イ留学生が石川県で募金集め ク噴火の被災避難民支援へ

イ留学生が石川県で募金集め ク噴火の被災避難民支援へ
 2月13日に噴火したインドネシア東ジャワ州・クルド山(標高1731㍍)周辺の被災避難民を支援しようと、北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市)に通うインドネシア人留学生デニー・ウィリーさん(38)は23日、能見市のイベントで募金活動した。集まった1万円は能見市が預かり、提供先を探しているという。
 西ジャワ州バンドン出身のデニーさんが所属する同大知識科学研究科永井研究室と能見市は同日、小学生や親子を対象にインドネシアの文化と遊びを学ぶ体験会を共催した。会では、インドネシアも日本もスマトラ沖地震、東日本大震災などを経験した同じ災害大国で、今回噴火したクルド山の周辺で、被災した多くの避難民がいると支援を訴えた。じゃかるた新聞が報じた。
 インドネシア国家災害対策庁(BNPB)によると、クルド山の噴火で3人が死亡し、避難民はピーク時、10万人に達した。そして、噴火活動が小康状態にあるいまも、まだ半径5㌔以内に住む約1万人の帰宅は認められていない。

JJS中学2年の安倍健君 佐渡ヶ嶽部屋に入門へ

JJS中学2年の安倍健君 佐渡ヶ嶽部屋に入門へ
 インドネシア人初の大相撲力士が1年後、誕生するか-。ジャカルタ日本人学校(JJS)中学2年生の安倍(あんばい)健くん(14)は、4月から大相撲の佐渡ヶ嶽部屋(千葉県松戸市)のけいこに参加する。日本人の父とインドネシア人の母を両親に持つ健くんは、小さいころから日本の大相撲に憧れていた。力士になろうと決心したのは2013年8月、イストラ・スナヤン屋内競技場で初めて開催された大相撲ジャカルタ巡業だった。じゃかるた新聞が報じた。
 健君は子供けいこに参加した後、相撲関係者の取り計らいで憧れていた大関・琴奨菊関と初対面した。その際、琴奨菊関から「一緒に相撲をやろう」と背中を押され、覚悟が固まった。両親も健くんの決断に賛成、巡業後すぐに日本へ連絡、佐渡ヶ嶽親方へ「力士になりたい」と直談判。親方は快く了解してくれたという。
 その結果、4月から千葉県浦安市にある叔母宅から地元中学に通い、松戸市の佐渡ヶ嶽部屋でけいこに励むことになった。順調に事が運べば、2015年3月の中学卒業を待ち、新弟子検査を受ける予定だ。現在、体重80㌔で1日5食を平らげる健くんの食欲の賜物で、身長、体重はすでに大相撲協会の入門基準を満たしており、検査に合格後、晴れて正式入門となる。健くんはいま、その日を心待ちにして「立派な力士になる」と目を輝かせている。

政府がASEANで医療支援 日・イ初の医療産業会議

政府がASEANで医療支援 日・イ初の医療産業会議
 日本政府は東南アジア諸国連合(ASEAN)域内で、がんや生活習慣病の医療体制を支援する。日本の先端医療機器を納入した人材育成センターを置いて専門医を育成するほか、電子カルテ導入も後押しする。日本の機器に慣れ親しんだ医師や施設を増やすことで、医療機器やサービスの輸出を伸ばす狙いもある。日本経済新聞が報じた。
 2月27日には日本企業と日本・インドネシアの両政府が共同で初の医療産業会議を開く。がんや生活習慣病の医療技術を高めるため、先端医療機器トレーニングセンターをインドネシア大学付属教育病院に来年度に設置することで合意する。内視鏡機器をオリンパスが納入し、政府は導入費用を半額補助する方針だ。
 医療産業会議には日立製作所やNECなどの日本企業が参加する。インドネシアではジャカルタに人材や施設が集中し、地方の医療体制の改善が課題となっている。電子カルテへの需要も強いという。将来的にはコンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)など大型機器の輸出を見込む。

