バンコク・テロ 観光業への影響必至 低迷経済に暗雲
タイの首都バンコクで起きた爆弾テロ事件が、2014年5月のクーデター後低迷するタイ経済に暗い影を落としている。8月17、18日と続いた2回のテロはいずれもバンコク有数の観光名所で起き、基幹産業である観光業への影響は必至だ。軍事政権は20日、経済閣僚を一新する内閣改造に踏み切ったが、さらなる打撃を受けた経済を立て直すことは容易ではない。軍政への支持離れが加速する恐れもある。
タイ国家経済社会開発庁は17日、2015年の国内総生産(GDP)成長率の見通しを、3~4%から2.7~3.2%に引き下げた。東南アジア諸国連合(ASEAN)域内にあって、本来ならASEANの成長をけん引する立場にありながら不振が目立つ。周辺国が経済成長著しいだけに、とりわけ低迷が際立っている。そのため、国民の不満が高まっている。今後、軍政への支持離れが加速する恐れもあり、予断を許さない事態も予想される。