世銀がASEANの14年成長率を4.5%に下方修正
世界銀行は10月6日発表した東アジア・太平洋(EAP)地域新興国の経済見通しで、2014年の東南アジア諸国連合(ASEAN)の成長率予想を、4月の4.8%から4.5%に下方修正した。政情不安が続くタイと、石炭などのコモデティ関連の収入が減っているインドネシアの成長が鈍化するとみているためだ。15年についても5.2%から5.0%に引き下げた。
世銀がASEANの14年成長率を4.5%に下方修正
世界銀行は10月6日発表した東アジア・太平洋(EAP)地域新興国の経済見通しで、2014年の東南アジア諸国連合(ASEAN)の成長率予想を、4月の4.8%から4.5%に下方修正した。政情不安が続くタイと、石炭などのコモデティ関連の収入が減っているインドネシアの成長が鈍化するとみているためだ。15年についても5.2%から5.0%に引き下げた。
9月は4.53%に上昇 インドネシアのインフレ率
インドネシア中央統計局は10月1日、9月の消費者物価指数が前年同月比で4.53%上昇したと発表した。3.99%だった8月から上昇幅が拡大した。加工食品や水道・電気料金の伸びが大きかった。休暇シーズンと重なった8月に比べると、基礎食品や衣類、運輸料金がマイナスとなった。インフレの目標値は上限が5.5%。10月20日に発足するジョコ・ウィドド新政権は燃料値上げを計画しており、11月に実施すると2~3%のインフレ効果が想定されるという。
補助金付き燃料値上げ見込む 2015年国家予算可決
インドネシア国会は9月29日、2015年国家予算を可決した。焦点となった補助金付き燃料については、値上げを前提とした割当量を今年並みにしたうえで、国会の承認を得ずに値上げできるようにした。喫緊の課題である燃料値上げを、次期政権がスムースに実行できるよう配慮した形となった。財政を圧迫し、毎年膨らんでいる燃料や電力へのエネルギー補助金予算は、14年比1.6%減の344兆7000億ルピア。割当量は14年と同じ4600万㌔㍑とし、次期政権が抑制策を取ることを想定した。
歳出は14年比8/7%増の2039兆5000億ルピア(約18兆3000億円)と過去最高になった。歳入は14年比9.7%増の1793兆6000o億ルピア。財政赤字の対国内総生産(GDP)比は2.21%となった。マクロ経済指標で経済成長率を5.8%、1日当たりの原油産出量も90万バレルと政府案より増やしたことで、歳入も増える見込みとなった。
ADBがイの14年の成長率5.7%から5.3%に引き下げ
アジア開発銀行(ADB、本部マニラ)は、このほど発表した「アジア経済見通し」改訂版で、インドネシアの今年の成長率見通しを5.7%から5.3%に引き下げた。ADBは厳しい金利政策と未加工鉱石の禁輸により、輸出が減少したためとしている。2015年の見通しも6%から5.8%に引き下げた。ADBインドネシア支部は、ジョコ次期政権の改革が遅れれば5.8%の達成も困難としている。インドネシア政府は今年の成長率を5.5%、15年は5.8%としている。
アジア開発銀行 東南アジア4.6%成長に下方修正
アジア開発銀行(ADB)は9月25日発表した「2014年アジア経済見通し改訂版」で、今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)域内の経済成長率見通しを4.6%とし、7月時点の4.7%から下方修正した。日本など先進国を除くアジア太平洋45カ国・地域の成長率は6.2%に据え置いた。ASEAN地域の下方修正の理由について、ADBはインドネシアでの商品輸出価格の低迷やタイの政治混乱、フィリピンの政府支出の減速などを挙げている。これらの要因により、15年の成長率予想も5.4%から5.3%に引き下げた。
マレーシア中銀 金利3.25%に据え置き
マレーシアの中央銀行は9月18日の金融政策委員会で、政策金利を3.25%に据え置くことを決めた。同中銀は前回の7月の同委員会で約3年ぶりに利上げを実施した。
中国工業生産5年8カ月ぶり低水準 不動産低迷響く
中国国家統計局が9月13日発表した8月の工業生産は、前年同期比6.9%増とリーマン・ショック後の2008年12月(5.7%増)以来、5年8カ月ぶりの低水準となった。不動産市況の低迷が続いていることなどが原因。消費も伸び悩んでおり、不動産の販売不振が生産や消費の足を引っ張る構図が鮮明となっている。
工業生産は7月(9%増)から大幅に落ち込んだ。内訳をみると、建設資材となる粗鋼やセメント、板ガラスなどの生産の伸びが鈍った。企業活動の活発さを反映する発電量は2.2%減とマイナスに転じ、生産全体が低迷していることも浮き彫りになった。
インドネシアは金利7.5%で据え置き
インドネシア中央銀行は9月11日の月例理事会で、政策金利を7.5%で据え置くことを決めた。景況は2013年後半の相次ぐ利上げで投資や個人消費に減速感がある。だが、インフレや経常収支の安定を図るうえで現状の金利水準が適正と判断した。
フィリピン再び利上げ 政策金利0.25%上げ4%に
フィリピン中央銀行は9月11日の金融政策決定会合で、政策金利である翌日物借入金利を3.75%から4%に引き上げることを決めた。利上げは2回連続。消費者物価指数(CPI)が上昇傾向を強める中、景気の腰を折りかねないインフレを抑える狙いがある。フィリピン中央銀行は「経済見通しは良好で、さらなる利上げの余地がある」と指摘している。
上半期の対イ投資 件数で4割増 食品産業が著増
インドネシア投資調整庁(BKPM)が発表した2014年上半期(1~6月、実行ベース)投資額は、15億4170万㌦と前年同期の23億630万㌦を3割強下回ったが、件数では過去最高の562件で前年同期比4割増となった。投資額の伸びが著しかったのが食品産業やサービス産業だ。食品産業は前年同期比1.75倍の1億1630万㌦に達した。また、産業別で昨年ベスト10入りしていなかったサービス産業(4350万㌦)が7位に浮上したのが目をひく。