サウジでインドネシア人出稼ぎ労働者7万人が潜伏生活
サウジアラビア政府が外国人不法労働者の摘発を本格化させたことで、7万人を超えるインドネシア人労働者が同国で潜伏生活を余儀なくされる事態となっている。インドネシア政府はサウジアラビア政府と折衝にあたっているが、まだ解決の糸口は見い出せていないようだ。そのため、雇用主に旅券を預けたまま、その職場を離れた労働者は滞在手続きも出国もできない状況に置かれている。サウジアラビア政府は不法滞在者に、速やかな帰国か正規の滞在手続きをとることを求めているが、旅券がなくてはいずれの選択肢をとることもできないというわけだ。
サウジアラビアでは外国人労働者は「身元保証」の名目で雇い主らに旅券を預けたうえで就労することになっているが、本人に返却されないまま、失踪する労働者が大勢いるという。本人が行方不明になったため、雇用主がインドネシア大使館や領事館に届け出るケースが多い。地元紙は11月11日、現地インドネシア公館に寄せられた持ち主不在の旅券が7万7000通に達すると報じている。出稼ぎに行った労働者が失踪、端的にいえば逃げ出す背景には、事前に知らされていない過酷な労働などを理由に、帰国を申し出てもなかなか受け入れられない現状があるとみられている。
インドネシア外務省によると、11月4日現在、約10万人のインドネシア人が不法滞在しており、このうち約9500人がパスポートの再発行を申請している。