昏睡状態の患者もいるという。

ベトナム南沙諸島ツアーを計画 実効支配アピールか

ベトナム南沙諸島ツアーを計画 実効支配アピールか

ハノイ時事によると、ベトナム当局は6月5日までに中国などと領有権を争う南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島を巡るツアーを試験的に行うことを決めた。実効支配をアピールするのが狙いとみられる。関係国の反発を招きそうだ。
ホーチミン市のウェブサイトによると、ツアーは国営旅行会社サイゴンツーリストなどが実施。6月22日に180人乗りの客船がタンカンカイメップ港を出港し、5泊6日でチュオンサなど2島2岩礁を訪れる。航行距離は約1400㌔で、参加費用は1750万ドン(約10万円)。

韓国MERS感染50人に拡大 病院構造に問題化

韓国MERS感染50人に拡大  病院構造に問題か

韓国保健福祉省は6月6日、中東呼吸器症候群(MERS、マーズ)コロナウイルスへの感染者が新たに9人確認され、感染者は死者4人を含む計50人になったと発表した。
この50人のうち、33人がソウルから南に70㌔離れた京畿道平沢(ピョンテク)市の平沢聖母病院、7人がソウル市内の病院で感染しており、韓国紙は病院の構造に問題があったとの指摘を報じ始めている。換気口、窓、ドア、設置されたエアコンの位置など、飛び散った唾液が密閉空間で循環し、それが感染を広げたとの見方だ。