日本製装った偽物鋼材 中国などで横行 100件超把握

日本製装った偽物鋼材 中国などで横行 100件超把握

国内鉄鋼大手企業の調査によると、日本の鉄鋼メーカー製を装った偽物の鋼材が中国などで出回っていることが分かった。被害の全容は不明だが、少なくとも100件以上の偽造が見つかっているという。自動車や家電などだけでなく、原材料の分野でも偽物が横行する実態が明らかとなり、企業は対応を強化する方針だ。

鉄鋼メーカーが製品に添付する品質保証書を卸売業者が日本製品であると偽造する例が多いとみられる。価格が安い現地製の鋼材を業者が高値で建設会社などに販売しており、鉄鋼メーカーが直接取引する自動車向けなどでは被害は見つかっていない。JFEスチールでは2012年ごろから中国のほか、東南アジアで自社ブランドを勝手に使った建設用鋼材を確認している。中東でも油田開発用パイプの自社の偽物を見つけている。新日鉄住金も、中国などで被害に遭っている。偽造品の品質は低く、最悪、鋼材の破断など事故を引き起こすことにもなりかねない。ひいては、日本の正規鋼材まで不良品の疑いを持たれる可能性もある。読売新聞が報じた。