京都大学は、再生医療に使う高い品質のiPS細胞を研究機関などに安定的に供給することを目的に新たに9月6日、「京都大学iPS細胞研究財団」を設立した。iPS細胞は、これまで供給を担ってきた京都大学に代わり、時限的な支援措置による形ではなく、今後、同財団が一定の収益を確保しながら、安定的に供給することになる。同財団の代表理事には「京都大学iPS細胞研究所」の山中伸弥所長が就任した。
京大iPS研・仏ディオール 皮膚細胞の基礎研究で協定
「人手不足」倒産1~8月で262件、まだ月平均で最多の可能性
東京商工リサーチのまとめによると、日本の「人手不足」関連倒産は2019年1~8月累計で262件(前年同期272件)で、前年同期を3.6%下回った。これで、7月、8月と2カ月連続で前年同月を下回り、増勢には歯止めがかかったとも受け取れる。ただ、1~8月の月間平均件数は32.7件のペースで今後、人手不足倒産が発生した場合、年間(1~12月)で過去最多を記録した2018年の387件を上回る可能性も残している。人手不足は体力の乏しい中小企業にも多く、辛うじて持ちこたえてきた企業が急遽、ギブアップするケースも考えられ、年間の動向にはまだ目が離せない。 8月の人手不足関連倒産は34件(前年同月比24.4%減、前年同月45件)と2カ月連続で前年同を下回った。内訳は「後継者難」が19件(前年同月26件)で最多。次いで「求人難」が9件(同13件)、「従業員退職」が4件(同3件)。産業別では最多が建設業の9件(同12件)、次いで卸売業7件(同4件)、サービス業ほか6件(同13件)、運輸業5件(同2件)、小売業3件(同2件)などとなっている。
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香港政府「逃亡犯条例」改正案を撤回、事態収束は見通し難
香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官は9月4日、テレビを通じて容疑者の身柄を中国本土にも引き渡せるようにする「逃亡犯条例」の改正案を正式に撤回すると発表した。ただ、一連の抗議活動での要求は、この条例改正案への反対をきっかけに噴出した、行政長官らを直接選ぶ民主的な選挙の実現など5項目にまで広がっている。とりわけ、この間デモ隊と激しく衝突する警察の対応が適切だったかどうかを調べる独立調査委員会の設置に応じなかったことで、反発の声が相次いでいる。このため、今回の条例改正案の撤回で事態の収束を図りたい香港政府の思惑とは裏腹に、多くの人々が他の要求にも応えるよう求めており、混乱がさらに長引く可能性も指摘されている。
法隆寺参道沿いに初のホテル 宿泊・観光客誘致へ 和文化体験
世界遺産に登録されている奈良県斑鳩町の法隆寺の南大門から数十mの参道沿いに初めてホテルがオープンすることになった。ホテル「和空 法隆寺」で、建物は2階建て。60ある客室は畳敷きの和室で、茶の湯や生け花など日本文化を体験できるスペースも設けられている。料金は1泊2食付きで1万8,500円から。9月8日オープンする。 斑鳩町は、法隆寺周辺での大規模な施設の建設を条例で規制していたが、5年前に緩和し宿泊施設の誘致を進めていた。というのは、これは奈良県全体の課題でもあるが、宿泊施設が不足していることから、同地で宿泊する観光客が少なく、観光施設が豊富にありながら通過地となっている実情がある。斑鳩町も平城京遷都1300年で様々な記念イベントがあった2010年(平成22年)には96万人余りの観光客が国内外から訪れたが、日本全体の訪日外国人らが大幅に増え続ける中、2018年は59万人余りにとどまっている。
20年度の中国介護市場6兆6,575億円へ拡大、30年度11兆円規模
TPCマーケティングリサーチ(本社:大阪市西区)の調査によると、2020年度の中国の介護市場は、2016年度比42.2%増の6兆6,575億円まで拡大する見込みだ。そして、2030年度には同2.4倍の11兆円規模に達すると予測される。 中国の介護市場は①高齢化の進行②長く続いた”一人っ子政策”に伴う家族介護の機能低下-などで市場拡大が続いている。その結果、2018年度は前年度比8.4%増の5兆5,802億円となった。中国の65歳以上の高齢者人口は2017年時点で約1億5800万人と推計される。このまま高齢化が進むと2035年ごろには高齢者人口が約3億人、総人口に占める割合(高齢化率)が20%を超える「超高齢社会」を迎えると予想されている。また、要介護・要支援高齢者は2015年時点で4,063万人に上り、60歳以上の人口の18.3%を占めている。そして、2050年には60歳以上の人口の2割(9,750万人)が要介護・要支援状態になると推計される。