プロ野球ソフトバンクの工藤公康監督(58)が今季限りで辞任することが10月9日、分かった。就任から6年で日本一5回。今季は集大成と位置付けたシーズンだったが、低迷。リーグ優勝は消滅、CS(クライマックスシリーズ)進出も極めて難しい状況にある。手腕を高く評価する球団からは夏以降、続投要請は受けたものの、辞退する意向を申し入れた。
岸田首相初の所信表明「成長も分配も」新しい資本主義
岸田首相は10月8日、就任後初めての所信表明演説を行い、信頼と共感を得られる政治が必要だとして、すべての閣僚が国民と車座の対話を重ね、国民のニーズに合った行政を進めているか徹底的に点検する考えを示した。
骨子は①新型コロナへの対応について、経口治療薬の年内の実用化を目指し、電子的なワクチン接種証明の積極活用などに取り組むとともに、司令塔機能の強化や、医療資源を確保するための法改正などを進める②大きな影響を受ける事業者に対し、地域や業種を限定せず、規模に応じた給付金を支給する③経済政策で、成長の果実をしっかりと分配することで、初めて次の成長が実現する。「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトに「新しい資本主義」を実現する④成長戦略で、先端科学技術の研究開発に大胆に投資を行う一方、分配戦略では賃上げを行う企業に対する税制支援を抜本的に強化する-などの方針や意向をを明らかにした。
中国・国慶節 観光収入4.7%減の前年割れ 個人消費停滞
中国文化観光省によると、同国の国慶節を祝う大型連休(10月1~7日)の期間中の国内旅行者数は5億1,500万人で前年同期比1.5%、新型コロナ発生前の2019年同期と比べて29.9%それぞれ減少した。また、期間中の観光収入も3,890億元(6兆6,100億円)で前年同期比4.7%、2019年同期比で40.1%それぞれ減った。大型連休でも個人消費の停滞が鮮明となった。
国慶節の直前に開業したユニバーサル・スタジオ北京(USB)がある北京市などで旅行客がにぎわいをみせた一方で、連休直前に各地で新型コロナウイルスの感染が広がり、旅行を控えた人が多く、消費を含めて伸び悩んだ。
米メルク日本法人 コロナ飲み薬 年内に供給開始目標
米国製薬大手メルクの日本法人MSDは10月7日、開発中の新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」について、2021年中に日本国内への供給開始を目指していることを明らかにした。米国で実用化に必要な緊急使用許可を申請した後、日本の厚生労働省に承認申請する。承認取得後の供給に関して、政府と協議を進めているという。
この飲み薬は、コロナウイルスの増殖に必要な酵素の働きを抑える効果があると見込まれており、臨床試験(治験)では重症化リスクのある軽度から中等症の患者の入院や死亡リスクを約50%減らすことが確認されている。
メルクは2021年末までに1,000万人分を生産する計画で、米国政府とは年内に170万人分を供給する契約を結んでいる。日本にも年内に供給を始める目標を立てており、日本政府と交渉している。
中国が19年夏にPCR機器を大量発注 米英豪チームが解析
中国におけるコロナウイルスの発生時期を巡って新たな情報が出てきた。米国、英国、オーストラリアの民間研究者がこのほど、新型コロナウイルスの発生源となった中国の湖北省で、2019年5月以降にPCR検査機器の発注が急増していたとの報告書をまとめた。これにより、同年秋までに新型コロナウイルスが広がっていた可能性が高いと指摘。この間、放置しWTO(世界保健機関)に報告せず、同年12月に最初の感染例が見つかったとする中国の説明を疑問視している。
調査チームは、中国の公共調達の入札情報を集約したウェブサイトからデータを収集、分析した。
近畿・東海など5地域の景況引き下げ 日銀の四半期レポート
日銀が四半期ごとに行う10月の地域経済報告によると、全国9地域のうち近畿、東海、中国、東北、九州・沖縄の5地域で景気判断を引き下げ、その他4地域は7月から据え置いた。新型コロナウイルスのデルタ型拡大で緊急事態宣言などの行動制限措置が取られ、個人消費が落ち込んだため。また、自動車業界のサプライチェーンに代表されるように、海外での感染再拡大も供給網の混乱を引き起こし、景況感を押し下げた。
世界気象機関 50年に水不足50億人 地球温暖化と人口増で
世界気象機関(WMO)は10月5日、地球温暖化や人口増などによって2050年に世界で50億人が水不足に状態に陥るとの試算を発表した。気候変動により世界各国で洪水や地滑りなど水に関わる自然災害も大幅に増えており、対策が急務となっている。
1年間に少なくとも1カ月間、水を十分に得られない人口は、2018年に36億人だったとみられるが、2050年には約4割増えると予測する。その結果、世界の都市の4分の1は水不足が常態化しているとしている。
また、2000年から20年間に発生した水関連の災害は、1980年から20年間の発生件数と比べ2倍以上になった。治水設備・対策が十分でない国があるアジア地域での被害が目立った。干ばつによる死亡者はアフリカが大半を占めた。
首都圏で最大震度5強の地震 11年の巨大地震以来10年ぶり
10月7日午後10時41分ごろ、千葉県北西部を震源とする強い地震があり、東京都足立区、埼玉県川口市、同県宮代町などで震度5強を観測した。このほか、千葉、神奈川の首都圏をはじめ、北関東、甲信越などでも震度5弱、同4や3を観測するなど幅広い地域で震度3以上を記録。巨大地震は2011年以来10年ぶり。震源の深さは約80キロ、地震の規模を示すマグニチュード6.1と推定される。津波の心配はないという。
今回の地震について専門家は、「日本列島の下に沈み込む太平洋プレートの境界付近で発生したとみられる。今後1週間は程度は余震に注意する必要がある」としている。
大阪府「抗体カクテル療法」で96%が悪化せず 効果確認
大阪府はこのほど、新型コロナウイルスの重症化を防ぐ取り組みの一環として推進している「抗体カクテル療法」の治療後の経過をまとめた。これによると、同療法を受け療養施設を退所した306人のうち、点滴投与後、症状が悪化しなかった人は296人と全体の96%余に上った。逆に症状が悪化し、酸素投与が必要となった人は10人で3%ほどにとどまったという。府はこの結果を受け、重症化の予防には早期の抗体カクテル療法が効果的だとして、体制を強化していく方針。
抗体カクテル療法は、宿泊療養施設で療養する患者のうち、50歳以上で症状がある人や、肥満などで重症化リスクのある人などを対象に、大阪府は全国に先駆けて採用、推進している。
真鍋淑郎氏にノーベル物理学賞 地球温暖化の予測モデル考案
スウェーデンの王立科学アカデミーは10月5日、真鍋淑郎・米プリンストン大上席研究員(90)(=愛媛県出身、米国籍)ら3氏に2021年のノーベル物理学賞を授与すると発表した。
真鍋氏は物理法則をもとに、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が気候に与える影響を明らかにし、地球温暖化の原因を気候モデルを開発して科学的に示した。人間活動が気候に与える影響の分析方法を生み出したドイツのマックス・プランク気象学研究所のクラウス・ハッセるマン氏と、気候などの複雑な物理現象に法則性を見出したイタリアのローマ・サピエンツァ大学のジョルジョ・パリージ氏と共同で受賞する。
日本生まれの自然科学分野のノーベル賞受賞者は2019年に化学賞を受賞した吉野彰氏に続き25人目。物理学賞の受賞は2015年の梶田隆章氏に続き12人目となった。ただ、気候研究の分野でノーベル物理学賞が授与されるのは今回が初めて。