日本の1~5月対中投資は42.2%の大幅減に

日本の1~5月対中投資は42.2%の大幅減に

 中国商務部が6月17日報告した2014年1~5月の外資導入状況によると、実行ベースの外資導入額(FDI)は前年同期比2.8%増の489億㌦となった。このうちアジア10カ国・地域(香港、マカオ、台湾、日本、フィリピン、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、韓国)からの投資が同5%増の460億8000万㌦を占めた。

 こうした中、目立ったのが日本の対中投資の退潮。1~5月は前年同期比42.2%の大幅減となった。これに引き換え際立ったのが韓国で、同87.9%増加した。なお、中国の13年のFDI総額は前年比5.3%増の1175億8600万㌦だった。済龍China Pressが報じた。

関税撤廃率が焦点に 東アジア包括的経済連携

関税撤廃率が焦点に 東アジア包括的経済連携

 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の5回目の交渉会合が6月21日、シンガポールで始まる。焦点は今後の交渉に向けた大きな枠組みで参加16カ国が合意できるか、主に交渉の進め方や、輸入品目のうち関税を撤廃する比率の目安について話し合う。

    RCEPは2015年中の大筋合意を目指すが、先進国や途上国の意見がまとまりにくく、先行きは不透明だ。交渉会合は27日までの7日間。関税や知的財産、経済技術協力など7分野でそれぞれ作業グループを設けて話し合う。

タイNCPO 経済再建急ぐ 前政権の政策見直す

タイNCPO 経済再建急ぐ 前政権の政策見直す

 軍事クーデターで全権を掌握して1カ月となるタイ国軍による「国家平和秩序評議会(NCPO)」は、経済の立て直しを急いでいる。旧政権下でマヒしていた経済政策を、前政権の政策見直しを含め矢継ぎ早に打ち出している。

   2015年度(14年10月~15年9月)の予算編成に着手。前年度比2%増の総額2兆5700億バーツという大枠を決めた。その一方で8000億バーツを投じる高速鉄道4路線の整備計画や、3500億バーツの治水事業など不透明さが指摘された、中長期をにらんだ大型インフラ事業を相次ぎ凍結。コメの買い上げ政策や、小中学生へのタブレット端末の無料配布など論議を呼んだ政策も廃止した。

 そして6月18日には、政情混乱で企業の投資申請の認可作業が滞っていた本委員会を8カ月ぶりに再開。総額1230億バーツ(約4000億円)の大型投資案件を認可した。NCPOのプラユット議長(陸軍司令官)が自ら本委員会のトップに就き、陣頭指揮を執る。未承認だった約700件、総額6000億バーツ超の認可を2カ月以内に終える方針だ。また、NCPOが明示している行程表によると、民政復帰に向け、今後15カ月程度で新憲法制定と国内改革を終え、総選挙を実施する方針。

ベトナム通貨1%切り下げ ドン安圧力受け

ベトナム通貨1%切り下げ   ドン安圧力受け

 ベトナム国家銀行は(中央銀行)は6月19日、同国通貨ドンの対ドル相場の基準レートを1%切り下げ、1ドル=2万1246ドンとした。ドンの切り下げは2013年6月以来1年ぶり。中国との領有権争いに伴う経済不安を背景にドン安圧力が強まっていたため、国家銀行が実勢レートに近づけた。

 中越対立の長期化に伴い、ベトナム国内では貿易や観光への影響が懸念され、5月以降、市場ではドン切り下げ観測が広がっていた。国家銀行のビン総裁は今回の切り下げ前の時点で、必要に応じて2%以内の調整を行うと発言しており、年内にさらに1%の切り下げを行う可能性がある。

日本・インドネシア金融庁が支援協力で合意

日本・インドネシア金融庁が支援協力で合意

 日本の金融庁は6月16日、インドネシアの金融庁と銀行監督分野の支援協力で合意したと発表した。金融機関のリスク管理などで日本のノウハウを提供する。今回の合意はインドネシアの銀行監督権限が2013年末に中央銀行から金融庁へ移管されことに伴う措置。

