インドネシアで日本の自治体首長のトップセールス続々
安倍晋三首相のトップセールスが目立つ昨今だが、インドネシアで日本の地方自治体の首長によるトップセールスが相次いでいる。これは、地元企業のインドネシア進出や地元名産品の輸出のほか、観光客の誘致なども視野に入れ、関係の促進、強化を図ろうという動きだ。愛媛県の中村時広知事や秋田県の佐竹敬久知事らは、4、5月にかけてそれぞれ使節団の代表としてインドネシアを訪れている。
今年4月、愛媛県の中村知事は県商工会議所連合会などの23社とともにジャカルタを訪問した。参加企業は国営ヌガラ・インドネシア銀行の協力を得て、同銀行顧客の地場企業35社とインドネシア経営者協会が集めた20社の計55社と商談会を開催した。中村知事は、大手は単独で進出できるが、中小企業は海外に展開するノウハウや営業面で後押しが必要-と語り、県内企業の進出促進に向け、県が支援していく必要性を強調した。
また同知事は、インドネシアからの観光客誘致を見込み、日本でも有数のサイクリングコースとして知られる「しまなみ海道」を宣伝するため、ガルーダ・インドネシア航空幹部と会談。同航空が今年10月に関空-ジャカルタ間の定期便の就航を予定していることから、同海道のサイクリングコースなどを盛り込んだ観光ツアーを検討している。
5月には秋田県の佐竹知事を団長に、秋田県と秋田銀行、秋田貿易推進協会による総勢50人の経済使節団がインドネシアを訪れた。インドネシアの財界人や日系企業幹部ら150人を集め、秋田県の魅力を紹介するセミナーとレセプションを開催。その際、佐竹知事は自らプレゼンテーションを行い、秋田県のかまくらはじめ世界自然遺産登録の白神山地や日本一深い田沢湖などの自然、地酒、コメ作りをはじめとする農業、環境技術などをアピールしている。