シャープ 米国向け製品の生産拠点の脱中国を準備、追加関税に対応

シャープ(本社:大阪府堺市)の戴正呉会長兼社長は5月27日、中国から米国に輸出している複合機やパソコンなどの生産を、中国以外に移す準備を進めていることを明らかにした。米国トランプ政権による中国への追加関税に対応するもので、これらの製品が対象になれば移管する。中国とタイで生産している複合機は、米国向けをタイへ集約。パソコンの生産も、中国から台湾やベトナムへ移すことを検討中。                                また、戴氏は自身の進退についても言及。今年6月に鴻海精密工業の董事に復帰する予定。ただ、2021年度まではシャープの会長職を継続すると言明。社長職については「適当な人物がいたら引き継ぎたい」とし、2020年度以降の交代を示唆した。

出光興産G ベトナムでグループ初のメガソーラー発電所完工

出光興産は5月27日、グループ会社、昭石オーバーシーズ&インベストメント(以下、SOI)が、ベトナム南部のカインホア省カムラン市でSOIが出資する太陽光発電所(最大出力49.5MW)を完工し、このほど完工式を執り行ったと発表した。発電した電力は同国の固定価格買取制度に基づき国営電力会社、ベトナム電力公社に20年間売電する。同発電所における年間発電量は約7万8,600MWhを予定。出光興産グループの東南アジア地域でのメガソーラー発電所の開発は初となる。

JICA カンボジア・ㇱハヌークビル港湾公社の株式を上組に譲渡

国際協力機構(JICA)は5月24日、上組に対しカンボジア・シハヌークビル港湾公社の全保有株式を譲渡したと発表した。シハヌークビル港はカンボジアで唯一の大水深港で、日本が有償資金協力、無償資金協力、技術協力を通じて、インフラ整備および運営能力強化などで長年にわたり協力してきた港湾。この結果、シハヌークビル港湾公社の2013年の年間コンテナ貨物取扱量は29万TEUだったが、2018年には54万TEUまで増えている。

ナトコ 事業拡大へタイ・バンコクに販売子会社設立

産業用塗料製造・販売のナトコ(本社:愛知県みよし市)は5月24日、タイ・バンコクに販売拠点となる新会社を設立し、事業拡大を目指すと発表した。新会社「NATOCO PAINT(THAILAND)CO.,LTD.」の資本金は1億タイバーツ(3億5,200万円)で、ナトコが全額出資する。6月に事業開始する予定。塗料、ファインケミカル製品の販売を手掛ける。

住友商事 バングラ・ダッカ経済特別区開発でBEZAと合意

住友商事(本社:東京都千代田区)は5月27日、バングラデシュ経済特区庁(以下、BEZA)との間で、バングラデシュ・ダッカ管区ナラヤンガンジ県における経済特別区の開発について合意したと発表した。夏ごろにこの経済特別区の開発事業会社を設立する。この経済特別区はダッカ中心部から約32km(車で約1時間)の場所に位置する。約190㌶を工業団地として先行開発し、段階的に拡張していく予定。2020年度のインフラ工事着工と並行して販売を開始し、2021年度の稼働を目指す。開発事業会社への住友商事の出資比率は76%で、総事業費は130億円強を想定している。同経済特別区の開発は、国際協力機構(JICA)からバングラデシュ政府に対する円借款事業として実施されている政府開発援助事業。

オリエンタルC「フィリピン鉄道事業統括室」設置

オリエンタルコンサルタンツグローバル(本社:東京都新宿区)は、6月1日付で組織変更し、新たに「フィリピン鉄道事業統括室」を設置すると発表した。これにより、フィリピンで実施中の複数の鉄道事業を俯瞰し、全体の最適化を図るとともに、情報を共有化し事業を円滑に推進する。現在フィリピンでは、日本政府が成長戦略・国際展開戦略の柱の一つと位置付けるインフラ輸出政策の一環として、複数の大型鉄道案件が実施または開始見込みだ。同社はこれらの事業で計画から設計、施工監理までコンサルタントサービスを提供している。

日本生命 インドRNAM社株式を追加取得、子会社化

日本生命保険(本店:大阪市中央区)は5月23日、インドのリライアンス・グループ傘下のリライアンス・キャピタル社(以下、RCAP)との間で、RCAPが保有するリライアンス・ニッポンライフ・アセットマネジメント社(以下、RNAM、所在地:インドマハラシュトラ州ムンバイ)の株式を取得する売買契約を締結したと発表した。これにより、RNAMの株式32.125%を452億ルピー(約728億円)で追加取得することで、日本生命はRNAM株式を75%保有することになり、子会社となる予定。公開買付け手続きにより、2019年10月初旬に正式取得を完了する予定。

関電 インドネシア・ラジャマンダラ水力発電所の商業運転開始

関西電力(本社:大阪市北区)は5月24日、インドネシアパワー社(以下、IP社)と共同出資して建設を進めてきたラジャマンダラ水力発電所が5月12日に商業運転を開始し、5月23日にその旨を記した運転許可証をインドネシア国有電力(以下、PLN社)より受領したと発表した。発電される年間約1.81億kwhの電力を今後30年間、PLN社へ売電することにより、収益を確保するとともに、低廉かつ低炭素な電力を安定供給することで、インドネシアの経済発展に貢献していく。

ヤマハ発動機 フィリピンの二輪車生産能力を倍増

ヤマハ発動機(本社:静岡県磐田市)は5月24日、フィリピンで二輪車の製造・販売を手掛けるヤマハ・モーター・フィリピン(所在地:フィリピン・バタンガス州リマ工業団地内、略称:YMPH)の生産能力を倍増すると発表した。同敷地内に新しい工場棟を建設し、年間生産能力を現行の40万台から80万台まで引き上げる。また、中長期的な目標としてフィリピンにおける販売台数100万台(輸入完成車含む)を目指す。新工場棟は2019年5月に着工し、2020年7月の稼働を予定。

NTN インドネシアIGP社とFF車の等速ジョイント事業で合弁

NTN(本社:大阪市西区)は5月24日、アストラグループのPT.Inti Ganda Perdana(以下、IGP社)と合弁契約を締結し、ジャワ島西部・カラワン地区(KIM工業団地)に、前輪駆動車(FF車)の等速ジョイントを製造する合弁会社を設立すると発表した。合弁新会社「PT.Astra NTN Driveshaft Indonesia」の資本金は1200億ルピアで、出資比率はIGP社51%、NTN49%。敷地面積約1万8000㎡、延床面積約8500㎡。2020年8月量産開始を目指す。インドネシアの自動車市場で需要が拡大するFF車の等速ジョイントの供給能力を拡大する。