大阪でジョコ政権下のインドネシア・ビジネスセミナー
インドネシアに進出している企業や進出を検討中の企業を対象としたセミナーが12月18日、大阪市中央区・大阪産業創造館で開かれた。このセミナーは、コンサルティング業務でインドネシアビジネスと関わりの深いオーシャンパートナーズ(大阪市西区)が企画、インドネシアのカルティニ・ムルヤディ法律事務所でマーケティング・アドバイザーを務める柳田茂紀氏を講師に招き、インドネシア進出企業など約70人が参加して行われた。 セミナーは第1部「コンサルティングから見るインドネシア」講師・橋本邦彦氏(オーシャンパートナーズ会長)、第2部「インドネシア・ビジネス・リスク」および第3部「最近の法務トピック」講師・柳田茂紀氏の構成で実施された。
冒頭、今回のセミナーのあいさつを兼ね登壇した橋本氏は、商社勤務の駐在員時代から起算して35年間にわたるインドネシアと関わった経緯や経験について肌で感じ取った、インドネシアの国柄・国民性などについて、肩の凝らない、軽妙な口調で語った。そして、インドネシアビジネスにおける成功のカギはパートナー選びにあるという。その際、流されている情報を鵜呑みにせず、実際に会って自分の目で見て、話して確かめることが重要で、選んだパートナーには何をしてもらいたいのか、お互いの役割分担をはっきりさせることだと言明した。
また、2・3部を担当した柳田氏は、配布されたレジメに沿って明快な語り口で、現在進行形の事象なども含めた事例をもとに、実務処理上、あるいは税務対策上の問題点や見通しなどについて補足説明を加え、分かりやすく解説した。そして、インドネシアビジネスを推進する上での法務・税務上、陥りやすい問題・課題点や留意点などについて、基本的な考え方を述べた。
柳田氏もインドネシアについて、世界最大の親日国だが、他のASEAN(東南アジア諸国連合)とは比較できない、家族や宗教が仕事に優先する特殊な国だ。例えば、家族の通院付き添い、礼拝、断食なども仕事より優先する。こうした点、日本人にはなかなか理解できない部分だ。また、政府が打ち出す様々な省令などに対する、日本とは全く異なる考え方、出し方の違いなどの裏話も披露した。インドネシアはある日、唐突にとりあえず出し、即施行される。そこで、問題が指摘されると修正を加えたり、場合によっては抜け道をつくったり、撤回に近い形で変更することもあるという。日本では決して考えられない対応だ。したがって、こうした欠点を分かったうえで付き合うことが重要だとした。