初代大統領の伝記映画「スカルノ」主要都市で封切り

初代大統領の伝記映画「スカルノ」主要都市で封切り
 スカルノ初代大統領の幼少期から独立宣言の日までを描いた伝記映画「スカルノ」が12月11日、全国主要都市の映画館で封切られた。1960年代後半の失政や失脚には触れず、オランダ統治下のスカルノ少年の恋愛、人種差別による破局、そして挫折、独立運動に身を投じた時期、日本軍政期に政府に接近、逆に日本のプロパガンダに利用される姿、慰安婦の徴用や労務者の強制労働に心を痛め、インドネシア人から「裏切り者!」と中傷され苦悩する様子や、盟友ハッタらの理解を得ながら難局を乗り越える姿などがドラマチックに描かれている。
 スカルノが国家5原則「パンチャシラ」について熱弁を振るう場面もあり、独立指導者が掲げた建国の目標を振り返りながら、ナショナリズムを鼓舞する。スカルノを記録でしか知らない、新しい世代が想い描く古き良き「ブン・カルノ(スカルノ兄さん)」への郷愁を注ぎ込む内容となっている。