比軍トップ危機感 中国の南シナ海埋め立て写真公開

比軍トップ危機感  中国の南シナ海埋め立て写真公開

フィリピン軍制服組トップのカターパン参謀総長は3月30日の記者会見で、中国が南シナ海で進めている岩礁の埋め立て作業の現状を明らかにし、「フィリピンだけでなく、世界中の国にとって懸念される事態だ」と、急速に進む現状変更に危機感を示した。

中国による埋め立てについて、フィリピン政府はこれまで公の場で写真を示すことなどを控えてきたが、、今回、軍トップが前面に出て説明したことで、急速に進む現状変更の動きに対するフィリピン当局の焦りを示した格好となった。参謀総長によると、埋め立ては現在7カ所で進行中だ。

日本 AIIBへの参加を見送る 融資・審査透明性を懸念

日本 AIIBへの参加を見送る  融資・審査透明性を懸念

麻生太郎財務相は3月31日の閣議後の記者会見で、中国主導で創設されるアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加について「極めて慎重な態度を取らざるを得ない」と述べ、現時点での参加を見送る方針を明らかにした。中国側は創設時のメンバーに加わるため期限を3月末までとしている。

麻生氏は、融資や審査の透明性が確保されていることや、環境や社会に与える影響を考えた融資などを挙げ、こうしたことがきちんとされていない–などを強調した。岸田文雄外相は「問題意識を中国側に伝えているが、今のところ、明確な説明は得られていない」と述べ、AIIBの運営体制が不透明であるとの認識を改めて示した。そのうえで「関係各国と連携を取りながら、期限にとらわれることなく、問題意識を(中国側に)ぶつけ、適切な対応を取るように求めていきたい」と語った。

中国主導のAIIBに40カ国超参加見通しに

中国主導のAIIBに40カ国超参加見通しに

中国財政省は3月29日、中国が主導して年内の設立をめざすアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、オーストラリアとデンマークが参加表明したと発表した。この結果、参加国は40カ国を超える見通しとなった。AIIBは中国が最大出資国となり、初代総裁も送り込む予定。日米は「どのように意思決定するのか、また融資基準が不透明」として参加に慎重だが、アジアの成長力を取り込みたい英国やドイツ、フランスなど欧州の主要国が参加表明したのをきっかけに、AIIBに合流する動きが強まった。

 

臓器売買でカンボジア初の禁錮10~15年の有罪判決

臓器売買でカンボジア初の禁錮10~15年の有罪判決

AFP=時事によると、カンボジアの首都プノンペンの地裁は3月27日、違法な臓器売買に関与したとして起訴された3人の裁判で主犯の女(29)に禁錮15年、共犯の2人、主犯の女の継父(49)と義弟(22)に禁錮10年の有罪判決を言い渡した。

被告らは貧しい人たちに声をかけ、隣国タイで人工透析を受けているカンボジアの富裕層の患者に、腎臓を売るよう強要した。臓器売買で有罪判決が下されたのはカンボジアでは初めて。同地裁はこのほか、被告全員に対し被害者1人当たり7000㌦(約83万円)の支払いを命じた。

中国から発電所建設融資15億㌦ ジョコ大統領調印同席

中国から発電所建設融資15億㌦ ジョコ大統領調印同席

訪中中のインドネシアのジョコ・ウィドド大統領は3月27日、李克強首相と北京市内で開かれたビジネスフォーラムに出席。中国国有銀行の国家開発銀行(CDB)と中国商工銀行(ICBC)の両行がインドネシアのシナールマスグループの傘下企業に計15億㌦(約1800億円)を融資する内容の覚書調印に立ち会った。ジョコ政権が推進する発電所の建設などに充てられる。

ジョコ大統領はフォーラムで、2017年の国内総生産(GDP)成長率を7%とする目標を紹介。19年までに天然資源加工に特化した工業団地13カ所を含む15カ所の工業団地を造成するなど今後の開発計画を説明し集まった経済人に投資を呼びかけた。

