礼拝室など日本で広がるムスリム向けサービス
イスラム圏諸国からの観光客の急増に伴い、 いま日本でムスリム(イスラム教徒)を対象にしたサービスなどの整備が静かに、しかし着実に進んでいる。ムスリム旅行客対応のサービスといえば「ハラル食」がよく話題にされるが、彼らの日々の生活の中で切実に求められることが、実はまだ他にある。お祈りの施設だ。
9月には高島屋(本社大阪市)が運営する新宿タカシマヤ(東京都渋谷区)に百貨店初の「礼拝室」が設置された。10月にはJR西日本(本社大阪市)がJR大阪駅の大阪ステーションシティ(大阪市、運営は大阪ターミナルビル)に、宗教不問で利用できるJRグループ初となる「祈祷室」を開設した。
ムスリムの女性の装いで欠かせないジルバブやヒジャブも京都と横浜でジャパンメードが表面に出つつある。今年1月に産声をあげたのが京都。「KYOTO×Hijab(6300円・税込み、シルク100%、七宝つなぎ柄、6色展開)は、公益財団法人、京都文化交流コンベンションビューローが中心となり開発された。京都で加工した生地を京都の伝統技法で染め上げた。
横浜では今夏から横浜タカシマヤ(横浜市)で「横浜タカシマヤ限定オリジナルヒジャブ」の販売が始まった。このヒジャブも伝統ある横浜スカーフの技術が活かされ横浜ならではのセンスある商品に仕上がっている。価格は素材別にレーヨン100%が1万8000円(税込み)と、シルク100%が1万6200円(税込み)がある。