平安京跡で貴族の収集品の保管場所見つかる

平安京跡で貴族の収集品の保管場所見つかる

京都市内の平安京の遺構の発掘調査で、中国産とみられるガラス製の水差しの破片や陶磁器などが多数見つかり、平安時代に貴族が集めた品々の保管場所があったことを示す貴重な飼料として注目されている。
今回発掘が行われているのは、京都市南区東九条のホテル建設予定地で、平安京の南東部分にあたる。当時この周辺には官位の高い貴族たちの住まいが建ち並んでいたことから、名の知れた貴族が各地から収集した品々を保管する場所だったとみられている。
奈良市の元興寺文化財研究所の調査によると、平安時代末期にあたる12世紀後半ごろの遺構から「水滴」と呼ばれる水差しの注ぎ口部分の破片が見つかった。破片は長さ2㌢、幅1.5㌢ほどの青みがかったガラス製で中国産とみられる。平安京の遺構からこのような水滴が見つかったのは初めてという。また、周辺からは他にも近畿や東海など国内各地でつくられたとみられる陶磁器や土器が多数見つかった。

世界遺産 平泉・無量光院跡で堀の跡発見

世界遺産 平泉 ・無量光院跡で堀の跡発見

岩手県平泉町教育委員会は10月17日、世界遺産「平泉の文化遺産」を構成する無量光院跡の発掘調査で、堀跡を発見したと発表した。隣接する柳之御所遺跡の堀跡と工法などが似ており、町教委は両遺跡の関連を示す手掛かりになるとみている。
堀跡は復元された無量光院跡の池から約50㍍離れた地点で見つかった。当初幅9㍍、深さ2.3㍍だった堀は、無量光院の造営時に深さ1.5㍍に改修。その後、幅2㍍、深さ60~70㌢に小規模化したと考えられる。堀跡からは土器や中国産磁器、扇の一部が出土。12世紀後半に藤原秀衡が無量光院を建立する以前から、この場所に宗教施設があったと推測されるという。
町教委は10月21日、午前11時から現地説明会を開く予定。

三角縁神獣鏡33枚など「黒塚古墳のすべて」展 橿原市

三角縁神獣鏡33枚など「黒塚古墳のすべて」展 橿原市

古代の鏡が数多く見つかった奈良県天理市の黒塚古墳の出土品を一堂に集めた展示会が橿原市で開かれている。11月26日まで。
この展示会は黒塚古墳の発掘調査から今年で20年になるのを記念して、橿原考古学研究所附属博物館が開いているもので、同古墳から出土した鏡や甲冑(かっちゅう)など国の重要文化財に指定されているおよそ150点が展示されている。
このうち三角縁神獣鏡は、古墳から出土した33枚すべてが展示されている。三角縁神獣鏡は、邪馬台国の女王・卑弥呼が中国から授かったという説もある古代の鏡で、1つの古墳でこれほど多く見つかった例がなく、出土当時、全国的に注目された。
また、「Y字型鉄製品」は二股の部分に布が付着していたことから、長い布をなびかせる儀礼用の道具とみられ、埋葬者の地位の高さを示しているという。

横山大観 生誕150年回顧展 18年4月東京でスタート

横山大観 生誕150年回顧展 18年4月東京でスタート

東京国立近代美術館(東京都千代田区)によると、日本画の巨匠、横山大観(1868~1958年)の回顧展「生誕150年 横山大観展」の概要が明らかになった。2018年4月、同館での東京からスタートする。
明治150年の節目に、約40㍍で日本一長い絵巻とされる重要文化財「生々流転」や、あでやかな「夜桜」「紅葉」など大観の代表作が一堂に揃う。このほか、100年ぶりに所在が明らかになったインド風の「白衣観音」や、ハレー彗星を題材にした「彗星」など前期の作品にもスポットを当て紹介する。
会期は東京が4月13~5月27日、関西は京都国立近代美術館(京都市左京区)で6月8~7月22日。

大政奉還150年「幕末サミット」20自治体が集結

大政奉還150年「幕末サミット」20自治体代表が集結

江戸幕府の最後の将軍、徳川慶喜(15代)が1867年、朝廷に政権を返上した「大政奉還」から150年となるのに合わせて、大きな役割を果たした藩や都市の代表が京都市に集まり、交流を深めていくことを確認した。
この会合は「幕末サミット」と名付けられ、会場となった京都市のホテルには薩摩藩のあった鹿児島市や長州藩のあった山口県萩市、会津藩があった福島県会津若松市、それに新選組ゆかりの東京都日野市、坂本龍馬を観光資源としている高知市など、幕末の舞台や時代を動かす人物が躍動した20の関係自治体の代表が集まった。
参加自治体の活動や関連イベントの紹介の後、京都市の門川市長が「歴史に学び歴史でつながり、都市の理想の実現を目指す」という共同宣言を読み上げた。一行はこの後、大政奉還の舞台となった二条城の国宝、二の丸御殿に場所を移し、共同宣言の文書を前に記念撮影した.

