ジャカルタ特別州が人工降雨策に予算付け 洪水対策で
ジャカルタ特別州のジョコウィ知事は10月12日、国家災害対策庁(BNPB)が先に行った「人工降雨が首都の降雨量軽減に有効」の報告に基づき、この人工降雨策を治水事業の一環に加え、180億ルピア(約1億6000万円)の予算を充てる意向を明らかにした。この人工降雨は毎年降雨量が最も多い時期の来年1~3月中に実施。州内各地に住民の避難所も設置するとしている。
この人工降雨策は科学技術応用評価庁がBNPBや空軍と協力、雲の下に雨粒の核になる食塩を撒き、人工的に雨を降らせるもの。上空9000フィートに約5㌧の食塩を散布し、本来ジャカルタに降るはずだった雨の一部をバンテン州パンデグランに降らせることに成功しているという。
同州はほかに総額5000億ルピアの予算を投じ治水事業に取り組む。地下の地層に雨水を浸透させて排水する「浸透井戸」は11月までに州内1900カ所以上の設置を目指している。ジャカルタで1月に発生した大洪水では、首都の約3分の1が冠水。4万人以上が避難生活を強いられ、被害額は数百億円以上に上った。