最高裁が酒類販売禁止の条例発布を地方政府に移譲
インドネシア最高裁判所は7月5日、酒類の販売を禁止する条例の取り扱いに関する法律で、イスラム強硬派の訴えを認めたと明らかにした。地方政府が販売禁止の決定を下すことができるようになるため、イスラム団体から歓迎の声が上がる一方で、観光業界などに打撃を与えることを心配する声が出ている。
地元紙によると、最高裁は6月半ばに地方政府が持っていたアルコールの販売を禁止できる権限を停止した1997年発布の大統領令について違憲と認める判決を下していた。インドネシア社会の秩序を保つには、地方が条例を発布する権限を持つべきとの考えからだ。
原告のイスラム防衛戦線(FPI)のサリム・ジャカルタ支部長は「判決は長年にわたって酒類の悪影響を訴え続けていたイスラム教徒の意向を支持するものである」と述べた。ただ、ジャカルタ娯楽事業者協会(APHL)のアドリアン会長は「アルコール販売ができなくなれば、外国人観光客の足が遠のくほか、滞在期間が短くなる。非常に懸念すべき判決だ」と語っている。