インドネシア政府のインフレ目標 18年に最大4.5%

インドネシア政府のインフレ目標 18年に最大4.5%

 インドネシア政府は6月13日、財務相令「14年第93号」で、2018年までの消費者物価指数(CPI)目標を発表、18年のインフレ率を前年比2.5~4.5%に設定している。今年は最大5.5%に設定しているが、16~17年は3.0~5.0%を目指す。すなわち向こう4年間で4.5%まで引き下げるというものだ。

 持続的な経済成長のためには、インフレ率の統制は不可欠とみており、同省とインドネシア中央銀行、関連機関の代表者による、インフレ目標達成に向けた調整チームを編成する。政府は今年のインフレ率を3.5~5.5%、15年が3.0~5.0%と見込んでいる。中央統計局によると、今年5月時点は前年同月比7.3%上昇している。地元メディアなどが報じた。

 

中銀が政策金利7.5%に据え置く 6カ月連続

中銀が政策金利7.5%に据え置く 6カ月連続

 インドネシア中央銀行は6月12日、月例の役員会を開き政策金利を7.5%に据え置くことを決めた。据え置きは6カ月連続。貸出金利、翌日物中銀引き受け金利(FASBI)もそれぞれ7.5%、5.75%で据え置いた。

 

中銀が第2四半期の経常赤字のGDP3%超を警告

中銀が第2四半期の経常赤字のGDP3%超を警告

 インドネシア中央銀行のミルザ副総裁は、第2四半期の経常収支の赤字が、国内総生産(GDP)の3%を超えると予測。第1四半期の2%を上回り、中銀が安全圏と見積もったGDPの0.2~2.5%から外れることになり、再びルピア安を招く要因になると警告を発している。英字紙ジャカルタポストが報じた。

 インドネシア政府は4月の、予期していなかった19億㌦の貿易赤字を公表しているが、これはほとんどのアナリストの推定を上回るものだった。そのためエコノミストたちに大幅な予測の見直しを促し、数値は当初の推定GDP2.8%から3.7%と大幅に引き上げられた。

 これに呼応してミルザ副総裁も「4月の高い貿易赤字を考慮すると、第2四半期と第3四半期の経常赤字改善の姿勢を堅持していくことが、これからの課題になる」と語っている。

インド新首相に中国,欧米,日本など主要国が接近

インド新首相に中国,欧米,日本など主要国が接近

 中国、欧米、日本を含め主要国が、インドのモディ新首相との新たな外交関係構築に向け積極的な動きをみせている。経済改革に前向きな半面、外交・安全保障で強硬な姿勢をのぞかせるモディ氏に警戒感を交えながら、新たな関係構築が重要との判断からだ。

 中国は国境問題の解決とインド洋進出へのけん制、貿易不均衡の是正のため6月8日に王毅外相を訪印させている。欧米はそれぞれモディ氏への査証発給停止を取り消し。欧州連合(EU)とのFTA交渉の妥結、インド外交官の逮捕による対立の解消に向け、それぞれキャメロン英首相が訪英、オバマ大統領が訪米を要請している。

    日本は原子力協定締結に向けた協議や、新幹線を含むインフラ整備に向けた具体的な協力案件を詰めたい考えだ。7月初旬にモディ氏が来日し、安倍首相と会談する予定だ。モディ新政権の経済立て直しに向けた主要国との新たな関係づくりへ、その手腕が問われる。

 

7月から家庭など小口電気料金も値上げへ

7月から家庭など小口電気料金も値上げへ

 インドネシア政府は膨らむ電力補助金の削減のため、5月から実施されている産業用の電力値上げに続き、7月1日から家庭用など小口料金も値上げする。ハティブ財務相やジェロ・エネルギー鉱物資源相、アグス中央銀行総裁らは、6グループに分けて値上げ幅を検討している。

    電力補助金は当初予算の年間71兆4000億ルピアから107兆1000億ルピアに膨れ上がるとされており、政府の試算では6グループを値上げすることで、計8兆5100億ルピアを削減することができる。

    エネルギー鉱物資源相は今回の電力値上げの経緯について、国営PLNの財政赤字も深刻で破産しかねない状況-と理解を求め、そのうえで「大企業だけでなく、広く値上げを実施することが公平だ」との意見を尊重したと語っている。

    実施にあたっては、「200KVA超の非上場企業」「3500~5500VAまでの家庭電力」「2200VAの家庭電力」「200KVA超の自治体」など6グループに分け5~11%台の値上げ幅が検討されている。