AIIBに世銀出身者8人が設立準備に協力 中国が依頼
中国が設立を主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)で、少なくとも8人の世界銀行の出身者が設立準備に協力していることが6月27日、AIIB関係者の話で分かった。これまでベールに包まれていたAIIBの設立準備態勢の一端が初めて明らかになった。
世銀出身者らは、中国の依頼を受けて準備に参加。AIIBの運営体制などを盛り込んだ設立協定や、融資基準の作成などを主導している。協力者8人のうちの1人、米ブルッキングス研究所のデビッド・ダラー上級研究員は「主に組織のガバナンス(統治)について助言している」と明言。「今年に入り、中国側から依頼を受け無償で協力している」と経緯を話している。
ダラー氏を含め8人の世銀出身者が、アドバイザーやコンサルタントといった立場で、AIIBの設立協定の作成などに協力している。また、アジア開発銀行(ADB)などの日本人職員にも中国側から熱心な勧誘があるという。
中国は世銀など既存の国際金融機関に対抗する形でAIIB設立を決めたが、運営体制の構築には豊富な経験を持つ世銀出身者の力が必要と判断したものとみられる。毎日新聞が報じた。