14年の成長率5.7% 回復は大統領戦後 ADBが見通し
アジア開発銀行は4月1日、2014年版「アジア経済見通し」を発表した。これによるとインドネシアは補助金燃料の値上げや、経常収支の悪化から成長が鈍化した13年と基調に大きな変化はみられず、14年の成長率は総選挙や大統領選による政策の不透明さから5.7%と予測。ただ、大統領戦後には投資が再び増え、15年には6.0%まで回復するとしている。
インフレ率は、13年は8.38%まで上昇したが、14年には5.7%、そして15年には4.8%に落ち着くとみている。内需はいぜん好調に推移すると予測。投資予測では選挙で負託を受けた新しい政府がインフラ投資を加速させ、低インフレの実現と経常赤字の改善に貢献すると期待している。
不安材料として挙げているのが、農作物の作柄と中国の景況動向だ。天候悪化による作物の生産量の不足からのインフレ率の上昇、そしてインドネシアの最大輸出相手国、中国の景気減速が経済全体に大きな影響をもたらすと指摘している。
豪政府 大詰めのEPA交渉を前に捕鯨勝訴にも沈黙
豪政府 大詰めのEPA交渉を前に捕鯨勝訴にも沈黙
オーストラリアのアボット政権が対日関係に配慮し、日本が敗訴した国際司法裁判所の3月31日の捕鯨判決への対応に、苦慮の姿勢をにじませている。現地紙は反捕鯨国の筆頭だけに、豪州側の勝利を大きく報じているが、対照的に政府の反応は控えめで、ブランディス司法長官が「決定を歓迎する」と短く述べたほかは、主要閣僚が公式声明を見送り、勝利の高揚感とは程遠い。
これは、大詰めを迎えた両国の経済連携協定(EPA)交渉が焦点の牛肉の関税引き下げを巡って、ロブ貿易・投資相がぎりぎりの折衝にあたっているからだ。判決を無邪気に喜んでいては両国間の対立をあおりかねない。また、アボット首相が4月5~8日の日程で訪日する予定で、日本との関係強化に専念したい大切な時期にある。同首相自身、絶対的な優先課題と位置付けるEPA交渉を、物別れに終わらせては元も子もないとの思いが強い表われ。オーストラリアの現政権にとっては、勝訴の朗報も、大切な時期に飛び込んできた極めて間の悪いニュースだったわけだ。
ジャカルタ市場が2週間ぶり高値 予想上回る貿易黒字で
ジャカルタ市場が2週間ぶり高値 予想上回る貿易黒字で
4月1日の東南アジア株式市場は、ジャカルタ市場の株価が大きく上昇し、バンコク、マニラ、クアラルンプール、シンガポール、ホーチミンの5市場とは異なる動きをみせた。これはインドネシアの2月の貿易収支の黒字が、予想を上回ったことが地合いを押し上げ銀行や消費者関連など景気循環株の需要を高めたため。その結果、ジャカルタ市場の総合株価指数は2.22%高の4873.93と3月17日以来の高値で引けた。時事通信などが報じた。
2月の貿易収支は7.8億米㌦の黒字に回復 輸出入とも縮小
2月の貿易収支は7.8億米㌦の黒字に回復 輸出入とも縮小
インドネシア中央統計局が発表した統計によると、2月の貿易収支は7億8530米㌦(約810億円)の黒字だった。輸出・入とも前年同月から縮小し、輸入が非石油ガスを中心に大きく落ち込んだ。新鉱業法の施行に伴う未加工鉱石の禁輸措置の影響で、4カ月ぶりの赤字となった1月から回復した。地元メディアが報じた。
2月の輸出額は前年同月比3%減で、2カ月連続で150億米㌦を割り込んだ。全体の8割超を占める非石油ガスは4%減少。上位10品目では電気機器、ゴム、ゴム製品、鉱物性燃料が2ケタ落ち込んだ。石油ガスは、ガスが19%増と好調だったため4%増加した。輸入額は1割減で、5カ月連続で前年同月を下回った。全体の7割強を占める非石油ガスが12%減少。上位10品目では自動車類とその部品、鉄鋼、鉄鋼製品、穀物、電気機器などが2ケタ減となった。石油ガスは5%減。その結果、収支は非石油ガスの黒字が2倍の15億8270万米㌦、石油ガスの赤字は10億7480万米㌦から7億9740万米㌦に縮小した。
GDP成長率5.5~5.9% 中銀総裁が14年見通し
GDP成長率5.5~5.9% 中銀総裁が14年見通し
