海上自衛隊と比海軍が南沙周辺で合同救助訓練
日本の海上自衛隊とフィリピン海軍は6月23日、南シナ海・南沙(スプラトリー)諸島周辺で、偵察能力の高い海自のP3C哨戒機を初めて使った合同の救助訓練を実施した。南沙では中国による岩礁の軍事拠点化が進んでいる。フィリピンはこの海域近くに日本の自衛隊部隊を招き入れることで、中国へのけん制を強める狙いがある。
23日朝、海自隊員とフィリピン軍兵士が乗り込んだP3Cは、南沙に近いフィリピン西部パラワン島を離陸し、南シナ海上空などを約3時間飛行。海難救助を想定した訓練で、24日も行われる。
パラワン島沖の別の海域では22日から米軍とフィリピン軍との合同軍事演習も実施されており、日本や米国との連携の強さを誇示するフィリピン軍の意図がうかがえる。
フィリピンの軍事力は東南アジア諸国の中でも弱く、国防費は中国の50分の1程度。南シナ海での中国の実効支配拡大を食い止めることはできない。このため同盟国の米国のほか、沖縄県・尖閣諸島問題などで中国と対立する日本との防衛協力の強化を急いでいる。