豪の盗聴疑惑でイ・豪二国間に亀裂 協力見直しを示唆

豪の盗聴疑惑でイ・豪二国間に亀裂 協力見直しを示唆
 米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン氏の暴露資料を発端に発覚した、豪州の情報機関による在インドネシア豪州大使館などを通じた盗聴疑惑を巡り、インドネシア・豪州両国政府に亀裂が生じている。英豪メディアは10月末から11月初めにかけて、在インドネシア豪州大使館などを拠点に豪州が情報活動を展開していたことを報道している。ところが、豪州政府はこれまで盗聴疑惑の真偽についての説明を避けているため、インドネシア側はいらだちを強めている。
 両国は難民認定希望者らの密航対策やテロ分野での協力を進めていたが、今回の盗聴問題で関係は険悪化。インドネシアのマルティ・ナラレガワ外相は11月4日、「我々の協力関係とは何なのかを考えざるを得ない」と不快感を表明。豪州が通信傍受を完全に中止する確約が得られなかった場合、協力体制を見直すことを示唆した。
 難民の密航船の問題解決は豪州のアボット政権が掲げる公約の一つで、そのためにはインドネシアの協力が不可欠。同国との信頼関係構築につまずけば政権運営に影響する。国際会議参加のため7日からインドネシアを訪問する豪州のビショップ外相は、インドネシア側に広がる豪州不信に、真摯に向き合った対応、説明を迫られそうだ。