刑務所の過剰収容が深刻化 薬物犯はリハビリ施設へ

刑務所の過剰収容が深刻化 薬物犯はリハビリ施設へ
 インドネシアでいま、刑務所の定員超過問題が深刻化している。象徴的な事件が、今月北スマトラ州メダンのタンジュン・グスタ刑務所で起こった受刑者の暴動だ。同刑務所には定員の2倍半の受刑者2600人を収容し、このうち麻薬密売69人、麻薬使用1700人と薬物犯の割合が多かった。
 アミル・シャムスディン法務人権相は7月23日、全国の刑務所に収容されている受刑者11万7000人のうち薬物犯は5万6000人に上り、必ずしも刑務所に収容する必要はないとの見解を示した。また、受刑者は治療やリハビリが必要な麻薬使用者と重罪や死刑を宣告された密売者に分かれる。各地の刑務所では大部分が区別されずに収容されており、将来的には両者を分離する必要があるとした。
 リハビリは現在、所管の国家麻薬委員会(BNN)だけでなく、法務省や保健省、社会省が連携し、各地の病院などの施設で実施する。同相は「計画が実施されれば、刑務所の定員超過問題は解決に向かう」と話している。BNNによると、2011年時点の同国内の麻薬常習者は380万~420万人に上る。