EPAの看護師・介護士候補者の日本語研修・朗読会

EPAの看護師・介護士候補者の日本語研修・朗読会
 国際交流基金は2月22日、南ジャカルタ・スレンセンサワの教育文化省語学教育研修センターで、日本・インドネシア経済連携協定(EPA)による看護師・介護福祉士候補者第7期生が参加する日本語朗読会を開いた。6カ月間にわたる日本語研修が始まってから約3カ月。ゼロから日本語を学び始めた候補者も短期集中訓練の成果を発揮、生命の尊さを描いた物語を朗読した。じゃかるた新聞が報じた。
 昨年11月から研修を開始した計10クラスの189人が参加。コンテスト形式で三つの物語ごとにクラスを振り分け、1クラスずつ発表する。全員が担当箇所を暗記し、1人ずつ交代で朗読するため、チームワークも問われる。
 課題図書は「100万回生きたねこ」「葉っぱのフレディ」「スーホの白い馬」の3点で、いずれも生命をテーマにした作品だ。どの作品も長文の描写や会話があり、参加者は発音や抑揚に苦労しながらも、大きな声で明確な朗読に努めていた。

今春から2大学で日本流製造業ビジネス講座 ニキサエ

今春から2大学で日本流製造業ビジネス講座 ニキサエ
 人材支援のニキサエ・ジャパン(愛知県名古屋市)は3月から、インドネシアジョクジャカルタ特別州のガジャマダ大(UGM)で理系学生や日本語学科生を対象に、製造業ビジネス講座を開講する。日系企業の製造現場で求められる有能な人材を学生時代から育成し、企業へ供給するのが狙いだ。ニキサエ・ジャパンは、工場の自動化システム、ファクトリーオートメーション(FA)コンサルティングのツールスター(愛知県)と共同で講座を開講する。
 特別講座といった扱いではなく、大学の通常カリキュラムの中に組み込み、単位認定される正規授業だ。整理整頓やあいさつなどの企業文化に加え、各種機械の名称や、使用方法に関する教科書を作成し、講師はニキサエのインドネシア人スタッフが務める。4月には東ジャワ州マランにあるブラウィジャヤ大でも同様の講座を開講する。
 ニキサエ・ジャパンの高橋克典社長は「2大学を拠点に他の大学でも講座を開設していく。学生と企業を結びつけ、学生の就職率向上にも貢献できる」と意気込みを語っている。 

トヨタが自動車産業の人材育成支援強化 対象SMK拡大

トヨタが自動車産業の人材育成支援強化 対象SMK拡大
 トヨタ自動車は、インドネシアで自動車産業の人材育成の支援プログラムを強化する。国内自動車市場の伸びに伴い、生産や保守サービスに従事する技術人材の育成が急務となっているため、技術支援プログラム「T-TEP」の対象校、すなわち機械設備などの提供先となる職業高校(SMK)を、昨年末時点の57校から今年は62校に広げる。
 2月18日には西ジャワ州ボゴール・チビノン1校の支援で教育文化省と契約を交わし、設備を引き渡した。同校にはこれまで、教科書など教材を提供していた。今回は練習用の車両を含む設備を納めた。NNAが報じた。
 教育文化省中等教育局のアミン技術・職業教育担当部長によると、インドネシアにはSMKが2000校ある。トヨタをはじめとする日系メーカー各社が支援事業に協力的なため、校内の指導環境が整ってきているという。

 

インドネシア青年13人を沖縄ちゅら島協組が受け入れ

インドネシア青年13人を沖縄ちゅら島協組が受け入れ
 沖縄県ちゅら島事業協同組合(糸満市)は、外国人技能実習制度に基づき、2月からインドネシアの青年13人を受け入れ、日本語学習など講習を開始した。事業協同組合として外国人実習生の受け入れは沖縄県内で初めて。1年後に「技能実習2号」の資格取得を目指す。取得後はさらに2年間の実習に進む。加盟事業者は将来、育った人材も活用しながら、インドネシアへの事業展開も視野に入れる。琉球新報が報じた。
 13人のうち9人が水産加工業、4人がキク農家で実習する。インドネシアで3カ月間、日本語を学習、さらに1カ月間、組合の事務局を務める三高水産(糸満市)で日本語教育などの講習を受けた後、3月から現場で実践的な技能を習得する。三高水産ではマグロの切り分けやセーイカの加工作業を実習する。伊是名漁協ではモズクを取り扱う。
 同協組は2012年6月、外国人技能実習生の受け入れを目的に、沖縄県内の水産業者や農家が中心となり設立。認定に向けた実績確認を経て、13年度から受け入れ事業を開始した。外国人技能実習制度は最長3年間、国内企業が外国人を技能実習生として受け入れることができる制度。単純労働は禁止されている。

