堀場・日立造 ミャンマーで河川水質改善モデル事業
堀場製作所(京都市南区)と日立造船(大阪市住之江区)は、2017年1月からミャンマーのワンディン市の染色工場周辺の河川の水質改善の実証試験を開始した。
この事業は環境省の「平成28年度アジア水環境改善モデル事業(現地実証試験)」の公募に応じ、共同で事業提案し採択されたもの。堀場製作所水質モニタリング機器、日立造船の排水処理設備を使用した水質改善の実証試験を実施する。
この中で①染色工場の規模、排水量、河川汚濁状況の調査②対象工場の染料および排水の分析により、実証試験設備の仕様確定③実証試験設備の導入と効果確認(河川調査)④試験設備の運転・維持管理に関する技術指導-などを行う。
これにより、ミャンマーの染色工場の排水による水質汚濁改善を目指し、両者が持つ水環境改善技術を現地におけるビジネスとして具現化するとともに、ミャンマーの繊維・織物産業の発展と環境保全の推進を目指す。
ワンディン市はミャンマーの民族衣装のロンジーの織物工場が市内に約6300カ所あり、その10%の約630の工場が染色工場を持っている。また、同国では工場排水に対する具体的な規制や基準、罰則が定まっておらず、排水処理設備のない工場がほとんどで、排水による水質汚濁が大きな社会問題となっている。