経産省が繊維業で技能実習の適正な取り組みで指針

経産省が繊維業で技能実習の適正な取り組みで指針

経済産業省はこのほど、「繊維産業における外国人技能実習の適正な実施等のための取組(案)」と題する指針をまとめた。
これは繊維産業、とりわけ縫製業で外国人技能実習制度を悪用した法令違反(最低賃金・割増賃金等の不払い、違法な時間外労働等)の事例が数多く発生している現状を踏まえたもの。
この指針は、日本繊維産業連盟はじめ、繊維産業で技能実習に関係するすべての業界団体を構成員とし組織された「繊維産業技能実習事業協議会」でまとめられた。この中で法令順守はもちろんのこと、とくに大企業から率先して具体的な行動をとるよう求めているほか、法令違反が顕著な縫製業に関係する構成員団体(受注側および発注側)に対しては、早急かつ重点的な取り組みを求めるとしている。
技能実習生の数は平成29年末現在、全産業で27万4233人で、このうち繊維産業は推計3万1000人程度(うち縫製業は推計2万6000人程度)。実習実施者(受入企業)の数は平成29年末現在、全産業で約4万8000、このうち繊維産業は推計6000程度。監理団体の許可数は平成30年5月末現在、全産業で2144、このうち繊維産業で786(うち縫製業635)。
法務省入国管理局が平成29年に「不正行為」を通知した183の実習実施者(受入企業)のうち、繊維産業が94と過半を占め、そのほとんどが縫製業に係る事案となっている。