「銅鐸をつくった人々」展 茨木市・東奈良遺跡

「銅鐸をつくった人々」展  茨木市・東奈良遺跡

大阪府茨木市東奈良の茨木市立文化財資料館で、弥生時代の銅鐸など青銅器をつくった工人たちの動向に迫るテーマ展「銅鐸をつくった人々-東奈良遺跡の工人集団」が開かれている。11月27日まで。火曜日休館。入館無料。
今回は石製の銅鐸鋳型36点(国重要文化財)を同時初公開。同遺跡から「新発見」された高坏(たかつき)形土製品なども初公開されている。このほか、東奈良遺跡で働いていた工人の源流とみられる鬼虎川遺跡(東大阪市)から出土した銅鐸鋳型なども展示し、工人集団の動向や他集団への影響力も紹介している。
東奈良遺跡は昭和46年、水路改修工事現場で子どもたちが土器片を発見したことがきっかけで出土した弥生時代の集落跡。銅鐸鋳型や送風管など、鋳造用の道具類が大量に発見された。

幕府と薩摩・長州藩の鳥羽伏見の激戦伝える砲弾展示

幕府と薩摩・長州藩の鳥羽伏見の激戦伝える砲弾展示

京都市考古資料館(京都市上京区)で、大政奉還150年を記念した企画展「鳥羽伏見の戦いの痕跡」が開かれている。11月12日まで、月曜日休館、入館無料。
幕府軍の本陣だった伏見奉行所跡(伏見区)と、薩長同盟の舞台で知られる薩摩藩二本松屋敷跡(上京区)での発掘調査の解説パネルと出土品を並べ陳列している。奉行所の砲撃戦について、直径12㌢の砲弾や赤く焼けた地面を写真で紹介。二本松屋敷跡で射撃訓練に使ったとされる銃弾も並び、刀剣による激突ではなく、激しく銃弾が飛び交ったであろう鳥羽伏見の戦いを彷彿とさせる。

豪華11屋台に観光客感嘆の声 秋の高山祭始まる

豪華11屋台に観光客感嘆の声 秋の高山祭始まる

飛騨路の秋の風物詩、秋の高山祭が10月9日、岐阜県高山市で始まった。
晴れ渡った秋空のもと、金色の装飾や様々な彫刻が施された、きらびやかな11台の屋台が市中心部の桜山八幡宮の境内と参道に並ぶと、訪れた観光客、見物客らから感嘆の声が挙がっていた。境内では36本の糸で操られた人形が妙技を見せる「からくり奉納」が披露された。
祭りは10日までで、市は2日間で計20万人の人出を見込んでいる。
高山祭は国の重要無形文化財に指定されているほか、2016年秋、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産「山・鉾(ほこ)・屋台行事」に登録された日本全国33祭りの一つ。

家臣の給与指示する秀吉自筆の文書見つかる

家臣の給与指示する秀吉自筆の文書見つかる

豊臣秀吉が家臣の給与について、自ら指示した自筆の文書が見つかった。この文書は熊本県天草市の民家に保管されていたもので、今年8月、兵庫県姫路市の県立歴史博物館が調査した結果、秀吉が姫路城の城主だった当時のものと分かった。同博物館では、秀吉のまめな性格がよくわかり、当時の秀吉と家臣との関係を研究するうえで貴重な資料-としている。
文書は「切符」と呼ばれる家臣の給与について記したもので、秀吉が姫路城の城主だった1582(天正10)年3月の日付とともに、重臣の小出秀政に対し、配下の家臣に「五人扶持(ごにんぶち)」を与えるように命じる内容。五人扶持は5人を1年間養える給与で、家臣の中では高い地位とはいえず、現在の価値でいえば100万円程度とみられるという。
この文書は10月7日から同博物館で始まった特別展で展示されている。

平等院の木造聖観音菩薩立像は「来迎」の姿

平等院の木造聖観音菩薩立像は「来迎」の姿

京都府宇治市の世界遺産、平等院の平安時代の菩薩像が極楽浄土から死者を迎える「来迎(らいごう)」の姿を表していることが分かった。平等院が発表した。
平等院では境内にある塔頭(たっちゅう)に伝わる平安時代の菩薩像「木造聖観音菩薩立像」の修復を進めてきた。その結果、同像について①衣の部分が前から風を受けてたなびくような形に彫られている②衣の裾の一部が台座に入り込んでいることなどから、この像はもともとは前方に傾いていた-ことなどが分かったという。
このため、菩薩像は阿弥陀如来に付き従って極楽浄土から死者を迎えに来る、いわゆる「来迎」の姿を表したものとみられるという。平等院では寺院の歴史をする上で貴重な発見だとしている。