印 ネスレ即席麺に販売停止命令 日清なども再検査
食品世界大手ネスレ(スイス)がインドで品質問題に直面し、主力の即席麺「マギー」を販売できない状態に陥っている。ネスレは「品質に問題はない」と主張するが、インド当局は生産・販売の停止を命令。6月8日には日清食品ホールディングスのインド子会社、グラクソ・スミスクライン、インド日用品大手ITCなど他の6社の製品も再検査すると表明、インド即席麺業界に激震が走る事態に発展している。
今回、販売停止に陥るきっかけになったのは4月、インド北部ウッタルプラデシュ(UP)州の食品安全当局が、ネスレに対し20万パックの回収を要請したこと。当局はマギーの即席麺から、危険な量の鉛とグルタミン酸ナトリウム(MSG)が検出されたとの調査結果を各メディアに説明した。そして、翌月にはインド各州に拡散。デリー首都圏、南部タミルナド州、西部グジャラート州など約10州が検査実施や販売停止命令を出し、6月5日には中央政府の食品安全基準局(FSSAI)もマギーの生産・販売を命じた。
インド国内での報道ぶりからは、一概に当局による”外資たたき”とは表現できないという。したがって、事態が早期収拾に向かわなければ同国即席麺市場全体に縮減の影響が出るのは避けられないようだ。ネスレのマギーは5億㌦規模とされるインド即席麺市場で8割のシェアを握る一大ブランド。