「和紙」無形文化遺産に 石州・本美濃・細川 ユネスコ決定
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は11月27日、日本政府が提案していた「和紙 日本手漉き和紙技術」の無形文化遺産登録を決めた。フランス・パリで開催中のユネスコ政府間委員会で決定した。クワ科の植物、コウゾだけを原料にした手漉きによる製作技術が「伝統的工芸技術」として認められた。日本の無形遺産は昨年の「和食」以来で計22件になる。
「和紙」は国の重要無形文化財に指定されている石州半紙(せきしゅうはんし、島根県)、本美濃紙(ほんみのし、岐阜県)、細川紙(ほそかわし、埼玉県)–の3つで構成。資料収集や原材料確保の保護措置が図られていることが評価された。
独特の柔らかみと温かみのある和紙は、障子や手紙など日本人の暮らしの中に息づく文化で、急増する訪日外国人にも、ぜひ見てもらいたいものであり、紹介したいものだ。安倍晋三首相も「匠(たくみ)たちが受け継いできた技(わざ)とともに、和紙の文化を後世へと大切に継承していきたい」との談話を発表している。