インドネシアが最多 海外投資はASEANシフト鮮明
日本企業による海外投資の東南アジア諸国連合(ASEAN)向けシフトが鮮明になっている。2013年1~6月のASEAN向け投資額は、インドネシア向けを筆頭に約1兆円と前年同期の4倍に膨らみ、上半期で過去最高水準になった。これは中国向けの2倍だ。中国の賃金上昇や日中関係の冷え込みなど政情リスクを背景に、進出先を中国以外に分散する企業が増えている。
国別ではインドネシア向けが最も多く、前年同期比44%増の2440億円。JFEスチールは6月、自動車用鋼板の生産をインドネシアで始めると発表。3億㌦(約285億円)を投じて工場を新設し、16年3月の稼働を目指す。同じ6月、伊藤忠商事が雪印メグミルクなどと建設したプロセスチーズ工場が完工し、稼働を始めている。日本企業からASEANへの投資の約99%はインドネシア、ベトナム、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシアの6カ国に集中してきた。