袴田巌さん6億円の損害賠償求め提訴「冤罪責任」問う

1966年に静岡県清水市(現静岡県清水区)で一家4人が殺害された事件で、再審無罪が確定した袴田巌さん(89)は10月9日、国と県を相手取り、約6億円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こした。逮捕・起訴した警察・検察に加えて、死刑判決を出して一度は確定させた責任も問う。袴田さん側は「訴訟を通じて、冤罪(えんざい)の原因を究明する」としている。

ノーベル化学賞に北川進氏ら 多孔性金属錯体を作製

スウェーデン王立科学アカデミーは10月8日、2025年ノーベル化学賞を京都大理事の北川進氏(74)ら3人に贈ると発表した。北川氏は二酸化炭素などの気体を自在に分離・貯蔵する多孔性金属錯体を作製した功績が評価された。
日本のノーベル賞受賞は6日に生理学・医学賞に選ばれた坂口志文氏に続き30人目。化学賞は2019年の吉野彰氏に次いで9人目となる。

スーパーにクマ侵入 男性2人が襲われケガ 群馬・沼田

全国各地で様々な場所にクマが出没して、日常生活が脅かされる事態となっているが、遂にスーパーにクマが現れた。10月7日午後7時半過ぎ、群馬県沼田市のスーパー「フレッセイ沼田恩田店」に、体長1.4mの1頭のクマが侵入。店の外と店内で居合わせた男性客2人を襲った。2人は病院に搬送されたが、いずれも軽傷だった。

万博 運営費230億〜280億円の黒字見込み 万博協会

日本国際博覧会協会(万博協会)は10月7日、大阪・関西万博の運営費が230億〜280億円の黒字になる見通しだと発表した。収入の柱である入場券の売上高が計画より約200億円上回るほか、公式グッズや飲食店の売り上げから協会に入る納付金なども30億円、計画より多くなる見込みだという。開幕前には、運営費の赤字を懸念する声もあった。

国立競技場 命名権 MUFG取得へ 年間20億円, 5年100億円

関係者によると、国立競技場(所在地:東京都新宿区)が2026年1月から導入するネーミングライツ(命名権)を、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が主要施設の権利を取得することで調整が進められていることが分かった。取得金額は年間20億円で、まず5年契約の総額100億円と、国内最大規模となる見通し。

AI使う中学教員割合 日本は55カ国・地域中54位 OECD

経済協力開発機構(OECD)は10月7日、小中学校段階の教員を対象に行った2024年の「国際教員指導環境調査」(TALIS)の結果を公表した。グローバルには教育現場でのAI(人工知能)活用の低年齢化が進む中、日本は授業でAIを使う中学校教員が全体の2割弱にとどまり、活用率は55カ国・地域中54位だった。悪影響などを懸念し、AI活用に慎重な中学校教員の姿が浮き彫りなった。調査は2008年から実施され、今回は4回目。

ルコルニュ仏首相が辞表提出 組閣14時間で内閣総辞職

フランス大統領府によると、10月6日、ルコルニュ首相が辞表を提出し、マクロン大統領がこれを受理した。ルコルニュ首相は9月9日に就任したものの、内閣の陣容が決まらず、今月5日に組閣したばかりだった。それでも与党内や野党から不満が噴出し、行き詰まった形で、組閣からわずか14時間で総辞職したことになる。

坂口志文氏にノーベル生理学・医学賞”制御性T細胞”発見

スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月6日、2025年ノーベル生理学・医学賞を米国の2人の研究者とともに、大阪大免疫学フロンティア研究センター特任教授の坂口志文氏(74)ら3人に贈ると発表した。坂口氏は「制御性T細胞」を発見するなど免疫学分野で優れた業績を残した。滋賀県長浜市出身。
日本のノーベル賞受賞は、2021年に物理学賞に選ばれた真鍋淑郎氏に続き29人目。生理学・医学賞受賞者は利根川進氏、山中伸弥氏、大村智氏、大隅良典氏、本庶佑氏に続いて6人目。
受賞者には賞金計1,100万クローネ(約1億7,000万円)が贈られる。授賞式・晩餐会は12月10日、スウェーデン・ストックホルムで行われる。

万博来場の外国人客 東アジアから49% 政策投資銀調べ

日本政策投資銀行関西支店は10月6日、9月1〜12日の10日間にわたり実施した大阪・関西万博を目的に来日した外国人の実態調査の結果を」公表した。地域別では、東アジアからが全体の49.0%を占めた。とくに中国、台湾がそれぞれ全体の20%強だった。このほか、欧州(20.0%)、北米・オーストラリア(14.5%)。東南・南アジア(11.8%)と近隣地域以外からも多く来場したことが分かった。
6月の1回目の調査時と比べ、東アジアからが36.4%→49.0%へ高まった。とくに中国、台湾、香港から訪れた人の比率が高まった。欧州からの比率も6月の16.7%→20.0%へ上がっている。
調査は、JR桜島駅を利用した外国人255人を対象にタブレットを用いてアンケートを実施した。

世界遺産・白川郷合掌造り集落にクマ出没 観光客軽傷

岐阜県白川村によると、10月5日午前8時30分ごろ、世界遺産・白川郷合掌造り集落内の城山展望台行きシャトルバスの乗り場付近にツキノワグマが現れ、付近にいたスペイン人観光客の男性(40)が軽傷を負った。男性は背後から襲われ、右上腕をひっかかれた。クマは体長約1mとみられる。村内では今年度、クマの目撃情報が90件以上あるが、人への被害は今回が初めてという。白川郷の合掌造り集落は、年間200万人以上が訪れる外国人にも人気の観光地。