関西で広がる接客研修などムスリム観光客誘致への動き
関西でインドネシア、マレーシアを主とするムスリム観光客誘致への動きが、飲食店、宿泊施設、そして自治体へと広がっている。ムスリム観光客受け入れは、様々な戒律が”壁”となって、単なるPR活動の強化だけでは解決できないものがある。飲食に始まり、宿泊、礼拝など受け入れスタッフには、ムスリム接客時の徹底した研修が欠かせないからだ。イスラム教には豚肉やアルコールを摂らない戒律があり、食品は戒律に従って製造された「ハラル認証」が求められる。
海外から関西への玄関口・関西国際空港では、外食大手ロイヤルホールディングスグループが運営するうどん店「ざ・U-don」は7月25日、「ハラル認証」に基づくメニュ-の提供を始めた。通常はアルコールを含むうどんのつゆなど15品目程度の食材を切り替え、スタッフはムスリムを接客するための研修を受けた。
大阪キャッスルホテル(大阪市中央区)は昨秋、今後ムスリム観光客を積極的に受け入れていく方向で、豚肉などに触れない調理器具を新調し、使い捨ての食器を用意。礼拝コーナーも設けた。その結果、利用・宿泊したムスリム観光客には好評価を得た。自治体もムスリム観光客誘致に積極的だ。大阪、京都、神戸、堺の4市は8月末に飲食店を対象としたセミナーを開く予定だ。