アジアで中国受注のインフラの延期やトラブル続出
中国企業が受注した東南アジアの大型インフラ案件で、工事の延期やトラブルが続出している。これに伴い、当寺国では中国に対する不安感が広がっている。
インドネシア政府は2015年9月、高速鉄道建設計画で中国への発注を決めた。これはジャカルタ~バンドン間約140㌔㍍の建設計画だが、早くも着工が遅れが出ているからだ。中国との具体的な計画を話し合う過程で、中国からの当初提案案件の内容が大きく変更され、計画自体が暗礁に乗り上げてしまったケースも出ている。
中国に対する不安感はインドネシアだけではない。フィリピン・マニラ近郊の鉄道計画では工事を途中で中止し、地元業者との取引決済をしないまま、中国企業が逃げてしまったこともあるからだ。
このフィリピンの工事は15年秋、日本がODA(政府開発援助)で工事を再開することでフィリピン政府との間で合意している。
中国企業に対する不安・不信感はまだある。15年8月にインドネシア政府に提出された中国の提案書には日本の提案書を元に作成されたと思われる痕跡があったのだ。日本は建設予定地のボーリング調査を行うなどして地質調査や需要予測などを数年かけてまとめ、途中駅の入ったルート図を含む提案書を提出していた。
だが、実は日本が行った調査など一切行っていないはずの中国が提出した提案書にも、同じデータが入っていたというのだ。これだけ続くと、中国企業に対する不安感が広がるのも無理はない。