2016年のチャイナリスク倒産110件 日本企業を翻弄
東京商工リサーチのまとめによると、2016年の「チャイナリスク」関連倒産は前年比8.9%増の110件で、集計を開始した2014年以降で最多となった。3月に単月として最多となる16件を記録し、11月も13件発生するなど、中国経済にいぜんとして浮揚の兆しがみられない状況を反映し、1年を通してチャイナリスクが日本企業を翻弄した。
負債総額は同69.9%減の718億4300万円だった。2015年は9月に第一中央汽船(東京都、民事再生)が1196億700万円の負債を抱えて倒産したが、2016年は負債100億円を超える倒産は1件にとどまったため、負債総額は約7割減少した。
「チャイナリスク」関連の集計基準は①コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)②品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品など)③労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)④売掛金回収難(サイト延長含む)⑤中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)⑥反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)⑦価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)-による。対象は負債額1000万円以上の法人および個人企業。