建築の基盤になる鉄筋継手を扱う富士ボルト製作所(本社・東京都江東区)のインドネシア工場が10月末から本格操業を開始した。当面は日本への輸出が中心となる見込みだが、シンガポール、豪州などへの販路開拓も目指す。ボゴール県グヌン・プトリの新工場は同社の海外初の生産拠点。月間40㌧で生産を始め、来年には150㌧規模まで生産能力を引き上げる。そして、来年中に日本国内の生産ラインの7割以上を、同工場に移管していく方針。
インドネシアでは、鉄筋継手が使用されている建造物は全体の1%程度で、多くは鉄筋の接合部を重ね、針金で結ぶのが一般的。しかし近年、耐震意識が高まりつつあるため、鉄道、道路、橋梁などで、同国で急増している鉄筋継手に対するインフラ整備需要の取り込みを狙う。