公取委 イトーキに物流業者への残業代不払い巡り警告

公正取引委員会は11月28日、オフィス家具大手イトーキに対し、商品の配送などを委託している物流業者に残業代を支払わなかったなどの行為が独占禁止法違反にあたるおそれがあるとして、警告した。
公取委によると、イトーキはオフィス用の机やイスの配送や取り付け作業などを全国の物流業者およそ20社に委託しており、年度末の繁忙期などに委託先の運転手が納品場所以外で働いた残業代を支払っていなかった。

12/2から「SUMINOE」に 住江織物が社名変更 非繊維増で

住江織物(本社:大阪市中央区)は11月28日、12月2日付で社名を「SUMINOE」に変更すると発表した。自動車の内装材など非繊維部門の比重が増えており、事業内容とそぐわなくなったため、社名から「織物」を外すことになった。また、北中米やアジアなど海外展開を強化していくことから、ローマ字表記にする。住江織物は1883年、大阪・住吉で創業。

”経営の神様”松下幸之助をAIで再現 理念伝承へ

パナソニックホールディングス(HD)は、”経営の神様”と呼ばれた創業者、松下幸之助の理念を次の世代に伝えようと、AIで再現した。これはパナソニックとPHP研究所などが共同で開発したもの。松下幸之助の孫で、パナソニックHDの元副会長、松下正幸特別顧問は、AI版について「実写かなと思うほどで懐かしく思い出しました。幸之助の理念の継承に役立つように使ってもらいたい」と話している。
200以上に上る生前の音声や著作物、講演での発言など大量のデータをAIに学習させることで幸之助氏の考え方や話し方などを再現したとしている。この”AI版松下幸之助”、グループ内の研修などで活用されるという。

エーザイ 韓国で認知症治療薬「レケンビ」発売

エーザイ(本社:東京都文京区)と米国のバイオジェン・インク(本社:マサチューセッツ州ケンブリッジ)は11月28日、アルツハイマー病治療薬「レケンビ(R)」(一般名:レカネマブ)を韓国で発売開始したと発表した。
同治療薬は5月に、韓国食品医薬品安全処(MFDS)より、「成人のアルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)および軽度認知症の治療」の適応で承認を取得している。
韓国における65歳以上の認知症者は2021年時点で約90万人と推計され、65歳以上の10人に1人は認知症、5人に1人は軽度認知障害といわれている。

デンソー, 富士電機 パワー半導体で協業 2,100億円投じ増産

自動車部品大手のデンソーと半導体大手の富士電機は、脱炭素化で需要が高まるパワー半導体の生産で協業することになった。両社は合わせて約2,100億円を投じ、電気自動車(EV)などパワー半導体を共同で増産する。経済産業省は両社に最大約700億円を補助し、国内勢の生産基盤強化を後押しする。
今回の協業で、デンソーは省エネ性能の高い炭化ケイ素(SiC)向けウェハーなどの半導体基板を、富士電機はSiC半導体の生産をそれぞれ分担する形で集約化を図る。

日立 台湾MRT設置用昇降機147台受注 地震時 検知機能搭載

日立製作所は11月28日、台湾で建設中の都市高速鉄道(MRT)に設置されるエレベーターなど昇降機147台を受注したと発表した。受注額は非公表。昇降機関連では台数、金額ともに台湾では過去最大規模。昇降機の内訳はエレベーター41台、エスカレーター106台。同社の子会社、日立永大電梯を通じて受注した。すべてのエレベーターには、地震時、閉じ込めを防ぐ検知機能が搭載される。

繊維大手ユニチカ 赤字続きの祖業の繊維事業から撤退へ

大手繊維メーカー、ユニチカ(本社:大阪市中央区)は赤字が続いていた祖業の繊維事業から撤退する方針を固めた。需要が伸びている食品包装や半導体関連の材料に使われるフィルム事業に経営資源を集中する。これに伴って、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行などの主力銀行も300億〜400億円規模の債権放棄を行う方向で調整する。
同社のルーツは尼崎紡績で、1889年に創業した後、天然繊維の紡績工場から脱却、黎明・成長期の化合線繊維の製造を手掛ける中、主力メーカーの一角として、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなど化合繊繊維事業を拡大し、日本の繊維産業の近代化や戦後の高度経済成長を支えた。
ただ、近年は様々な構造改革にも関わらず、日本の繊維産業を取り巻く大きな環境変化も加わり、海外の低価格品との競争激化で衣料品や生活雑貨向けの戦時事業の業績は大きく落ち込んでいた。

住友商事, 四国電力 カタール国際入札で発電造水事業受注

住友商事(本社:東京都千代田区)と四国電力(本社:香川県高松市)は11月26日、韓国南部電力(以下、KOSPO)とKorea Overseas Infrastructure & Urban Development Corporation(以下、KIND)とともに、カタール送電水道公社(以下、Kahramaa)が実施した国際入札で、Facility E発電造水事業権益を受注。今回4社を代表して住友商事とKahramaaとの間で長期売電売水契約を締結したと発表した。
今後4社はカタール発電造水会社、カタール国営石油公社と共同で事業会社を設立する。これはカタールの首都ドーハから約25km南のRas Abu Fontas地区にある発電所跡地に、天然ガス火力発電所(2,400メガワット)と海水淡水化設備(49.5万トン/日)を新設し、運転する民活型発電造水事業。

JR東海 カーボンニュートラル実現へ水素動力車両開発推進

JR東海は11月26日、政府の2050年カーボンニュートラル政策に呼応、同社が推進している取り組みの一環として、軽油を燃料とする従来の気動車に代わる、水素を燃料とした「水素動力車両」の開発状況を明らかにした。この水素動力車両はHC85系ハイブリッドシステムをベースとし、動力源として燃料電池と水素エンジンを検討している。
今回、水素エンジンハイブリッドシステムの試作機が完成した。これは産業用のディーゼルエンジンをベースにiLabo(本社:東京都中央区)が開発した水素エンジンとJR東海のHC85系で使用している発電機、車両制御装置、蓄電池を組み合わせたシステム。水素エンジンは高い耐久性と出力密度、および高負荷域での高い効率が期待でき、また燃料電池と比較して低い水素純度でも運転できる特長がある。

上場企業4年ぶり減益 9月中間5.7%減 製造業が不振

東京証券取引所に上場する企業の2024年9月中間決算がほぼ出揃った。最終利益の合計は前年同期比5.7%減の20兆5,722億円で、4年ぶりに前年を下回った。製造業の最終利益は9.1%減の11兆461億円にとどまった。中国の景気減速などが影響し、製造業の落ち込みが目立った。非製造業の最終利益は1.4%減の9兆5,260億円だった。