iPS細胞の安定供給へ「京都大学iPS細胞研究財団」設立、代表理事に山中氏

京都大学は、再生医療に使う高い品質のiPS細胞を研究機関などに安定的に供給することを目的に新たに9月6日、「京都大学iPS細胞研究財団」を設立した。iPS細胞は、これまで供給を担ってきた京都大学に代わり、時限的な支援措置による形ではなく、今後、同財団が一定の収益を確保しながら、安定的に供給することになる。同財団の代表理事には「京都大学iPS細胞研究所」の山中伸弥所長が就任した。

京大iPS研・仏ディオール 皮膚細胞の基礎研究で協定

京都大学iPS細胞研究所は9月12日、フランスの化粧品などのメーカー、クリスチャン・ディオールと今年4月に協定を結び、皮膚細胞の老化や再生の仕組みについて解明する共同研究を始めると発表した。共同研究では、ゲノム編集の技術やiPS細胞によって再生した皮膚細胞を用いることで、人間の肌の老化や再生の仕組みを遺伝子レベルで解明する基礎研究を中心に行う。そのうえで、年齢とともに肌にしわやシミ、たるみができる原因について、遺伝によるものと、紫外線や温度、湿度などがどれくらい影響しているかについて明らかにし、将来的には新たな製品の開発につなげたいとしている。

「人手不足」倒産1~8月で262件、まだ月平均で最多の可能性

東京商工リサーチのまとめによると、日本の「人手不足」関連倒産は2019年1~8月累計で262件(前年同期272件)で、前年同期を3.6%下回った。これで、7月、8月と2カ月連続で前年同月を下回り、増勢には歯止めがかかったとも受け取れる。ただ、1~8月の月間平均件数は32.7件のペースで今後、人手不足倒産が発生した場合、年間(1~12月)で過去最多を記録した2018年の387件を上回る可能性も残している。人手不足は体力の乏しい中小企業にも多く、辛うじて持ちこたえてきた企業が急遽、ギブアップするケースも考えられ、年間の動向にはまだ目が離せない。                                              8月の人手不足関連倒産は34件(前年同月比24.4%減、前年同月45件)と2カ月連続で前年同を下回った。内訳は「後継者難」が19件(前年同月26件)で最多。次いで「求人難」が9件(同13件)、「従業員退職」が4件(同3件)。産業別では最多が建設業の9件(同12件)、次いで卸売業7件(同4件)、サービス業ほか6件(同13件)、運輸業5件(同2件)、小売業3件(同2件)などとなっている。

香港民主派「香港に自由を!」 米国に支持呼び掛け数万人がデモ

「逃亡犯条例」の改正案をきっかけに、抗議活動が続く香港で9月8日、若者ら数万人が米国政府に香港の民主的発展への支持を呼び掛けデモ行進した。外資企業などが集まるビジネス街の中環(セントラル)に数万人規模が集まった。星条旗や「トランプ大統領、香港に自由を!」などと書いた横断幕やプラカードを掲げ、米総領事館の周辺を行進した。デモの背景には6月、米国議会へ提出された香港の人権や民主主義体制を検証する法案がある。同法案は、香港に十分な自治が認められていないと判断した場合、関税面など香港の対米貿易上の特権を見直すというもの。

イオン 香港の小中学校3校に太陽光発電システム寄贈

公益財団法人イオン環境財団は9月12日、中国・香港特別行政区の小中学校3校に太陽光発電システムを寄贈する。同財団は、再生可能エネルギー活用の啓発・普及および環境教育を目的に、2009年より小中学校に太陽光発電システムを寄贈。今回で寄贈先は日本・中国・マレーシア・ベトナムの4カ国、合計48校となる。

イオンG ミャンマーの洪水被災者へ緊急支援金

イオングループは9月4日、モンスーンによる豪雨で大きな被害を受けたミャンマー東部モン州の被災者に、総額3万5,000米ドルの緊急支援金を贈呈したと発表した。ミャンマーで事業を行うイオンオレンジ、イオンマイクロファイナンスと、タイで事業を行うイオンタナシンサップ、そして公益財団法人イオン1%クラブが緊急支援募金および支援金を、ミャンマー社会福祉・救済・復興省に贈呈した。

介護留学生の養成校入学者初の 2,000人超 1年で倍増 介護協

公益財団法人 日本介護福祉士養成施設協会(所在地:東京都千代田区、略称:介護協)の調べによると、国家資格の介護福祉士を養成する専門学校や大学に4月に入学した外国人留学生は、初の2,000人超えの2,037人に上り、昨年から倍増したことが分かった。日本人を含む全体の入学者は6,982人で、3割近くを外国人が占めた。日本人は減少傾向が続いている。

香港政府「逃亡犯条例」改正案を撤回、事態収束は見通し難

香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は9月4日、テレビを通じて容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする「逃亡犯条例」の改正案を正式に撤回すると発表した。ただ、一連の抗議活動での要求は、この条例改正案への反対をきっかけに噴出した、行政長官らを直接選ぶ民主的な選挙の実現など5項目にまで広がっている。とりわけ、この間デモ隊と激しく衝突する警察の対応が適切だったかどうかを調べる独立調査委員会の設置に応じなかったことで、反発の声が相次いでいる。このため、今回の条例改正案の撤回で事態の収束を図りたい香港政府の思惑とは裏腹に、多くの人々が他の要求にも応えるよう求めており、混乱がさらに長引く可能性も指摘されている。

法隆寺参道沿いに初のホテル 宿泊・観光客誘致へ 和文化体験

世界遺産に登録されている奈良県斑鳩町の法隆寺の南大門から数十mの参道沿いに初めてホテルがオープンすることになった。ホテル「和空 法隆寺」で、建物は2階建て。60ある客室は畳敷きの和室で、茶の湯や生け花など日本文化を体験できるスペースも設けられている。料金は1泊2食付きで1万8,500円から。9月8日オープンする。         斑鳩町は、法隆寺周辺での大規模な施設の建設を条例で規制していたが、5年前に緩和し宿泊施設の誘致を進めていた。というのは、これは奈良県全体の課題でもあるが、宿泊施設が不足していることから、同地で宿泊する観光客が少なく、観光施設が豊富にありながら通過地となっている実情がある。斑鳩町も平城京遷都1300年で様々な記念イベントがあった2010年(平成22年)には96万人余りの観光客が国内外から訪れたが、日本全体の訪日外国人らが大幅に増え続ける中、2018年は59万人余りにとどまっている。

20年度の中国介護市場6兆6,575億円へ拡大、30年度11兆円規模

TPCマーケティングリサーチ(本社:大阪市西区)の調査によると、2020年度の中国の介護市場は、2016年度比42.2%増の6兆6,575億円まで拡大する見込みだ。そして、2030年度には同2.4倍の11兆円規模に達すると予測される。                                        中国の介護市場は①高齢化の進行②長く続いた”一人っ子政策”に伴う家族介護の機能低下-などで市場拡大が続いている。その結果、2018年度は前年度比8.4%増の5兆5,802億円となった。中国の65歳以上の高齢者人口は2017年時点で約1億5800万人と推計される。このまま高齢化が進むと2035年ごろには高齢者人口が約3億人、総人口に占める割合(高齢化率)が20%を超える「超高齢社会」を迎えると予想されている。また、要介護・要支援高齢者は2015年時点で4,063万人に上り、60歳以上の人口の18.3%を占めている。そして、2050年には60歳以上の人口の2割(9,750万人)が要介護・要支援状態になると推計される。