アンタラ通信によると、今回合意した融資のうち4億8000万㌦は南スマトラ州ムシバニュアシンで計画する出力300㍋㍗(MW)の石炭火力発電所、2億㌦を東南スラウェシ州クンダリで計画する同50MWの発電所2カ所などに充てられる。地元メディアが報じた。

タイ 戒厳令近く解除 プラユット暫定首相が言明

タイ 戒厳令近く解除 プラユット暫定首相が言明

タイ軍事政権のプラユット暫定首相は3月27日、2014年5月から国内全土に発令されている戒厳令の解除を検討していることを明かした。近く解除される可能性が高い。ただ戒厳令を解除する代わりに、軍政が治安維持に強権を発動できる新たな布告を発表する方針で、引き続き言論統制や政治活動の規制が行われる可能性がある。

中国主導のAIIBに韓国、トルコが参加表明

中国主導のAIIBに韓国、トルコが参加表明

中国が主導して年内設立を目指すアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、韓国とトルコも参加することになった。韓国は、同盟国・米国が参加に難色を示してきたことから、慎重に検討してきたが、最大の貿易相手国である中国との経済的な関係を優先させた形だ。韓国政府は3月26日、AIIBへの参加を決め、中国側に伝えたと発表。中国の財政省も同日、トルコが参加を表明したと発表した。

日本政府は、創設メンバーの申請期限とされる今月末までに判断せず、先送りする見通しとなった。融資審査の透明性確保などを中国側に求めてきたが、明確な回答がないため、AIIBの参加国は6月、組織の概要を決める設立協定に署名する予定で、政府はそれまでに参加の是非を慎重に検討する。

中国・インドネシア首脳 高速鉄道で協力、貿易額拡大

中国・インドネシア首脳 高速鉄道で協力、貿易額拡大

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は3月26日、中国を訪れ北京の人民大公堂で周近平国家主席と会談し、インドネシアへのインフラ投資の強化で合意した。会談ではジャカルタ~バンドン間の高速鉄道建設に向けた覚書などのインフラ協力、航空宇宙開発協力、海上捜索救助協力など8つの文書に署名した。また両国間の貿易総額を2020年までに1500億㌦(約17兆8000億円)まで引き上げる目標でも一致した。ジョコ大統領は会談後の会見で、中国人観光客が査証(ビザ)なしでインドネシアを訪問できるようにし、今後積極的に中国人観光客を誘致したいと表明した。日本経済新聞が報じた。

富士通 ジャカルタで災害情報共有システムを運用

富士通  ジャカルタで災害情報共有システムを運用

富士通と富士通インドネシア(ジャカルタ)は、インドネシアのジャカルタ特別州でスマートフォンによる市民参加型災害情報共有システムの運用を始めた。国際協力機構(JICA)のインドネシア事務所(ジャカルタ)から受注した案件で、ジャカルタ特別州防災局向けにシステム構築した。スマホの全地球測位システム(GPS)に基づいて、河川の水位や雨量情報に関する写真やメモを、一つの地図上にまとめて集約(プロット)する。市民はスマホのアプリを利用して、このプロットした災害情報を参照、閲覧できる。同システムはジャカルタ特別州防災局が運用する既存の災害情報管理システムとも連携している。日刊工業新聞が報じた。

「拒否権持たない」AIIBで中国が方針示唆 日米意識

 「拒否権持たない」AIIBで中国が方針示唆 日米意識

北京・共同などによると、中国財政省は3月25日、アジアインフラ投資銀行(AIIB)について、中国が1票だけで決定を否決する権利(拒否権)を持つかどうかは「問題として成り立たない」とコメントした。あいまいな表現ながら、拒否権を持たない方針を示したとみられる。中国の影響力の大きさを警戒する日米などの懸念を和らげる意図があるようだ。