インドネシア中央銀行のアグス・マルトワルドヨ総裁は3月21日、2014年の経済環境は良好で、経済成長率が5.5~5.9%になると予測した。地元メディアが報じた。同総裁は、輸出促進とインフラ向上で安定した経済成長が可能とし、14年のインフレ率は4.5%、国内総生産(GDP)に占める財政赤字の割合が3%以下になるとした。銀行融資額も15~17%伸びる見通しだ。なお、政府は14年の財政赤字がGDP比1.7%の17.5兆ルピアになると見込んでいる。
大幅な輸入超是正へ国産品の農機・機械輸出促進
大幅な輸入超是正へ国産品の農機・機械輸出促進
インドネシア工業省の農機・機械局はこのほど、農機・機械の大幅な輸入超を是正するため、国産機械の輸出促進策を講じていく考えを明らかにした。2013年の農機・機械の輸入額は342億2700万㌦で、一方輸出額は55億6100万㌦にとどまっている。したがって、輸入額は輸出額の6倍超に達しており、差し引き286億6000万㌦の貿易赤字となっている。今年は輸出入ともに増える見込みで、貿易赤字は352億9600万㌦(前年比23%増)に拡大する見通しだ。このため、国産品使用引き上げプログラム(P3DN)を通じて内需拡大を図る考え。
「国内外動向を注視」米利下げ受け中銀総裁が方針
「国内外動向を注視」米利下げ受け中銀総裁が方針
インドネシア中央銀行のアグス・マルトワルドヨ総裁は3月21日、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が2015年春にも金利を引き上げることを示唆したことを受け、「国内外の動向を注視する」と慎重に対応する方針を示した。米国が利上げに動くとの観測が飛び交った20日、インドネシア証券取引所が2.5%下がるなど、とりわけ新興国市場が米国の一挙手一投足に市場が反応する傾向がある中、神経質になりすぎることを戒めたもの。
インドネシア禁輸の影響でニッケルが1年ぶり高値
インドネシア禁輸の影響でニッケルが1年ぶり高値
ステンレスの原料になるニッケル地金の国際相場が続伸し、約1年ぶり高値を付けた。国際指標となるロンドン金属取引所(LME)のニッケル地金価格は3月20日、1㌧当たり1万6000㌦前後で推移し、2013年末から15%上昇している。19日には一時1万6385㌦まで買われ、13年4月2日以来の高値を付けた。
ニッケル鉱石の主要輸出元だったインドネシアが供給を停止し、地金の供給先への先細り懸念が根強いためだ。これを受けて、太平洋金属、住友金属鉱山、日本冶金工業など国内のニッケル製錬各社は、フィリピンやニューカレドニアなど代替産地から鉱石の調達を進めている。
インドネシアは鉱石の生産量で約6000万㌧(ニッケル純分1%換算)と世界で約2割のシェアを持ち、13年の日本の輸入量の5割強を占めていた。
インドネシア 鉱物輸出規制で貿易や財政に打撃 世銀
インドネシア 鉱物輸出規制で貿易や財政に打撃 世銀
世界銀行は3月18日、インドネシアが1月から施行している鉱物輸出規制について、貿易や政府の歳入に打撃を与えるほか、すでに冷え込んでいる同国に対する投資家心理を一段と悪化させる可能性があると警告した。世銀によると、規制により輸出収入が減少する一方、精錬設備を建設するための資本財輸入は増加し、その結果、2014~17年の間に同国の貿易に125億㌦のマイナスの影響が出るとネットで指摘した。ロイター通信が報じた。
さらに、提案されているウェダベイのニッケル採掘・精錬プロジェクトが2017年までに開始されなければ、マイナスの影響は17年以降も続くと指摘している。このため、世銀のエコノミスト、ジム・ブルンビー氏は「どうみても、(鉱物の輸出規制措置により)長期的に利益が確保できるかは不透明だ」と語っている。
ジョコウィ氏の大統領候補擁立を好感 市場は急伸
ジョコウィ氏の大統領候補擁立を好感 市場は急伸
週末のジャカルタ市場は3.2%高と急伸。最大野党の闘争民主党(PDIP)の大統領候補に、ジャカルタ特別州のジョコ・ウィドド知事の擁立決定を受けて、積極的な経済政策を見越した買いが入り、引けにかけて銀行株や大型株が上昇した。
ジャカルタ市場の総合株価指数は3.23%高の4878.64と、2013年6月以来の高値で終了。1日の上昇率としてはほぼ半年ぶりの大きさだった。この結果、今週の上げ幅は4.1%に達し、東南アジアの各市場の中では最大となった。ロイター通信や時事通信が報じた。