トヨタ自動車は10月2日、電動垂直離着陸機(eVTOL、空飛ぶクルマ)を開発する米ジョビー・アビエーション(以下、ジョビー社)に5億ドルを追加出資することで合意したと発表した。eVTOLの研究開発段階から実用化に向けた取り組みを加速していく。今回の追加出資により、トヨタのジョビー社への投資額は2020年1月の3.94億ドルと合わせ累計8.94億ドルとなる。
第42回大阪科学賞「宇宙線」「培養肉」研究の2人が受賞
科学技術の発展に貢献した関西の50歳以下の研究者を表彰する大阪科学賞。42回目となる今年は、大阪公立大学の藤井俊博准教授と大阪大学の松崎典弥教授の受賞が決まった。表彰式は11月9日に行われる予定。
藤井准教授は国際研究グループのメンバーとして、宇宙から降り注ぐ小さな粒子「宇宙線」のうち、計算上わずか1グラムで地球が破壊されるほどの巨大なエネルギーを持つものを発見し、この宇宙線を「アマテラス粒子」と名付けた。
また、松崎教授らの研究グループは細胞を立体的に成長させる独自の技術を応用し、霜降り和牛のような味と食感を再現する「培養肉」の開発を進めており、2025年大阪・関西万博で展示する予定という。
腎臓病の胎児にブタの腎臓を移植 国内初の手術実施へ
第一工業製薬 広島大と共同研究でCNF複合磁性粒子を開発
千代田化工 植物による有用タンパク質の量産技術開発へ
万博”空飛ぶクルマ” 全事業者が商用運航見送り, デモ飛行のみ
ペロブスカイト太陽電池 量産化へ導入補助 政府が普及促進策
政府が次世代の太陽光発電の切り札と位置付けるペロブスカイト太陽電池について、今秋にもまとめる普及促進策の骨子案が判明した。ペロブスカイトの導入費用を補助する支援策を盛り込むのが柱。政府の後押しで需要をつくり出すことでメーカーの量産化を促し、価格低下を図る。
骨子案では「官民で連携して量産技術の確立、生産体制の整備、需要創出を三位一体で進める」としたうえで「早期に国内市場の立ち上げを進める」と明記。補助制度で太陽光パネルとの価格差を埋め、国内市場を育成する。
ペロブスカイトは2009年に日本で最初に開発された技術で、軽量で薄く、曲げられるのが特徴。このため、ビルの壁や車の屋根のほか、強度の低い木造の屋根や倉庫などにも設置でき、開発の余地が大きい。ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を持つ化合物を発電層に使う。この主要原料のヨウ素は日本が世界生産量の約3割を占める、強みを持つ。
京大病院 iPS細胞で「1型糖尿病」治療の治験 25年2月に実施
京都大学医学部附属病院は9月2日、免疫の異常などで発症するとされる「1型糖尿病」について、iPS細胞から血糖値を下げるインスリンを分泌する細胞をつくり、シート状にしたものを患者に移植する治験を始める方針を発表した。同病院はすでに治験の計画を国に届け出ており、2025年2月にも実施したいとしている。計画では、20歳以上、65歳未満の患者3人を対象に、神奈川県藤沢市のベンチャー企業がつくった複数の膵(すい)島細胞のシートを患者の腹部に移植する。
インスリン投与が必要な1型糖尿病患者は全国におよそ14万人いるとされる。今回の治験が成功すれば、将来的に注射の必要がない、患者にとって明るい世界が見えてくる。