ワールド 医療用ガウン、マスクの生産開始 コロナ対策支援

ワールド(本社:神戸市中央区)は5月7日、日本政府の要請を受け、新型コロナウイルス感染症の医療現場で深刻な不足が続いている医療用ガウン(アイソレーションガウン)とマスクの生産を開始すると発表した。
医療用ガウンはワールドプロダクションパートナーズ主導で、国内6カ所の自社工場中心に生産する。マスクは洗える抗ウイルスマスク(日本製)、スウェーデンのポリジン社が開発した抗菌防臭加工技術を活用した布マスク(タイ製)、細菌・微粒子をカットするサージカルマスク(中国製)の3種を供給する準備を整える。
ガウンは9月末までに150万枚を生産する予定。抗ウイルスマスクは7月までに30万枚、ポリジンマスクは10万枚、サージカルマスクは1500万枚をそれぞれ供給する予定。マスクは5月中旬から、ワールドオンラインストアで予約販売する予定。抗ウイルスマスクの販売価格は大人用1,500円、キッズ用1,300円、幼児用1,200円(税別)。

タカラバイオ 迅速・簡便なPCRキットを販売開始 所要1時間に短縮

タカラバイオ(本社:滋賀県草津市)は5月1日から、検体からウイルスRNAを精製する前処理工程を必要とせず、反応時間が1時間未満で、迅速・簡便に検出可能な新型コロナウイルスのPCRキットを販売開始した。
同キットは独自技術により簡便な前処理操作のみで、通常およそ1時間を要する前処理工程を省略。また、同社の高速PCR技術の採用によりトータルの検査時間が従来の方法に比べ半分以下の約1時間に短縮できるという。同社は月産2万キット(200万反応分)の製造体制を整えている。

マツダ 3,000億円の融資要請 コロナの影響長期化に備え

マツダが、3メガバンクや日本政策投資銀行などに計3,000億円規模の融資を要請したことが分かった。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で国内外の新車需要が大きく落ち込んでいることに対応したもの。同社は現在、国内外の工場で生産調整を実施している。まだまだ感染の勢いが衰える気配がないだけに、新型コロナの感染拡大による影響が長期化することを見据え、新規の資金調達を通じて不測の事態に備える。

ソニー コロナ感染症医療従事者へフェイスシールドなど提供

ソニーは5月8日、日本政府の呼び掛けに応え、新型コロナウイルス感染症の治療に従事している国内の医療関係者への支援施策として、医療用フェイスシールドの製造と無償提供および人工呼吸器の生産支援を開始すると発表した。
同社の運営する医療従事者向けのウェブサイトで同日より全国の医療機関からの応募を募り、5月中旬以降、週に約5,000セット(フレーム約5,000本、シールド約5万枚)、合計約4万セットを寄贈する。人工呼吸器は、ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションがアコマ医科工業と提携し、生産する。7月から量産を開始し、9月中に500台を生産する計画。

ANAグループ37社・3,200名の 21年度採用募集活動を一時中断

全日本空輸(ANA)は5月8日、グループ全体の2021年度入社に向けた採用活動を一時中断すると発表した。新型コロナウイルス感染拡大による影響で国内外の移動需要が激減し、今後の事業計画の策定が困難との判断からだ。
同グループは2021年度の採用計画でLCCのピーチ・アビエーションなどを含めたグループエアラインで地上職や客室乗務員職で合計800名程度、ANAエアポートサービスやANA成田エアポートサービスなど日本国内の空港会社各社で1,750名程度など、ANAグループ37社で計3,200名程度を募集していた。

日本製鉄 鉄鋼需要減少で7月から新たに2カ所の高炉を操業休止

日本製鉄は5月8日、産業界における大幅な鉄鋼需要の減少を受け、7月上旬以降、新たに2カ所で時期を前倒しし操業停止すると発表した。このほか5月中旬以降、1カ所操業停止する高炉も合わせ、すでに停止している3カ所を加えると計6カ所の高炉の操業を停止することになる。
今回計画を前倒しして7月上旬以降、操業停止するのは、北海製鉄(室蘭製鉄所構内に製銑設備を保有する子会社)第2高炉、九州製鉄所八幡地区小倉第2高炉の2カ所。

米国ギリアド社「レムデシビル」を日本に無償提供

米国の製薬会社ギリアド・サイエンシズの日本法人は5月8日、日本の厚生労働省が新型コロナウイルス感染症の治療薬として「特例承認」した「レムデシビル」を、当面は日本での処方分を無償提供すると発表した。同社はすでに世界全体で14万人分を臨床試験に無償提供すると発表しており、今回発表分はその一部。ただ日本への供給量は明らかにしていない。

三井倉庫 日中間コンテナサービスの総代理店業務を開始

三井倉庫(本社:東京都港区)は4月28日、中国遼寧省に本社を置く「華信集装箱運輸有限公司(HUAXIN CONTAINER LINES)」の日本総代理店業務を開始したと発表した。
華信集装箱運輸は、1998年に設立された遼寧省営口港および大連港を拠点に、中国国内内航コンテナサービスと国際バルクサービスを手掛ける大手海運企業集団「信風海運物流(TRAWIND SHIPPING)」の外航コンテナ部門を担う会社で、外航定期コンテナ航路進出の第一歩として江蘇省~日本主要港サービスを立ち上げる。
今回5月中旬から開始するサービスは、400TEUクラスのコンテナ船2隻を投入し、中国江蘇省張家港と関東(東京・横浜)、中部(名古屋)、関西(大阪・神戸)をウィークリーで結ぶ。日本へは5月19日の大阪、神戸を皮切りに、その後、東京、横浜、名古屋に順次寄港する予定。

富士フィルム和光純薬 PCR検査75分に短縮 検出試薬を発売

富士フィルムグループの富士フィルム和光純薬(本社:大阪市中央区)は5月8日、新型コロナウイルスの感染の有無を、検体を装置にセットするだけで、簡便・迅速に全自動で調べられるPCR検査用試薬「ミュータスワコーCOVID-19」を日本で発売すると発表した。検査時間は従来の4~6時間から約75分に短縮できる。これにより、PCR検査能力の大幅な向上が見込まれる。
日本のPCR検査能力は米国、欧州や中国、韓国などと比べケタ違いに劣っており、大きな課題とされている。これはPCR検査の大半が手作業で、熟練した検査員が不足しているためといわれる。しかし、自動化が進めば喫緊の課題がかなり改善される。