大学など研究助成に9億ルピア授与 東レ科学振興財団

大学など研究助成に9億ルピア授与 東レ科学振興財団
 今回で第20回目となったインドネシア東レ科学振興財団による、科学教育で優れた実績をあげている大学研究者らへの贈呈式が2月12日、中央ジャカルタのホテル・シャングリラで行われた。同贈呈式には東レ本社から小泉慎一相談役や鹿取克章・駐インドネシア日本大使、ハッタ研究技術担当国務相らが出席した。
 受賞者はインドネシア大学などの若手研究者18人、高校や専門学校の理科の教諭10人。大学の若手研究者の計6億8000万ルピア、高校・専門学校の教諭に計2億5000万ルピアがそれぞれ授与された。
 同財団による研究助成金の贈呈は、日本企業によるインドネシアへの社会貢献事業の先駆的な制度だけに、来賓のあいさつでは高く評価する発言が多くみられた。

トヨタなどが実施した交差点の改良工事で渋滞が緩和

トヨタなどが実施した交差点の改良工事で渋滞が緩和
 日本政府およびトヨタ自動車グループなどが実施したインドネシア南ジャカルタ・マンパン交差点の改良工事後、工事した4カ所のうち1カ所で、最長時の交通渋滞の長さが約77%減少、若干の改良を加えるだけで大きな効果が出ることが分かった。残り3カ所でも渋滞は若干減った。似たような渋滞地点も多い首都圏で、今後の取り組みへの期待が高まりそうだ。じゃかるた新聞が報じた。
 大幅に渋滞が減ったのはUターン地点の位置を手前に変える工事。カプテン・テンデアン通りからブロックM方面へ向かう車がUターンする場所で、交差点内まではみ出していたUターン地点を手前に移動させた上、直進できないよう安全地帯を設けた。。その結果、クニンガンからパサールミング方面へ向かう車の列とぶつかることがなくなり、渋滞が最長で65㍍から15㍍へと4分の1以下に、平均通過時間が18秒から8秒と半分以下に減った。昨年12月の計画終了後に調査した結果、4カ所の渋滞の長さ(最長時)は21.10%(19㍍)、交差点の平均通過時間は17.96%(23秒)それぞれ減少した。
 この計画は日本政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力の769万円をトヨタ・アストラ財団が受けて実施した。官民連携の枠組みで、総予算約1500万円の残りをインドネシアのトヨタ・グループや部品供給企業など23社が拠出。場所の選定などでジャカルタ特別州政府も協力した。

写真でつなぐ被災地 アチェ市職員が東松島で作品展

写真でつなぐ被災地 アチェ市職員が東松島で作品展
 河北新報社によると、2月7日から宮城県東松島市健康増進センター「ゆぷと」で、2004年のスマトラ沖地震で甚大な被害を受けたインドネシアアチェ州バンダアチェ市職員のユリ・マルトゥニスさん(33)の写真展が開かれている。写真展のタイトルは「二つの場所、二十の瞬間」。スマトラ沖地震、東日本大震災、二つの巨大津波に襲われた被災地同士を写真でつなぎ、復興の足跡などを紹介するのが狙いだ。
 展示されるのはアチェ、東松山両市でユリさん撮った各10点。アチェでは市場、イスラム教の新年といった風景に加え、津波で内陸にまで流された船、再建されたモスクなど。東松島では茶道など日本文化、がれきの手選別の様子が収められたショット。
 ユリさんは両市の関係構築を支援してきた国際協力機構(JICA)の事業で日本に派遣され、東日本大震災で被災した東松山市の産官学民の連携組織「東松島みらいとし機構」で研修中で、その研修が今月で終わる。写真展は、仙台市青葉区のJICAプラザ東北でも計画されている。