宇宙太陽光発電 JAXAが来週から世界初実験
宇宙に巨大な太陽光パネルを広げて地上に電気を送る「宇宙太陽光発電」の実現に向けて、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが、電気を電波に変え、高い精度で無線で送り、電気として取り出す実証実験を来週から始める。
宇宙太陽光発電は、太陽光パネルで作った電気をマイクロ波と呼ばれる電波やレーザー光に変換して送り、地上のアンテナで受けて再び電気に変える。天候や昼夜に左右されず、地上よりも強い太陽光を使える利点がある。今回の実証実験はこの発電の中核となる無線送電技術の確立を地上で目指す。宇宙利用を想定し、高出力のマイクロ波ビームの方向を制御しながら送る実験は世界で初めてという。
経済産業省の委託を受けた宇宙システム開発利用推進機構と連携し、技術開発してきた。総事業費は同推進機構側が約13億円、JAXA側が約5億円。夢の宇宙太陽光発電へいよいよ第一歩を踏み出す。