世銀機関がイ政府の異議を棄却 英鉱山へ賠償の公算も

世銀機関がイ政府の異議を棄却 英鉱山へ賠償の公算も
 英鉱山チャーチルマイニングが東カリマンタン州クタイ県での鉱業許可取り消しで損害賠償を求めている紛争で、世銀傘下のICSID(国際投資紛争解決センター)は2月25日、インドネシア政府による異議申し立てを棄却した。これによりインドネシアは多額の賠償をしなければならない可能性がある。
 両者の争点はICSIDへの提訴の正当性だ。チャーチルは2012年の提訴以来、英・イ、豪・イ投資協定にある投資協定仲裁での解決を求める立場。これに対しインドネシア政府は、元来この紛争は英、豪との投資協定の範囲外で起きていることで、しかもICSIDが仲裁する権利を持つことを承認していない。したがって、ICSIDの裁定そのものも正当性はないとの立場だ。言い分は平行線だ。
 チャーチルは鉱業許可取り消しにより少なくとも10億5400万㌦(約1070億円)損失を被ったと主張。一方、インドネシア法務人権相はインドネシアが投資協定に違反していない明確な証拠があると反論し、両社の隔たりは大きい。