立命館大学や会津大学などの研究グループは5月27日、千葉県で開かれた学会で、今年1月に日本初の月面着陸に成功した無人探査機「SLIM」が得た月面の岩石の観測データを解析した結果、月の内部に存在し、月の起源を探るうえで重要な手掛かりになる「カンラン石」の存在を確認したことを明らかにした。
このカンラン石はかつて月の内部にあった可能性があるとして、研究グループは今後詳しい化学組成を調べるとしている。月の内部のカンラン石を分析し、地球のものと比較できれば、月は地球に別の天体が衝突して一部が飛び散ってきたとする、現在有力な説を裏付けることにもつながり、月の起源を探るうえで重要な手掛かりになると期待される。
『君死にたまふことなかれ』15言語に翻訳 堺で企画展
大阪府堺市の文化観光施設「さかい利晶の杜」は、同市出身の歌人、与謝野晶子の代表作『君死にたまふことなかれ』に込められた思いを世界の人々に知ってほしいと、15の言語に翻訳、紹介した企画展を開いている。同企画展は6月16日まで。
日露戦争(1904〜1905年)当時、与謝野晶子は生まれ育った実家、商家の跡継ぎとなるはずの、激戦地にいる弟の身を案じて「あゝをとうとよ 君を泣く 君死にたまふことなかれ」と、どうか戦死だけはしないでほしいとの心情を切々と詩に詠み上げた。企画展ではこの詩をウクライナ語、ロシア語、ヒンディー語、韓国語など15の言語に翻訳し、パネル展示している。
世界各地で激しい戦闘が続く中だけに、戦争の悲惨さを痛切に訴える言葉として読む人の心に”刺さる”のではないか。
京大 iPS細胞から精子, 卵子のもと大量作製成功, 医療応用
京都大学高等研究院の斎藤通紀教授らのグループは5月21日、ヒトのiPS細胞から卵子、精子のもとになる細胞を大量につくり出す方法を開発したと発表した。これにより、将来的に不妊治療など医療への応用が期待される。
グループはヒトのiPS細胞から生殖細胞のもとになる細胞をつくり、さらに卵子のもとになる「卵原細胞」に変化させる方法を開発しているが、できる細胞の数が少ないことが課題だった。今回グループは、様々な細胞の分化を助ける働きをする「BMP」というタンパク質を加えて培養したところ、課題だった「卵原細胞」を大量に作製することに成功したという。細胞の数は4カ月の培養期間でおよそ100億倍に増えた。また、同じ方法で精子のもとになる細胞も大量に作製することができたとしている。