東北大 iPS細胞による心筋細胞作製の効率的培養法

東北大学の研究グループは3月17日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)が形成した細胞の塊を、硬さの調節が可能なハイドロゲルを挟み込む”サンドウイッチ培養法”を確立したと発表した。この方法を用い、ゲルの硬さを心臓の硬さに近似させると、iPS細胞が中胚葉の細胞に分化しやすくなり、拍動する心筋細胞が効率的に得られた。
今回確立した培養法は、従来のiPS細胞を用いた心筋細胞作製の効率化に役立つ可能性がある。また、硬さ環境に着目したこの培養法は、iPS細胞から様々な組織や器官(培養臓器)を作製するために適した硬さ環境や、その分子機構を明らかにするツールとして活用されることが期待される。
この研究成果は3月5日に、高分子科学専門誌Macromolecular Biosciencelに掲載された。

政府33年 留学生受け入れ40万人 教育未来創造会議

政府の教育未来創造会議は3月17日、2033年までの留学生に関する政府目標を示した。外国人留学生を40万人受け入れ、日本人留学生を50万人送り出すことを掲げている。春に策定する新たな留学生計画に盛り込む。
外国人留学生が留学後も日本で活躍してもらう支援策も検討する。日本での就職をインターンシップの拡充で後押しするといった方策を挙げている。
ちなみに留学生だけに限らないが、来日して3年以上暮らす人の割合は40%を超え、この20年間で1.4倍になった。人手不足でIT企業などが人材確保に向け採用意欲が高まり、留学生の日本での就職が進んだことが要因。日本人学生の海外留学については中長期の派遣を増やすことなどの方策を取る。グローバル人材の確保につなげる。

ゼロゼロ融資の返済 9月まで延長 中小資金繰り支援

政府は新型コロナウイルス対策として導入した中小企業の資金繰り支援策を9月末まで半年間延長する。日本政策金融公庫の低利・無担保融資などが対象。
昨今の資源高・物価高を受け、業績窮迫している中小企業が少なくない。そのため、実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済期限を迎える企業に対して支援を続ける必要があると判断した。

米国 バイトダンスに「TikTok」の売却を指示

米政府が中国の字節跳動(バイトダンス)に対し、動画アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する傘下企業の株式を売却するよう指示したことが分かった。バイトダンスが売却に応じない場合、米国内での一般利用が禁止される可能性があるという。
米政府は2020年にもトランプ前大統領がバイトダンスに対し、TikTokの利用を禁止する大統領令を出しており、これはバイデン大統領が就任後の2021年6月に撤回した経緯がある。

男女で育休取得「手取り10割」給付 首相表明

岸田首相は3月17日、少子化対策で育児休業の給付率の拡充や対象を、給付対象を時短勤務や非正規雇用労働者にも広げる方針を表明した。例えば、「産後の一定期間に男女で育児休業を取得した場合の給付率を手取り10割に引き上げる」などとしている。これらは共働き世帯の増加や働き方の多様化に合わせて、育児休業の給付率を拡充し、子育てを支援しようというもの。
岸田氏は「2030年代に入るまでの6〜7年が少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」と強調、企業にも職場環境の改善を求めている。

センバツ開幕 開会式で4年ぶり選手全員が入場行進

第95回センバツ高校野球が3月18日開幕した。開会式ではNHK連続テレビ小説「舞いあがれ」の主題歌「アイラブユー」の迫力ある生演奏に合わせて、4年ぶりに出場校の選手全員が場内を1周する形で入場行進した。
選手たちは史上初となる2回めの連覇を狙う大阪桐蔭高校を先頭に、前日夜からの雨の影響で予定より1時間半遅れて午前10時半に開会式が始まった。かつてのセンバツ高校野球の姿が戻ってきた。今回は記念大会のため、例年より4校多い36校が出場する。

国枝慎吾さんに国民栄誉賞授与 パラスポーツで初

車いすテニスの第一人者として活躍した国枝慎吾さん(39)への国民栄誉賞の授与式が3月17日、首相官邸で行われた。国枝さんはパラリンピック3大会で男子シングルスの金メダルを獲得し、4大大会制覇と合わせた「生涯ゴールデングランドスラム」を達成した。1977年創設の国民栄誉賞で、28例目で初めてパラスポーツ界からの受賞となった。

侍ジャパン WBC4強進出 9−3でイタリア下す

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は3月16日、東京ドームで準々決勝が行われ、3大会ぶり3度目の優勝を目指す日本がイタリアを9−3で下し、5大会連続で4強入りした。
この試合は岡本(巨人)が3ランなど5打点、吉田正尚(レッドソックス)のホームラン、村上(ヤクルト)、源田(西武)のタイムリーなどで加点。投手陣は大谷(エンゼルス)、伊藤(日本ハム)、今永(DeNA)、ダルビッシュ(パドレス)、大勢(巨人)が好リレー。大谷の気迫に満ちた投球で、立ち上がりこそ緊迫した雰囲気に包まれていたが、中盤からは危なげなくイタリアを退けた。
準決勝は米国フロリダ州マイアミで20日午後7時(日本時間21日午前8時)から、メキシコープエルトリコの勝者と対戦する。

2月貿易赤字8,976億円で最大 円安・対中輸出停滞で

財務省が3月16日発表した2月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は8,976億円の赤字だった。赤字は19カ月連続。2月としては比較可能な1979年以降で最大の赤字となった。円安で輸入額が膨らんだほか、中国への輸出が前年同月比10%減の1兆3,165億円にとどまり、響いた。
輸入額は前年同月比8.3%増の8兆5,523億円、輸出額は同6.5%増の7兆6,547億円だった。