水産庁 水産物のトリチウム 処理水放出直後は毎日調査

水産庁は8月10日、東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出後、水産物に含まれる放射性物質トリチウムの濃度を原則、毎日調査する方針を明らかにした。周辺で取れる代表的な魚種のヒラメなどを対象とし、放出直後は毎日2検体程度の分析を目指し、採取の翌日か翌々日に結果を公表する。2カ月目以降は検出状況などをみて、頻度を検討する。海洋放出後の風評対策として、科学的な調査を強化する。

日航機墜落事故38年「忘れない」御巣鷹の麓で4年ぶり灯籠流し

乗客・乗員合わせて520人の犠牲者を出した日航ジャンボ機墜落事故8月12日で発生から38年となるのを前に11日、悲劇の現場となった御巣鷹の尾根(群馬県)の麓(ふもと)を流れる神流川(所在地:群馬県上野村)で、遺族らが4年ぶりに灯籠を流し、犠牲者に鎮魂の祈りを捧げた。
墜落事故の午後6時56分に合わせて、「私は忘れない」「空の安全」など様々な想いやメッセージが書かれた発光ダイオード(LED)の灯籠およそ200個が川に流された。オレンジの柔らかな明かりが川面を照らし出していた。
この灯籠流し、2019年まで行われていたが、新型コロナウイルス禍で中止、制限付きで実施。今年は4年ぶりに制限なく例年通りの方式で行われた。

岸田首相 ”年収の壁”解消へ企業へ助成金「10月にも適用」表明

岸田首相は8月10日、一定の年収を超えると社会保険料などの負担が生じて手取りが減る”年収の壁”問題を解消するため、時限的な措置として企業助成を10月にも始めると表明した。政府は雇用保険料を財源に1人あたり最大50万円の企業向け助成金の新設を検討している。3年程度の時限措置として企業を助成することを想定している。
現行制度は、従業員101人以上の企業で月収が8万8,000円(年収換算でおよそ106万円)以上になった場合、社会保険の負担が生じる。この水準を超えないように働く時間を調整し、手取りの減少を回避する人が少なくない。保険料を払っても手取りが減らないようにするには、年収を125万円程度まで増やす必要がある。政府はこの年収の壁の存在が就労促進の妨げになり、人手不足の一因になっているとして、当面の対応として助成策を打ち出したもの。

中小建設業者にも協力要請へ 万博パビリオンの準備遅れで

大阪府と大阪市は8月9日、大阪・関西万博推進本部会議を開き、海外パビリオンの建設準備の遅れが指摘されていることを受け、地元の中小建設業者にも協力を求めるなど、働きかけを強化していく方針を確認した。
大阪市役所で開かれた同会議には、大阪府の吉村知事や大阪市の横山市長、博覧会協会の幹部などが出席した。今回の万博では海外56カ国・地域が自前のパビリオンを建設することになっているが、現時点で具体的な準備を進めているのは10カ国程度で、このうち建設業者を決めているのは6カ国にとどまるという。

コロナ流行の注意喚起へ目安 医療機関の逼迫で判断基準

厚生労働省は8月9日、新型コロナウイルスの感染拡大時に都道府県が市民や医療機関に注意を呼び掛ける際の目安を示した。診察を断る医療機関の割合が25%を超えたり、病床使用率が50%を上回ったりした場合を挙げた。
感染者数については、医療機関の外来が最も逼迫し「2週間前の定点あたりの感染者数を超えたとき」を基準とした。これを参考に各県で必要に応じて基準を定めるように求める。全国知事会は、季節性インフルエンザで示している「注意報」や「警報」のような注意喚起の基準の設定を要望していた。

中国 8/10から日本など約80カ国に団体旅行解禁 約3年半ぶり

中国政府は8月10日、日本、米国、欧州(EU)、韓国など世界約80カ国への団体旅行を新たに解禁すると発表した。新型コロナウイルス禍の影響で2020年1月に禁止して以来、約3年半ぶりの再開。先行して解禁した国を加えると約140カ国への団体旅行を認めたことになる。

大谷10勝目 未到の2年連続「2ケタ勝利・2ケタ本塁打」の偉業

米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平は8月9日、アナハイムでのジャイアンツ戦に「2番・投手兼指名打者」で先発し、6回1失点(自責点0)で10勝目を挙げた。この結果、ベーブ・ルースも未到の2年連続での「2ケタ勝利・2ケタ本塁打(すでに40本)」の偉業を達成した。

広島ー上海線 9/22から約3年半ぶり運航再開 週3往復で

広島県などは8月8日、中国東方航空が9月22日から広島ー中国・上海線の運航を再開すると発表した。月・水・金曜日の週3往復、156席で運航する。道路線は新型コロナウイルス禍で2020年3月から運休しており、約3年半ぶりの運航となる。
広島空港での国際線再開は台北、ソウル、大連・北京に続いて4路線目。上海線は新型コロナ禍前の2019年度、約7,000人が利用していた。

長崎で78回目の鎮魂の祈り 台風接近で思い思いの場所で合掌

長崎は8月9日、78回目の原爆の日を迎えた。台風接近で時折強い風雨が吹き付ける中、被爆者・家族、親族、関係者らは早朝から、各所で思い思いの場所で鎮魂の祈りを捧げた。異例の台風接近の最中での原爆の日で、平和記念公園での本来の平和祈念式典が会場変更され、縮小されたことで各所に分散。早朝から平和祈念像に手を合わせる人の姿や、爆心地近くの浦上天主堂では約150人が早朝のミサに参加した人がみられた。

熱中症で救急搬送 全国で2週連続で1万人超え いぜん高水準

総務省消防庁のまとめによると、7月31日から8月6の1週間に熱中症とみられる症状で、医療機関に救急搬送された人は全国で1万810人で、前週に続き2週連続で1万人を超えた。今年一番多い人数を記録した前週より955人減少した。ただ、これでも前年同時期と比べるとおよそ1.4倍を超えている。亡くなった人は18人で、3週間以上の入院が必要な重症者は260人だった。