5月輸出49.6%増 41年ぶり高い伸び 輸入もコロナワクチンで増

財務省が6月16日発表した5月の貿易統計速報によると、輸出額は前年同月比49.6%増の6兆2,612億円だった。米国や欧州向けの自動車輸出が大幅に伸びた。前年同月が新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んでいた反動もあるが、1980年4月以来の高い伸びを記録した。3カ月連続の増加で、コロナ感染拡大前の2019年5月と比べても7%上回った。
地域別にみると、米国向けは前年同月比87.9%増の1兆1,044億円、欧州連合(EU)向けは同69.6%増の6,169億円、中国向けは同23.6%増の1兆3,926億円、アジア向けは同32.5%増の3兆6,386億円だった。
輸入は同27.9%増の6兆4,484億円に上った。新型コロナワクチンを大量に輸入したことで、医薬品が大幅に膨らんだほか、原油価格の上昇も影響した。この結果、貿易収支は1,871億円の赤字だった。貿易収支が赤字になるのは4カ月ぶり。

日本20年交通事故死2,839人で最少 コロナで外出自粛影響

日本政府は6月15日閣議決定した2021年版「交通安全白書」によると、2020年の交通事故死者は2,839人にとどまり、統計がある1948年以降、最少となった。新型コロナ禍で政府より要請された外出自粛が、結果的に交通事故を抑制する一因になったと指摘している。
年間死者数が3,000人を下回ったのは初めて。ピークだった1970年の6,765人から80%以上の減少となった。一方、年間死者数に占める65歳以上の高齢者の割合は56.2%。年々増加しており、統計が残る1966年以降、最大となった。

中国原発で放射能漏れ フランス電力発表 原子炉停止の2倍

フランス電力(EDF)は6月14日、同社が建設と運転に協力する中国広東省台山市台山原子力発電所から放射性希ガスが漏れたと明らかにした。EDFは14日の声明で、原子炉格納容器内の「1次冷却系で希ガスの濃度の上昇を確認した」と発表した。フランスのフィガロ紙は14日、台山原発の冷却水内の希ガス濃度が5月末時点で、フランスで原子炉停止となる上限値の2倍に達したと報じた。
希ガスは核分裂の際に発生するキセノンやクリプトンで、原発の燃料棒の一部に問題があるのではないかと専門家はみている。
中国の外務省報道官は「環境や公衆の健康に影響する事態は起きていない」と強調している。加藤官房長官は「強い関心を持って事態を注視したい」とし、「中国側が透明性をもって早期に国際社会に説明することを期待している」と述べた。

小泉環境相 高効率の石炭火力も支援終了 G7合意受け

小泉進次郎環境相は6月15日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)では温暖化ガスの排出削減対策が取られていない石炭火力発電を巡り、新規の輸出支援を2021年に終了することで合意した。二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えた高効率の案件は例外との見方があるが、小泉氏は高効率のものも支援対象に含まれないとの見解を示した。

4野党 内閣不信任案提出 与党が否決  国会きょう閉会

立憲民主党など野党4党は6月15日、菅内閣に対する不信任決議案を衆院に共同提出し、同案は衆院本会議で自民党、公明党、日本維新の会などの反対多数で否決された。提出は2019年6月以来、2年ぶり。与党は「重要土地利用規制法案」を成立させ、今国会を会期末の16日で閉会させる方針。

 

インド タタ・グループがデジタル事業で買収攻勢 脱重厚長大

現地メディア等によると、インド最大財閥のタタ・グループが出遅れていた消費者向けデジタル事業で買収攻勢をかけている。食料品や医薬品のネット通販の新興企業を相次ぎ買収すると発表した。
タタ・グループは自動車や鉄鋼など”重厚長大”の製造業に軸足を置き、有力企業を数多く抱えているが、消費者向けのデジタル事業は少なかった。

関空からベトナム・ダナンへ技能実習生ら乗せ特別機運航

新型コロナウイルスの感染拡大で国をまたぐ移動が厳しく制限され、帰国できずにいたベトナム人を乗せた特別機が6月14日、関西空港からベトナム中部ダナンに向けて飛び立った。
コロナの感染拡大でベトナム政府は水際対策を強化。関西空港を発着するベトナムとの定期便は2020年6月からすべて運休となり、来日中の技能実習生など多くのベトナム人が帰国できない状態が続いている。こうした中、特別な事情がある人たちが帰国できるようにと、ベトナム政府が特別機を運航させたもの。
コロナ禍で国をまたぐ空の便の往来がほぼ途絶え、閑散とした状態が続いていた関西空港国際線の出発ロビーは、束の間久しぶりに活気を取り戻し、200人あまりのベトナム人が長い列をつくっていた。

小林亜星さん死去88歳「北の宿から」,CM「この木なんの木」

CMソング、レナウン「ワンサカ娘」、明治製菓「明治チェルシーの唄」、日立「日立の樹(この木なんの木)」や歌謡曲「北の宿から」、「野に咲く花のように」、アニメソング「ひみつのアッコちゃん」、まんが日本昔ばなし「にんげんっていいな」など幅広いジャンルの作曲家として知られる小林亜星(こばやし・あせい)さんが5月20日、心不全のため死去していたことが分かった。88歳だった。葬儀は近親者で営んだ。
東京生まれ。慶応大経済学部卒業。卒業後、サラリーマンを経て作曲家の服部正さんに師事した。1961年、レナウンのCMソングが出世作となった。このほか、1974年には向田邦子さん作のドラマ「寺内貫太郎一家」(TBS系)で主演。がんこおやじとして人気を博した。

野党の内閣不信任案提出で衆院解散 菅首相否定せず

菅首相は6月13日、訪問先の英コーンウォールで、野党が内閣不信任案を提出した場合、衆院解散に踏み切る可能性について、「出た時点で考えたい」とし否定しなかった。そのうえで「私の任期は決まっている」と9月末までの自身の自民党総裁人気に触れ、衆院解散は「これからいつあってもおかしくない状況が続く」とも述べた。
立憲民主、共産、国民民主、社民の野党4党は通常国会の3カ月延長を求めていたが、与党はこれを拒否することを決めている。