中国が南シナ海に「夏季休漁令」ベトナムなど反発
中国政府が領有権を主張する南シナ海に「夏季休漁令」を出し、ベトナムの漁民らが反発を強めている。中国によるスプラトリー諸島での広範囲にわたる埋め立て強行が批判を浴びる中、パラセル諸島でも緊張が高まり始めた。
中国農業省は5月16日正午に突然、8月1日までの2カ月半を「休漁期間にする」と発表した。海域は北緯12度から福建省、広東省沿岸に至る南シナ海の北・中部が対象。同省は休漁を命じた約9000隻の中国漁船に「港湾への出入港の報告制度を厳格に執行する」と命じており、外国漁船も厳しく取り締まるとみられる。
国営ベトナム通信(電子版)によると、ベトナム外務省報道官は「中国が決めた休漁海域には、ベトナムの海域が含まれている。中国の決定に断固反対し無効とみなす」と強く非難している。休漁海域では中国漁政局の監視船が連日パトロール。中国だけでなく、ベトナム、インドネシア、フィリピンの漁船が違法操業していると判断すれば、漁民を拘束する可能性もある。東京新聞などが報じた。